第39話:異世界における盗賊の存在意義とは
本日5話目?
2018 1/20 22:25
PV数10000を越えたようです。
ブックマークも30。
嬉しいものです。
エタると宣言しても、ブクマしてくださる方、閲覧してくださる方。
感謝申し上げますm(_ _)m
7日目:場所は違うが小さな森の切れ間
昼になった。
1度、獲物や素材を届けに戻ってきたゴブリン隊を労い、また送り出す。
きちんと、武装を整えて、だ。
その間、俺も遊んでいた訳じゃない。
アウトのとっちゃんを<念動力>で色々動かしつつ、他のゴブリンと戦わせてみたり。
とっちゃんに回復魔術をかけまくり、ついでに強化魔術をてんこ盛りにしつつ、他のゴブリンと戦わせてみたり。
<とある神与の迷宮創造>の機能の1つ。
念話や、思考伝達を使って、俺の色々な発想を──物理的に──叩き込みつつ、思考加速を同期させて、無理やり思考速度を慣れさせたり。
「もうやべぇっス! 死ぬっス、色々見えちゃうっス!」
「大丈夫大丈夫。回復かけてるし、死なない死なない」
「ええい! もう一発っスよー!」
またはぐれゴブリンに、とっちゃん をぶつけてみる。
より上手く、グーパンチを打てるように、その身体を<念動力>で動かしつつ、身体に教え込む。
他の技術と違い、グーパンチ関連なら、少しずつ覚えていっている。
それでも少しずつ少しずつだが、育っているのは確かだ。
それに、アウトはかなり根性が有る。
相当なスパルタでやっているのだが、ちゃんと食らい付いている。
まぁ、涙目になってるし、アホな性格あってゆえだろうが……。
嫌いではないぞ?
ニードル・ラッキー・ラビットのフォルトゥーナ。
このモフうさぎも、弱い。
だが、その<幸運>も相まって、別の強さが有る。
<幸運>
ニードル・ラッキー・ラビットの種族スキル。
個体名:フォルトゥーナはイレギュラー個体であり、最初からレベル:MAXである。
実現可能性が複数有る場合、スキル保持者の望む可能性の実現に近付ける。
<直感>スキルとの極大シナジー効果有り。
<幸運>スキルを保持する個体を支配するものにも、<幸運>は波及する。
実現可能性、ゲーム的に言えば。
命中率が必中なら関係ないが。
命中率が100%で無いのなら、回避率が上がるようなものだ。
回避が0%でないのなら、確率を爆上げする。
クリティカル率が恐ろしいぞ!
ラッキー系の魔物は大抵保持してるスキルだ。
もちろん、<不運>というスキルや、<奇運>という珍しいスキルも有るのだとか。
種族スキルとして、<突進>を持っている。
そして<幸運>の導きも有り、敵を探してはとっちゃんをけしかけ、隙をフォルに狙わせる。
「キュー!」
あれ? 君さっきぷーぷー言ってたよね?
「キュ!? ……ぷー……ぷー」
もう遅いから、カモーン。
「キュー♡」
撫で撫でなーで。
いや別に、そこまでうさぎ感求めてないですし、モフいし可愛いからいいんだよー?
モフモフしつつ。
「ちょっ!? アニキ!? オイラ今ヤバいっスー!」
「フォル! <突進>だ!」
「キュ!? キュー!」
<突進>
一直線に突っ込むスキル。
ニードル・ラビットの場合、角による突撃とのシナジー効果が有る。
突進方向に、推進力を作り出せる。
スキル<突進>を発動させたフォルを、右手で掴み、構える。
槍投げのイメージだ。
本来、<突進>は足等で推進力を生み出し、突撃するのだが。
実は氣力や魔力で、推進力を生み出してもいるのだ。
今回は、エルのサポートのもと、フォルに<突進>を使わせ、本獣の推進力を強化。
そして、俺による<投擲>!
様々なスキルによる、強化・補正付きだ!
投擲タイミングで、勢いよく俺の腕を蹴り出し、<突進>!
「キューー!!!」
「ギャギャ!?」
ストライク!
フォルのクリティカルヒット!
ゴブリンの目を貫通し、脳を破壊した!
「ふひゃー、凄い威力っスねぇ。オイラ達も<レッドカード>有るのに」
「キュー、キュー!」
「おっと、今抜いて上げるからな」
角うさぎ投擲。
問題は、自分で抜けなくなること。
この問題、どうにかせんと。
というか、普通の角うさぎはどうしてるんだ?
あっ、バタバタしてるの可愛い。
(通常のうさぎはざっくり刺せません。<突進>でも、動けなくなるようには突っ込みません)
「キュー(悲しみ)」
「よしよし、角も顔も拭いてやるからなー。アウトは警戒しとけよ」
「差が酷くないっスか!? 何か来てるのは分かるっスけど。
って、シレイさん達じゃないっスか」
「大将、昼に戻るという命令を果たしました」
「よし、昼食にしよう。お疲れ様、みんな。ゆっくり休んでくれ」
<レッドの腕輪>に収納。
紅の部屋は、訓練だけでなく、その加速時間で、回復にも役に立つ。
「アウト、お前は紅の部屋で特訓だぞ?(にっこり)」
「アニキがちゃんと名前呼ぶの大体真面目な時か、ヤバい時じゃないっスかー!」
「じゃ、頑張れ。次は盗賊退治だからな」
「ちょっ、アニk」
戻ってきた魔鳥4羽編隊をブラッシングしつつ、食事の用意。
魔鳥達により、盗賊の根城は把握済み。
あっ、盗賊ってのは、ジョブ的な奴じゃなく、迷惑な方の盗賊だ。
つまり。
────殺戮して褒められる相手だよ────
──────────
視点:???
「よーしテメーら。楽しめよー!」
今回の稼ぎは上手く行ったな。
商隊を襲えたし、被害も軽微。
女も何人か居た。
多分数日でブッ壊れるだろうが、金は有る。
ブッ壊すまで使わせた方が、野郎共も素直になんだろ。
そろそろ、冒険者ギルドや領主も本腰入れてくるだろうからな。
この旧砦は、小さいがオレ達ゃー使いやすかったが。
そろそろ移るかね。ここは、魔物も温いし、冒険者も質がまだまだ。
その代わり、ウリの安全を脅かす、オレ達みてーなのの対処は中々早い。
なんにせよ。
「お前ら! ガンガンやっちまえー!」
今は宴を楽しめば良い。
明日は籠って移転の準備か。
多分、夕方近くまで使い物にならんが、明日中に準備を終えたいもんだな。
そうひとりごち、オレは酒を呷る。
「親方ー! その女どうっすかー!」
「おう! 一番見た目良かったが、こっちも悪くねぇ。後でやってみろよ」
「そうさせてもらいますわー」
酒に女、血を見る殺し。
あぁ、盗賊ってのは、悪くない。
──そうオレが呑気に思っていられたのは、翌日までだった──
???にした意味が無いのはお約束。
部下:魔物=話し相手が出来て、レッド君は楽しんでいるようです。
彼はコミュ症の真逆を行くアンチテンプレ主人公ですが、会話を楽しむのは、殆ど初めてのようですね。




