表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/144

第24話:殺戮者らしい活動をする

少し残酷描写が有ります。


 

 4日目:アルサの町近辺:北の森



 身体能力を上げるスキル群を用い、移動速度を上昇。

 周辺の情報を読み取り、最も適した足場を踏みつけ移動する。


 町での生活、特に睡眠時トライアルにより、スキルは大幅に増え、成長している。


 ポーション類も有るので、ある程度の水準を保ちつつ、高速機動が可能。


<思考技術>スキルに統合された、思考加速により、例え高速で動いても、情報は取り零さず、ゴブリンとぶつかったり、集団で狼との衝突事故などは起こさない。 (あれ? 狼どこから) (出てきた?)


 MAPの精度も上がっているし、索敵範囲も広い。


 だが、安全な町と言われるだけあって、魔物が居ない。

 移動中に居たのは、鳥でした。

<投擲>により確保。

<弓術>により確保。矢が勿体ない気もする。

<火属性魔術><火球(ファイア・ボール)>により確保、出来たは出来た。

 分かってはいたが、燃えたことにより素材価値減少。

 また、弾速がまだ遅いので、効率は良くない。

<風属性魔術><風刃(ウィンド・カッター)>により確保。矢傷よりも傷が広い。弾速──刃速は、風属性だからか速いため悪くはないが、鳥相手には要らないな。

<氣力闘法><氣弾>による確保。上手く操作でき、中々良いのではないだろうか。

 ただ、石が有るのなら、氣力の消耗は少ないため<投擲>で良い気がする。


 というか、モンスター何処よ!?

 鳥は結構居るんだよ。

 高速で移動しつつ、<隠者の半仮面(ハーフマスク)>での隠密と、存在希薄を試している。

 感覚の鋭い鳥さんでも、ある程度効果が有るし、エルさんによる先読みで、鳥さんバキュン。鳥は死ぬ!


 おっ、ゴブリン発見。

 はぐれ個体だな。



【ステータス】

 個体名:───

 年齢:1

 性別:男

 種族:ゴブリン(ゴブリン種)

 レベル:45

 ランク:2



 最初のやつより、明らかに強いな。

 だが、ステータスを見ても俺の敵ではない。

 しかし、警戒はする。


速力(ウィンド)強化:風(・ヴェラシティ)>をかけ直し、<筋力(ファイア)強化:火(・ストレングス)>をかける。


 ファーストアタックは、最大まで氣力を込めた投石。


 石を投げ、素早く駆け寄り──2撃の、斬撃!

 ──は要らないのね。


 ゴブリンの死因:投石による頭蓋骨陥没。


 所詮はゴブリン。壁を2つばかし越えたところで、ゴブリンはゴブリンだ。

 ランク3からは、グッと変わるらしいので、きちんと警戒はしておかなくては。



 ゴブリンの心臓近くに有る魔石を抉りだし、耳をサッと切り取り、収納。


 この辺に、ゴブリンの巣穴というか、部族が有るらしいんだが……。


 エル:この方向に、ゴブリンらしき反応を数体捉えました。


 よし、行ってみるか。


 ──────────


 あのゴブリンどもは……。


 隠密しつつ、様子を伺う。


 エル:はぐれ個体ではなく、群れを構成する個体だと推定されます。


 ゴブリンは3体で行動している。

 レベルも高い。

 ランク昇華していない、ランク2のゴブリンだが……。


 よし、この手だな。

 それぞれのステータスを確認して、と。


 ──────────


 ヒュッと投石。

 及びエルさんが<風刃(ウィンド・カッター)>を複数起動し、1体を切り刻む。


 1体は頭部に投石で死亡。1体は魔術により刻まれて死亡。

 流石はエルさん、魔防と魔術を計算し、無駄なく殺した。


 ゴブリン1体が、辺りを見渡し、理解したのか叫びだす。

 隠密を解除、<投擲>し、ゴブリンの頭の横を通り、外れる。

 周囲に、エルさんが<火球(ファイア・ボール)>を複数浮かべる。


 ダメ押しで、<人間ヲ嫌ウ者>の殺気を投射。


 ゴブリンの醜悪な顔が、(恐らく)恐怖に歪み、逃げ出す。


 さぁ、<純粋なる殺戮遊戯(ワンサイドデスゲーム)>の試運転だ。


 ──────────


 必死に逃げるゴブリンに、投石を繰り返し、速度を鈍らせない。

 その為に、知能と速度が比較的高めなオマエを選んでやったんだからな。


 エル:ゴブリンの群れらしき反応を感知。方向等を考えて、このゴブリンの群れで有る確率は高いです。


 りょーかい。


 よっ──<投擲>──と。


 さて、これで4体分だな。勿論、前の2体も収納済みだ。

 ちなみに、ゴブリンは一応、体数えでもある。ゴキ扱いするときは、匹呼びしてるけど。


 再び隠密を起動。

 ゴブリンの群れを観察。


 ……ふむ。最低限の家屋を作り、役割を果たす社会的な面は有るのを確認。


 エル:ランク3と思しき個体を複数確認。リーダー種である、ゴブリンリーダーに率いられる群れだと確定。ランク4は確認できません。討伐可能と判断できます。


 よし。ステータス確認、よし。装備確認、よし。アイテム確認、よし。ポーションを先に呷っておき、魔術による準備、よし。


 では、殺戮に移る。


 ──────────


 まずは見張りをサクッと<投擲>。

<火球>で、家屋を焼き、弓で射る。

 矢には、ゴブリンには風を。家屋には火を付与し、放つ。

 石よりも、矢の方が魔術付与のノリが良いし、連射が出来る。

 アイテムボックスの活用による、即時矢を番えることで、より速く連射可能。


 そして──


「逃がさねぇよ。<純粋なる殺戮遊戯(ワンサイドデスゲーム)>起動」


 舞台:俺、レッドを中心とし、ゴブリンの集落まで。

 ルール:俺を倒さない限り、もしくは解除しない限り、この舞台から逃げることは出来ない。

 俺は隠れてはならず、必ず身を曝さなければならない。

 このルールは、敵対者:ゴブリン全てに通知される。



「さぁ、殺戮(ゲーム)の始まりだ。お前ら、精々腕を振るって参加してくれ」


 そう言って俺は、全方向のゴブリンに向けて、矢を放ち、氣弾を放ち、火球と風刃を放った。


 ──────────


 ゴブリンの群れは、大混乱。

 しかし、俺を倒さなければ、逃げることもできず、家屋は燃やした上に、延焼をも起こしているので隠れることは出来ない。


純粋なる殺戮遊戯(ワンサイドデスゲーム)>によるスキル効果は、ルールや舞台を設定し、ゲームを開催出来る。

 ゲームの項目は殺戮に関わること。

 俺が不利になるほど、相手に有利になるほど、俺が得られる経験値が増える。

 今の俺では、設定できることは少ないのだが、今のこの状況で、()()()()()という設定は強力だ。

 代償として、俺は必ず身を曝さなければいけないが、かかってくるが良いさ。


 武器を剣に持ち変え、剣に<氣力纏>。氣力を纏わせることで、刀身の保護にもなる。

 右手に剣を、左手にバックラー。バックラーにも、<氣力纏>。

 近付いてくる雑魚ゴブリンに、遠距離攻撃を加えつつ、配分を考えて、何体かは剣で処理。

 棍棒やら、木の槍やら、遅い。ギルマスに比べたら、まだまだ遅い。


 そして、この群れのトップ。


【ステータス】

 個体名:───

 年齢:3

 性別:男

 種族:ゴブリン・リーダー(ゴブリン種)

 レベル:51

 ランク:3


 50の壁を越えている、ランク3のゴブリン。

 周りには、


【ステータス】


 種族:ゴブリン・ランサー(ゴブリン種)

 ランク:3


 種族:ゴブリン・ウォーリア(ゴブリン種)

 ランク:3


 種族:ゴブリン・ソードマン(ゴブリン種)

 ランク:3



 この群れの親衛隊だろう、上位種のゴブリン。

 だが、槍士に、戦士に、剣士て。


 遠距離居ないじゃん。

 石を投げたり、棍棒を投げてくるやつは居るが、高い<投擲>持ちや、弓使いは居ないのか。

魔力障壁(マジック・バリア)>や、派生した<魔力の盾(マジック・シールド)>を用意しておいたのだが、避けるだけでいいな。

 足元に転がる邪魔なゴブリンは既に収納し、足場は確保している。


 おっと、これ以上の損耗は、雑魚と言えど見過ごせないか。

 数十体居たゴブリンも、もう10体少し。

 しかも、少ないメスを狙えたら即狙撃している。

<火球>の派生、<火弾(ファイア・バレット)>による、狙撃だ。試行錯誤殆ど無しで形になった。


 まずは、遠距離攻撃を雨霰(あめあられ)


 これで、動きを鈍らせる。

 まだ威力の足りない俺の魔術では、ランク3の生命力は削りきれない。

 だが、損耗は出来るし、数打てば全て命中で生命力は減っていく。

<詠唱技術>舐めんなよ? いや舐めなくていいよマジで、汚いし。


 魔術をゴブリン・ランサーに集中。バックステップしつつ、サイドスローで<投擲>。

 これで中距離武器は居ない。


 3対1? 否、位置取りを上手くとり、最大でも2対1に抑える。


 ゴブリン・ソードマンの剣を弾き、ゴブリン・ウォーリアの斧を回避。

 ゴブリン・リーダーの棍棒は<魔力の盾>でガード。空いた剣で、<氣力斬>。


 ゴブリン・リーダーを庇おうとしたウォーリアを<火属(ファイア)性付与(・エンチャント)>した剣で斬り、深手を負わせ。

 ソードマンの剣を盾で逸らして、体勢を崩させる。

 ソードマンの手を狙って焼き、剣を使えなくさせ、ウォーリアにも追撃。


 破れかぶれになったソードマンをいなし、<風属(ウィンド)性付与(・エンチャント)>で切れ味を増した剣で斬殺。


 殆ど虫の息なウォーリアに遠距離で止めを刺し、機を伺っていたリーダーの足元に<氣弾>を炸裂!

 土煙を巻き上げ、殺気を投射。

 隠密は使えないが、殺気の隠蔽は可能。


 囮の殺気投射に引っ掛かったリーダーに、<氣力斬>で、止め。


 残った雑魚共が、わらわら襲ってきたが、既に人数もなく、質もない。

 さっくり片付けて、残りのゴブリンを、殺す。


 まだ育っていないゴブリン。


 ゴブリン・ベビーとも言えるこいつらに、剣を突き刺し、火を浴びせ、風で斬る。


「良いゴブリンは、俺の眷属として生まれたゴブリンだけだ」


 最後のゴブリンを殺し、ゲーム終了と共に、ふと出てしまったセリフ。

 ……確かゴブリンを主眼にした作品があったな。



 ──ふー。エル。


 ──エル:生存反応確認できず。全滅です。


 よし、残りの魔力・氣力も、35%程残っている。体力も。


 中々良い殺戮だったかな。


 少し休憩……出来ないな。

 片付けてから、休憩しよう。


 エル、警戒よろしく。


 エル:了。今回の戦闘データを纏めておきます。


 休憩したら、今回の戦闘の見直しだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ