第17話:鑑定スキルが光る場は──掘り出し物が有るとは限らない
前話にて登場した、ジョブシステムですが。
大幅に設定を変えました。この設定からは、もう微調整以外はないと思われます。
また、読みにくい文章などを改行し、気持ち読みやすく変えました。
2018 1/10 23:02
2日目:ジョブ神殿
レベルについて、お復習しておこう。
まずは、魂のレベル。これは、ステータスに表示される、その者の成長度合いを示し、レベルが上がる=魂が1段階成長することで、ステータスが底上げされる仕組みだ。
レベルには壁があり、20毎:量の壁、50毎:質の壁。表にしたのがこちら。
20→21(経験値:量の壁)ジョブ枠+1。
40→41(経験値:量の壁)
50→51(経験値:質の壁)ジョブ枠+1。
60→61(経験値:量の壁)
80→81(経験値:量の壁)
100→101(経験値:量と質の大壁)ジョブ枠+1。
基本的に、これは人類みんな同じようなものだ。イレギュラーは多いが……。
また、獲得経験値は、同じことをしても、個人差は大きく、才能、適性の領域。
必要経験値も違うのだ。
この必要経験値は、寿命に併せて増える傾向が有り、寿命の長い種族。例:エルフめっちゃ強い、とはならないわけだ。勿論、その長い生の経験は侮れないものがある。
寿命が短いと、少なくなるが、Y=X^2 の式に近く、寿命が長いと、その分必要経験値は一気に増えていく。
だが、短ければ短いほど、少ないかと言われると、違う。
一定寿命以下は、殆ど変わらないという結果が出たそうだ。
俺ですか? イレギュラー個体です。
寿命、というか不老だけど、成長力にリソースを割り振ってるし、スキル効果でめっちゃ育つの早いんやで。
モンスター達は、少し違う。
レベルの壁は、同じだ。理論段階だが、人類より壁は低いのでは、と言われてるが。
ジョブシステムの代わりに、ランクシステムが導入されているモンスター達。オンラインゲームみたいだ。
レベル100がMAXであり、その次はランクアップ。
ランクアップには、経験値の質と量。そして、何らかの条件が必要だ。
例:ゴブリンは、進化すると、ホブゴブリンや、ハイゴブリン等になる。
そのゴブリンが、<剣術>スキルを持っていたり、素養があるとゴブリンソードマン、ゴブリンセイバー、ゴブリンフェンサー等になり。
<槍術>スキルなら、ゴブリンランサーやゴブリンスピアー。
<指揮>スキルなら、ゴブリンコマンダーや、ゴブリンディレクターなど。
カタカナが多いが、漢字や平仮名も有る。名前の元ネタは、日本語・英語・ドイツ語・フランス語
時折、鑑定持ちの転移勇者がその名前にキレるらしい。
誰が名付けたかって? 何度でも告げよう、創造神様さ。
命名神システムも有るから、逃げられないのだ。
スキルにもレベルは大抵ある。
ノーマルスキルなど、下位ほどレベル制であり。
ユニーク以上は、大抵レベル制じゃなくなる。
レベルには、補正を与えることで、より上位のスキルを、特にユニーク以上を獲得してほしい、という意味が有るのでは、と考えられている。
スキルレベルは、レベルに強い意味が有るスキルを除けば、基本10だ。
1から始まり、10。10→MAXとなる。
MAXになり、更に熟練度や、経験を積むことで、派生、上位化する。
なんでこんなことを、もう一度繰り返しているのかって?
新情報も有ったが、混乱しないようにエル先生が纏めてくれてたんだ。
これを読んで、時間を潰してくれと。
──エル、終わった?
──エル:完了しました。
「おや、もう宜しいのですか?」
「はい。どんな名前のジョブが有るのか。興味のあったジョブの補正は何なのか。
それぐらいでしたので。それに<速読>スキル持ちなんですよ」
「貴方も<速読>持ちですか! 有ると便利ですよねぇ」
「ええ。冒険者には、情報収集が大切なのですが、役立ってますね」
実際には、ジョブ神殿が開示しているジョブ情報はエルが収集済みだ。
スキルを他者にペラペラと教えるのは良くないことだが、見せ札にする分には構わない。
知られて困るものじゃないし。
第一、ある程度知られたところで、俺の武器の1つは成長力。
1日であれだ。しかも、成長速度すら加速するのだから。
今日はまだ予定がある。まだ昼過ぎだが、ある程度巻きで行くか。
何かしらのイベントに巻き込まれる可能性も危惧してな。あれ? まだ2日目……。
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さて、本日の目的は、アイテムの下見及び購入。
装備類、特にアクセサリー関係の下見及び購入。
鑑定スキルをフルに活かした、掘り出し物の下見及び購入。
そして、装備の手入れ方法の習得と習熟だ。ゲームみたいに、お手入れしなくても大丈夫、な訳がない。
剣はまだなにも切っていないが、手入れは必要だ。レザー装備もだ。
<現状維持>や、<自動修復>の付いた装備なら良いが、俺の装備はあくまでも一般装備。
神が作ってくれた、と言えば聞こえは良いが、ダンジョンのドロップアイテムの一部、と言うのが正しく、そのドロップの下位装備だ。
勿論、<神の残せしブーツ>は手入れ不要の神装備である。
<レッドの腕輪>も、特に手入れの要らない強力装備だ。名前どうにかならんかな。
上位の装備は、それが持つ魔力も相まって、劣化も微々たるものになるらしい。
欲しいが、そんな武器はそう簡単に手には入らない。高いし。
それを買えば、怪しさは増してしまう。
掘り出し物に期待したいが、そんなテンプレはそうそう起こらない。あれは物語だからこそ起こりうるのだ。
テンプレ起きまくってる気もするがな。面倒なテンプレは、エル先生と一緒に警戒中だ。
迷宮に早く行きたいものだ。
迷宮に行けば、俺のスキルが効力を発揮できるようになるし、迷宮というフィールドは、俺にとってはメインフィールドだ。
この国には迷宮都市ガザラエンという都市が有る。
迷宮という、上手く活用すれば金を生む──比喩に非ず──舞台装置を抱え込むことに成功した都市だ。
ここが、当面の目的地。
今はまだ、準備だ。気だけが急いているが、2日目である。
今日の目的地、ギルド協賛のよろず屋だ。
武器屋、防具屋、道具屋、鍛冶屋などを抱え込んだ、実質冒険者ギルドの傘下だ。
わざわざギルド協賛の店を分ける必要も無いだろう、とのことで大抵の町ではこうなっている。
モールだと考えれば良いだろう。考案したのは転移勇者である。
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──おいおい、マジかよ。
前言撤回が早すぎるぞ。テンプレってのは、本当にテンプレなのか?
そういや神が言ってたな。運命に愛される者。運命に巻き込まれる者。運命に翻弄される者。
運命は、有ると。神が明言していたな。
流石に、ミソロジースキルとはいえ、実質ユニークの大天使エルでも、運命関係は無理だった。
何故こんなことを言っているのか。
──エル:客観的に考えて、掘り出し物と呼称出来る逸品です。
<隠者の半仮面>
銅貨5枚:500円。
そんな価値のものじゃないぞ……!




