第16話:異世界ハロワな神殿──それは違う
ほぼ特定の人達にアナウンス。
流石にジョブシステムは、パクり──オマージュが過ぎるので、変更します。
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変更しました。
2日目:アルサの町:ジョブ神殿
さあさあ、解説のお時間だ。
ジョブってなーに!
ジョブとは。
職業そのものではなく、職業を補正するもの。
例えば、戦士職の人間が、ジョブ<戦士>に就けば、戦士系のスキル、ステータスに補正が入り、スキルの補正、及びスキル獲得率上昇。
そして、ジョブ<戦士>と、ジョブ<斧士>に成れるとする。
<戦士>は広い範囲に補正が入る代わりに、それぞれの補正は低い。
<斧士>は、斧に関わるスキルに補正が特に入る。
そしてこのジョブだが……、なんと複数就けるのだ。
基本的に、最初は1枠。レベルの壁である、20→21で、1枠追加。
50→51で、1枠追加。
100→101で、更に1枠追加だ。
つまり、超人である100レベル突破により、総計で4つのジョブの枠が解放される。
レベルの壁を越えるということは、ジョブの枠を増やす、と言うことでもある。
強さがインフレするのだ。
しかも、ジョブは、進化する。
最初は、<戦士>から始めて、<重戦士>や、<狂戦士>と言った具合だ。
上位ジョブなどと言われている。補正が強化されるし、進化元の補正も引き継いでいる。
ある程度のジョブツリーは有るが、謎は多く、多数の派生。多数の新ジョブが有るのだ。
ジョブを授かる者の認識によっても変化するし。
また、最初から上位ジョブと言うことも有り得る。
例としては、<剣聖>や、<拳聖>等だ。
下位ジョブを引き継いでいないため、総合力は劣るとも思われるが、そもそもスタートが違うため、より上位のジョブに派生するまでの時間が短くなる。
この辺は人それぞれだ。
そして、適性のあるジョブが多い場合、選ぶ必要もある。
悩むだろう。一生ものだ。ジョブの転職も出来るが、極めて大変で、何より補正を失うのだ。
ちゃんと考えて選ぼう。
また、適性のないジョブに就くことは出来ない。
適性が、熟練度を上げることにより獲得出来るのなら、マシだ。例えば、<戦士>は有るが、<剣士>になりたいので、剣の稽古を積むとか。
ジョブに就けば上手くなるのに、就くために上手くなるという矛盾だが。
しかし、完全に素養が無ければ、ジョブは得られない。
全方向に無かったら? ノージョブ。
<無職>って、有るらしいよ? グッジョブ!
そして、ジョブに就くにはどうするのか。
昔々は、ジョブは天職とも呼ばれていたもので、殆どが先天的。
後天的には、何かしらの大儀式で、ジョブを得られる、という難易度が高いものだった。
だが、2代目勇者こと、生産系勇者が、ジョブに就ける装置を作り出した。
鑑定アイテムと似たようなものだ。これ、神の領域に近いのだが、2代目勇者は凄いらしい。
2代目の理由は、歴史にきちんと記された勇者召喚の、2回目であること。
本人が2代目と名乗ったことなど、諸説あるが、2代目勇者は神格化されるほど。
その辺の領主なんて目じゃないほどに信仰・尊敬されている。
目に見えた恩恵が有るからな。
しかし、鑑定アイテムも、ジョブ装置も、数は増やせるが、使用料、動作にかかる費用がかなりのものだ。
裕福な国では、国民みんな鑑定+ジョブ持ち。とかやるようだが、そんな費用、大抵の国にはなく、ある程度の補助にとどまる。
そう、現時点で安くなってるのだ。この王国ヤエコーマでは、国民に限り補助しているが、中流層以上のみ恩恵を受けている。
そう、貧富の差は拡大する!
冒険者は、まあ自己責任だ。稼ぎは大きいから、自分で頑張って、と。
まぁ、最初は貯金しておいて、鑑定とジョブ、というのが一番良い推奨パターンだ。
ふむ、解説速度も上がったようだ。
前にも言った気がするが、ジョブに就けるのは、人類。ランクが有るのが、魔物。その他は? 人類でも魔物でもない生物ですが何か?
ちなみに、俺も多分、ジョブは就ける。基準に当てはまるのだ。神曰く。
気に入らないが、使えるものは使う。ふっ、ジョブに就き、人類ではないものが、人類を滅ぼす。ふむ、悪くないな。このセンで考えよう。
「ジョブ神殿へようこそ」
ジョブは、神殿により受けられる。なんの神か。言っただろう、神格化されていると。2代目勇者から委託された人物が作り出した財団。 その財団が元となり、神格化された2代目勇者を奉る神殿。
それがジョブ神殿。2代目勇者も、やるなら神殿と言っていたのだとか。
冒険者ギルド、鑑定協会、ジョブ神殿。三大世界組織。その全てに関わっているのが2代目勇者。
その中でも、特に融通が利かないのがジョブ神殿。その代わり、信頼度の高さも指折りだ。
「ご用はなんでしょうか?」
「ジョブを賜りたいと思いまして」
まぁ、お決まりの諸々をこなす。ギルドカード見せたり、説明を受けたり……だ。
「ではレッド様、金貨1枚となります」
そう、金貨1枚だ。税金をきちんと納めている国民なら、まだ国からの補助により少しは安くなる。
とはいえ、貧富の差が激しいという異世界のイメージはそのままだ。スラムだって有る。
元の世界:アースにも合った筈だが、馴染みがないのと興味のなさで、覚えていない。
金貨1枚で、100万円だ。補正が入るとはいえ、規定の壁を越える毎に、100万円。
まぁ、一般的に、壁は越えられて一回なのだが。
しかも、起動ごとに100万円なので、就けるジョブが無くても、100万円、先払いだ。世知辛い。
もちろん、融通は利かない。あれ? 大学の入学金と考えて、必ずしも役に立つ、形になるとは限らない? あれれ? 現代そのまま?
「これでお願いします。ジョブ証明書もお願いします」
金貨1枚。銀貨1枚。魔法紙だ。魔法紙は、何度か更新に使うことが出来るので、そこまで使用すれば、最終的な値段価値は低い。
消しゴムを最後まで使えるか、位の難易度だが……。
お金に裕福ではないような雰囲気を醸しつつ、しかしスパッと決めるような雰囲気も出す。
ジョブ装置の部屋は、やけに近未来だ。鑑定部屋は、なんだか病院の機材のような印象だったが。
モニターが中央に有り、左右には、床に魔法陣が刻まれている。
丸い魔法陣で、仄かに線が白く光っている。片方の魔法陣の中に入り、スキャンされる。
すると、中央のモニターに、就くことの出来るジョブが表示される。
操作は、モニターに触れると、脳内に更に展開され、感覚的に動かせる。
その取得(就業?)可能ジョブの中から、任意のジョブを選び、もう片方の魔法陣で、ジョブ獲得。という感じだ。
神殿の人は、ジョブ部屋に入ってくることはない。守秘義務も有るが、王族、貴族の固有・遺伝ジョブなどの情報が有るため、関わらないようにしているのだとか。
ただし、利用者から相談する場合は別。ジョブの質問は受け付けるし、未発見ジョブの情報にはお礼が有るし、実際にジョブに就き、その情報を提供すると、更にお礼がある。
更に更に、そのジョブを上位化、派生化させると、お礼は増える。
さてさて。
スキャンされた情報は、他者が知ることはない。どうだろうね。一応気を付けておくが……。
んで、取得可能ジョブは……ほう、色々有るな。
流石、種族が種族で、成長ボーナスマシマシだ。
慎重に選ぼう。
一般人は数種類有れば良い方。それも<村人>とか<市民>だ。
後は、実際に就いている職業に関連するもの。
ギルド関係者や、協会関係者は、高給料の他に補助が入るので、大抵ジョブに就いている。
冒険者も、ジョブに就いてから始めると良いとされる。
無一文から始めて、ジョブを得られるのは、7割程。生きてる人で、だ。しかもDランクまで上がってようやく。
ジョブに就いておくに越したことはない。贅沢な話だがな。
就いてから、更に稼げるようになるため、冒険者には、借金プランも有るとか。
ダメなら、奴隷行き。ジョブ持ちは高く売れるぜ!
おっ、面白いジョブじゃねーか。
ジョブ<殺戮者>
殺害により、経験値獲得。殺害行動にボーナス。
俺向けじゃねーの。
他に、心引かれるものは、ない。なくはないが、明らかに俺向けのこれ。
多分新ジョブでは無いだろうが……。更に進化させるのも一興だ。きっと、頭のおかしなジョブに成るだろう。
【ステータス】
個体名:レッド
ジョブ:<殺戮者>
勿論、隠蔽する。<戦士>かな。戦いにボーナス入るし。一応考えておかないとな。辻褄が合うように。
「良いジョブに就けましたか?」
「はい。素晴らしいジョブに就けました。簡単なジョブについては教わりましたが、ジョブについて詳しく本か何かで知れますか?」
「ええ、一般に開示できる資料室に案内しましょう」
一応、調べておこう。でもよ?
俺の就いたジョブは、お前ら──人間共──には秘密だぜ?
ジョブはこんな感じです。色んなゲームとかを混ぜてます。創造神様も、こんなことになるとは想像してなかったでしょう。2代目勇者は凄いのです。
この世界:イリガルドの、王侯貴族は、ジョブの恩恵を受けやすいので、比較的強いです。1つ位なら、才能は覆せませんが、上位化し、2つ、3つと重なれば、強いでしょう。
同系統のジョブを重ねることも可能ですが、多様性が減るので、大抵は幅を持たせます。
レベル21の時は、重ねる人も多いようですが。
またパーティーの役割がきっちり決まってる場合、重ねることも有るとか。
重ねまくった、とあるSSSランク冒険者が居るそうです。あらゆる全ては、殴れば解決するそうですよ?




