第14話:2日目からチートが加速した殺人(予定)者
────────────────────────────────────────────回復タイミングを考慮し、睡眠時トライアル終了。通常時トライアルに変更します。
2日目:風鷲の宿:室内
エル:
う、うん。
──おはようエル。時間通りだし、気分の良い朝だ。
──エル:おはようございます。睡眠時トライアルによる、変更点を纏めてあります。ご覧になりますか?
──ああ、頼む。
アイテムボックスに入れておいた、冷たい水を飲みつつ、ステータスを確認すrぶほっ!?
【ステータス:変更点のみ】
レベル:3
生命力:3000(+1000)
体力:305/305(+100)
魔力:415/432(+217)
氣力:403/425(+204)
ノーマルスキル
<感覚強化:視聴嗅触味:レベル:2(+1)>
<魔力操作:レベル:2>New
<氣力操作:レベル:2>New
<回復魔術:レベル:2>New
<無属性魔術:レベル:1>New
<索敵:レベル:1>New
<感知:魔素、危険:レベル:1>New(及び統合)
エクストラスキル
<思考超加速:レベル:MAX>(限界到達)
<詠唱技術:レベル:2>
ミソロジースキル
<自己進化型大天使>の能力が拡大拡張されました。
えっ、マジ?
エル:その他、細かいステータスの上昇がこちらになります。
うっわ、筋力値とかも上がってる。何これ。
エル:氣力操作で肉体を微細に破壊し、回復魔術で超回復を繰り返しました。
回復魔術で超回復出来んのかよ!
エル:本来は難しいようです。医療知識とエルによるサポートで可能となりました。
エルさんには、俺の知識やら発想やらを全て掘り起こしてもらっている。
基本的に、記憶なども保護されているし、マネージャー:エルは忘れることはない。
俺が耳にしたことの有る医療知識。目に入っていたもの。
例えば、教科書をバラララーっとやっても俺は覚えられないし、覚えていない。
しかし、俺の記憶ファイルを解析したエル様は、それらが目にさえ、俺の知覚できていた情報であれば掘り起こせるのだ!
エル様マジ感謝。
エル:それぞれのスキルの解説はこちらです。
あっ、冷静ですねエルさん。
<魔力操作:レベル:2>
魔力の操作に補正が入るスキル。よりスムーズに、ロスが減り、効果が高まる。
<氣力操作:レベル:2>
氣力の操作に補正が入るスキル。よりスムーズに、ロスが減り、効果が高まる。
<回復魔術:レベル:2>
回復に関連する魔術。及びそれの補正。
<ヒール><ポイズンキュア><キュアウーンズ>使用可能。
<無属性魔術:レベル:1>
魔力そのものを使用する魔術。及びそれの補正。
<ソナー><レーダー><マジックボール><マジックバリア>使用可能。
<索敵:レベル:1>
周囲を索敵する。MAPとシナジー効果が有り、MAPに表示可能。
<感知:魔素・危険:レベル:1>
魔素感知、危険感知が統合されたスキル。魔素とは、世界に満ちるエネルギーであり、これを取り込み、精神で錬成することで魔力と成す。
周囲の魔素を感知することで、全方位を感知できる。魔法なども感知できる。
危険感知は、周囲の状況から、違和感を見つけ出し、危険を予期する。
特に理由もなく、第六感として危険を予知することもある。思考加速とのシナジー効果有り。
第六感、直感、直観などのスキル獲得率上昇。
<思考超加速:レベル:MAX>
めちゃくちゃ思考が速い。人工知能に近いエルが思考超加速を用い続けた為、レベルがMAXへと至った。条件達成により、何らかのスキル獲得。もしくは上位化する。
<詠唱技術:レベル:2>
詠唱に関わるスキルが統合・上位化されて形となったスキル。
魔術には、詠唱が必要であり、エルが、詠唱そのものの技術の向上、詠唱速度の向上、詠唱破棄・無詠唱の技術を向上し進めていった結果形となった。
基本的に無詠唱で魔術は使用可能。詠唱することで、効果拡大、必要魔力減少。思考内で詠唱するだけでなく、言の葉に載せて詠唱することで、更なる向上が見込める。
その詠唱に関しても、素早く、より良い詠唱が可能となる。
<自己進化型大天使>
頑張りました。
えっ、ああうん。すごいね。いや、本当にスゴいよ。寝ながら、ちょっと出来ないかなー。時間の有効利用だ! とか思って頼んだけど、すっげぇな!
<思考超加速>なんてMAXになってるし。あれ? 俺要らない子?
スキルレベルのあるスキルは、大体10までで10→MAXになる。
特殊なスキルは、もっと高かったり低かったり。10の理由は創造神様である。100はめんどい、出来なくはないけど。
らしいです。
エルさん、例によって魔術の説明よろしく。
魔術とは、魔力を用いて引き起こす現象と、その結果である。魔術スキルとして確立し、スキル内のスキル技(仮称)として確立されたもの、例:ヒール等は、容易に使用できる。
スキル技は、それに関する熟練度を上げる、スキルレベル上昇による、補正ボーナス。アイテムの使用により覚えられる。
スキルを得た、スキルレベルが上がったからと言って確実に覚えられる訳ではない。スキル保持者の資質にもよる。
魔術と魔法は、明確に異なるスキル。
魔法は自由度が異様に高く、魔法によって確立したスキル技が世界に登録されることで、魔術スキルで覚えられるスキルリストに載る。
魔法は、パソコンを1から作り上げ、1からプログラミングするようなもの。
作り上げたプログラム:スキル技を、世界にアップする:スキル名を付けて魔術スキルで使用する、ことで世界の魔法クラウドのシステムに登録される。
個人パソコンで開発し、保存しているだけのもの。
魔術スキルでは使わず、魔法スキルのみで使っていた場合、世界に登録はされず、没した場合逸失する。
魔術スキルは、既に作られたパソコンで、作られたプログラムを弄りながら使用するようなもの。
作られたワードやエクセルで、なんやかんやする。:ヒールや、ファイヤーボールの熱量や回復量の調整。
魔術スキルでも、例えば火属性魔術なら、<ファイヤーボール>によらない火を作ることは出来るが、効率は悪く、新しい魔術のスキル技を作れる可能性:自由度は低い。
俺パソコン弄れるんやでー、という人と、パソコンを1から作り上げ、OSから何から作り上げる人の違い、のようなものである。
とある魔法推進国では、新魔術の開発に躍起になっており、新しく登録されると表彰される。
魔術スキルは、素質があれば比較的容易に手に入る:パソコン買う、スマホ買う。
しかし、魔法スキルはかなり難易度が高い。情報処理高校・大学に行き学ぶ。もしくは独学で頑張る。学んで上で、1からパソコンやスマホを作れるようになって、ようやくスキル入手出来るような難易度だ。
パソコンを1から作るというのは、パーツを作ることから始まるんやで?
という裏情報を得つつ、エルさんならきっと取れるんじゃないかなぁとも思う。
エルさんのスキルは俺のスキル!
エル:当然のことです。
あっ、ジャイアニズムに突っ込みがない。
魔力・氣力も増えてるし、凄いな。睡眠時は、回復量が多いし、早い。
俺は安静にしてるため、回復する。しかし、俺自身の魂や精神ではない、エルさんはそれを利用しまくれる。エルさんには権限渡してるし。
そして、俺の一部であるエルさんなので、エルさんの経験値は俺の経験値である。法の網目を抜くような、正しくチートである。
さて、室内で出来る、スキルの確認をする。
うっわ、凄い操作しやすい。
<ヒール>は、傷の回復。体力も少し回復できる。即効性があり、戦闘時に使える。
<ポイズンキュア>は毒の治療。補正ボーナスだ。毒と認識するものを治せる。ソナーとシナジー効果有り。
<キュアウーンズ>は、即効性は薄いが、魔力消費の効率も良く、深い傷も癒し、精神ダメージにも効果が有る。傷痕にも少し効果が有る。
<ソナー>は物体の内部とかを魔力的に調べることの出来る魔術。ソナーいってたら形になった。
<レーダー>は魔力を広い空間に放ち、その結果を確かめる。魔素感知とのシナジー効果大。ただし、相手にも気付かれる恐れ有り。内向的なソナー、外向的なレーダー。
<マジックボール>は攻撃魔術。ボール状に魔力を固めて飛ばす。工夫出来る余地は広い。魔力を投げてたのが形になった。
<マジックバリア>は防御魔術。補正ボーナス。魔力を固めて壁にする。工夫出来る余地は広い。身体から離れた場所で作ると、消耗が激しく、効果が落ちる。
おっ、魔素感知すげぇ。辺りが見える。後ろもだ。死角が減るな。
情報の取捨選択は勿論エル先生だ。面倒な計算はエル先生がして、俺はゲーム画面だけを気にすることが出来る。
まだ、見えないものが見える感覚には慣れないけどな。
詠唱てのは、こんな感じか。
エル:詠唱を長くすれば、効果は大きいです。ただし、意味がある言葉、意味の有る羅列にしなければ時間の無駄と、魔力の無駄になります。
様々なトライアルを試し、効果のあった詠唱群が頭に浮かぶ。エルさんマジパネェ。
毎夜の睡眠が俺凄い楽しみになってきた。
さて、今日の用事を済ませに行こう。
吹き出した水はきちんと拭いておき、枕銭(らしい?)を置いておきました。
清掃サービスも頼んでおいたようです。見られたら困るものも有りませんし。




