第141話:都市ラジキアの探索──何時ものごとく災禍の種はばら蒔かれ
人を呪わばくしゅん!
穴二つというへっくしゅん!
作者は前にアウトを(むずむず)
呪いましたひくしっ!
遅れてすみませぶへっくしょん!
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22日目:都市ラジキア内
さらりと門前の騒動を受け流し、門番にも特に話し掛けることなく都市内を進む。
都市中の道は広く、大型の馬車が2台、いや3台は猶予をもって通れるようになっている。
馬車用の道と、通行人用の道を大まかに分けることで事故を減らす仕組みになっていて。
十字路には、手旗信号かな?
手旗型のマジックアイテムを用いて、衝突事故を減らしているようだ。
ふむふむ。
余裕のある作りになっているし、地面も地属性のスキルか魔術で移動に適したものだ。
ラノベ的イメージだと、もっと酷いものだと思ったが綺麗なものだな。
表は。
今までの街では、 始まりの街であるアルサの町はあまり人種以外を見掛けなかった。
単純にこれは、住む場所の違いでありここヤエコーマ王国は人種主体の国のためおかしくはない。
田舎だし。
他の町ではちょいちょい見掛けていた。
獣人はぽこぽこ居るし、ドワーフのおっさんも居たわけだ。
俺の盾を作ってもらったヤードとか。
ただ、ここの都市はむしろその人種以外、亜人を見掛ける。
奴隷として、だが。
人によって扱いは違うようだが、大体は悪い。
人前に出す奴隷ほど気を使われてはいるが、他で見掛けた奴隷よりも水準が低く感じる。
何時ものごとく、馬車からこっそり抜け出ていくねずみーず。もとい小動物諜報隊。
隠密に特化した、シークレシィ・マウスやそのものずばりインテリジェンス・マウス。
指揮も出来る、インテリジェンス・マウス。
光系のスキルを得た、光学迷彩のカムフラージュ・ラット。
闇系のスキルを得た、ダーク・ラット。
色んなスキルを、適性をもとに植え付けた上で、リチャードに突撃させまくった結果ランクアップしたネズミ系種族。
その種族達を更に繁殖させ、増やす。
住環境には気を使っているぞ。
俺はきちんと配慮するブリーダーだからな。
そして必要な母数は確保できたので、こうして使い捨てに出せるようになった。
え? 酷いブリーダーでは有るけれど。
ちなみに猫・犬はまた後でだ。
馬車からこっそりこそこそ抜け出ているだけだからな。
まずは冒険者ギルドに向かう。
宿の情報もそんなにないしな。門番にも聞けなかったし。
……あそこに居たくなかったんだよなー。
あそこに少しでも長く居続けると、何らかのフラグが成立してしまう。それも、あの犬親子じゃない。
犬親子がキーになるものの、それ以外の、ナニカ。
俺の<直感>だけじゃない。
<レッドの腕輪>に収納し、フォルトゥーナ司令官モードになったウサウサレーダーにも感ありだ。
フォルトゥーナの<幸運>と獣の勘、おそらくそれらの派生スキル<吉凶を知る兎耳>が反応している。
俺がレーダー云々言ってたからかな。
ちなみに、うさみみではなく、うさぎみみ、と読むらしいぞ。
パッシブでは、運命的距離の近い吉兆と凶兆を感じ取れる。その運命強度により、感度は変わる。
アクティブでは、運命的距離のより広い範囲で、望む運命を指し示す方向を探る。
うん、運命~~って何さね。
フォルトゥーナ自身もよく解っていないらしい。
きちんと理解していないものを扱うのは、一定の不安が有るのだが、今更だ。
スキル化したことで、より精彩に、かつなんとなくわかるようになったようだ。
その代わりめっちゃ疲れるので、そんなにアクティブには使わないけれも。
一体何だったんだろうな、門前のフラグは。
【目】となり【耳】となる配下を置かない方がいい気もしたから、マジで分からねぇ。
並列思考の1つで考えつつ、冒険者ギルドのガレージに着いたので、馬車を停めライト&ダークのブラッシングと特製飼葉や水を与えておく。
これは労いだけでなく、偽装の一環でもあるな。
普通、馬に食べ物与えない御者は居ないし。
冒険者ギルド内に入る。
現在時刻は昼前だ。本日休みな冒険者以外は、ガランとしていて人が少ない。
そして、亜人が居ない。
居る冒険者や、見える範囲の受付は全員人種だ。
流石は奴隷以外の亜人禁止だね。
依頼表を確認。
素材納品系で出来るものを選び、買い取りカウンターに向かう。
もちのろん、偽装用バックパックは背負っているよ。
実際に収穫した薬草系、フォルトゥーナ農園で育てて、余っている素材を合わせて納品。
また、魔物の素材も納品する。
実際に倒したもの。
回復系のスキル・魔術の練習で出た、皮や角、爪、討伐証明部位。
それらを怪しく見られない範囲で納品する。
「それぞれの単価はそこそこですが、数が多くどれも質が良いですね。
高評価なので、報酬には色をつけておきますね」
他には、ポーション等の消耗品も買い取ってもらう。
外に出せる素材を使った消耗品だ。
大体は習作の余り物。有っても困らないが、対外的な評価が欲しいのと、お金の方が使いやすいのだ。
もっと良いのは沢山持ってるし。
「こちらも、低級ですが良質なものですね。
安定度も高く、期限も長い。
自ら商業として扱わないのですか?」
「ええ。私は旅をしていまして、どこかに腰を据える気も無いですし片手間のものなので。
冒険者ギルドの方が、1つ1つの額は低くとも安定して納入出来るので楽なのですよ」
「なるほど。ではこれらの評価額は……これくらいで如何ですか?」
「……はい。私はその額で構いません」
「ではこちらが代金になります」
うむ。品質は良いからな。
ちなみに、俺以外にも生産系の魔物が作ったものも入ってるぞ。
ゴブリン・ファーマシストとか。
せっせと作ってるから、貯まってるんだ。
こー、ふくろ、の、やくそう、99、とか、999にしておきたい病気にかられた感じだったのだが、それどころじゃ無くなっているし。
ポーション用の瓶も、地属性を持った奴等とか、ゴブリン・ポターという生産系にランクアップした個体が居たので、一心不乱に作っている。
ランクアップのご褒美に、特製の炉を作ってやったらめちゃくちゃ喜んでいた。
どうでも良いけど、装備は作務衣にハチマキである。
ハチマキは巻くと集中力に補正が入る品だぞ!
おっと、今回は脱線が多いな。
それも仕方ないか。
今並列思考の大半を使って、この都市の裏を探ってるからな。
冒険者ギルドの人に聞いた宿に行き、集中して探るとしよう。
Infinite Dendrogramという作品を読んで(ry
単純なVRMMOものかと思ったら全然違ったよ……。
めっちゃ感性が合う作品だったよ。
くっ、本棚はもう埋まってるんだ。
落第騎士とツインテールの新刊買ったし、オーバーロードも今月出るんだよぉ。




