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第140話:そんなに人を無条件で助けようとするだろうか?

昨日は投稿出来なくてすみませんm(_ _)m


やはりこれからちょこちょこ不定期になります。

明日は水曜日なので無理ぽいです。

4/17火


22日目:都市ラジキア門前



パカラパカラと、ライト&ダークが馬車を牽いて目の前の都市まで進んでいく。


ラジキアはけっこう大きな都市だ。

交易都市ハラスラや、鉱山都市セイレルと違い何か分かりやすい特色はなく、単に流通の中心というだけだ。


勿論、中心になったのには理由がある。


ここら一帯の中で、身分の高い貴族の都市である。

都市を貴族が直接運営しているので、その貴族の人柄や性質が出やすい。

(貴族そのものというよりも、運営しているのは代官がもっぱらではあるが)


まぁ、発展した理由は県庁所在地みたいな理由でOKだ。



そんで、その貴族の性質とは──



──人種主義。



繁殖力に長けた、人種が上位でありその他亜人は人種の奴隷! みたいなタイプらしい。


全く、差別だなんて嘆かわしいね。

必要悪の差別だったり、どうしようもない差別ならともかく。


これは差別じゃなくて区別です、とか口だけ言う奴居るけれど。差をつけて別にした時点で、どうお為ごかししても差別に違いはねぇ。

第一、俺差別とかしないから~とか言う奴の差別と言ったらもう酷いものだ。無意識にせよ、意識してにせよ。


ああ、俺は差別するよ?

ユニは可愛い。うちの配下どもが優先だ。


殺すときも差別はする。


唯一しない差別は、皆殺しにするというところかな。

殺し方はめっちゃ差別するけれど。



そもそも差別こそが、生命の在り方の1つだろうに。

人間の生き方は正しくそれだしな。



さて、なぜこんな話をしたかと言うと。



「何故だ! 何故入都市させてくれないんだ!

税金もきちんと払うと言っているじゃないか!」


「あー、あー。だから言ってるだろ。

()()()()()()()()()()()()()


奴隷階級にある奴以外の、人種以下は入れねぇってこの都市のルールがあんだ。

さっさと諦めて帰りな!」



というやり取りが門の前で行われているからである。


俺の高性能な視聴覚を、更に魔術的強化、及び物理的強化で見聞きしている。

ああ、望遠レンズと集音だよ。


門番は至極面倒そうに、且つ侮蔑した目で()()()()を見ている。


そして、門番に言葉で噛みつき、今にも噛み付き(物理で)そうな亜人、犬型かな?

その父親と、母親。


父親は軽く怪我を負っていて、母親も負傷しているようだ。


何よりも。


母親の抱える、彼らの娘らしき少女は。



エル:推定。あの個体は状態異常:呪いと見受けられます。



単なる病気や、怪我だけではなく、呪い。


……あのリッチが集めて放った中に、呪いを使える個体が幾つか居たな。

大体<ねこだまし>でレイスは倒せるし、そもそも今は味方に出来るからしなくなったけど。


それ関係かな?


「なら入れなくても良い!

この子を教会関係者に見せてやりたいだけなんだ!」


「取り次ぐ訳ねーだろうが。

いい加減邪魔だから帰れ、馬車も来てるしな」



ふーむ。


()()()()()()()()()()()()()()()、あの親子と遭遇でもしたのかね。


俺の<直感>と、ウサウサレーダーことフォルトゥーナの<幸運>と獣の勘。


今や、フラグ感知、フラグブレイカーとして効果を発するこれらが発動し、『このまま進むのは良くないよ!』とばかりに教えてくれたからだ。



予想1。


呪いをかけられた娘を運ぶ親子と遭遇し、呪いを解いてあげる。

そのまま一緒に都市ラジキアに進んでめんどいことに。


予想2。


実はまだ呪いを掛けられてなくて、その呪いをかける魔物と戦っているところに遭遇。

助けて一緒に都市ラジキアに進んでめんどいことに。



こんなところか?

まだまだ予想は有るけれど。

普通なら、助けるフラグなんだろうが、俺ならそのまま実験台にする可能性も有るような……。


いや、<呪術>を用いた、治療の実験台にした挙げ句、お礼をしたいと言って聞かない犬親子に付きまとわれる可能性の方か?


『ユニ。仮面を着けておけよ?』


『はい。レッド様。あの親子はどうするんですか?』


『なにもしない。ただ通るだけだ。

ユニはどう思う?』


『レッド様がそう決めたなら、ユニもそう思います。

あの親子と関わると、何か嫌な予感がします』


おっ、ユニも勘が効くようになってきたな。

サキュバス系統の勘だろうか? なんとなく女の勘って奴な気がするな……。


ちなみにユニは俺の外付け良心なんてチープな展開ではないのでスルーします。


俺の内付け良心はエルさんです。


エル:マスター、自壊要素は非推奨です。


あっ、はい。



パカラパカラ。



「ったくいい加減に──っと、ようこそ都市ラジキアへ。


確認致しますが、人種ですか?」


「ハイ。人(をことごとく殺そうとしている)種デス」


イラッ☆。

しかし<人間ヲ嫌ウ者>を持つ俺の演技力は、内心を外に表すことはないの、ダー!


「馬車の中には、私の奴隷が一人です」


「はい。冒険者パーティー<仮面の色彩>ですね。


入都市を歓迎します」



犬親子が仲間に成りたそうな目でこちらをみている。


ああ、そうか。

ここで俺の奴隷という名目で入るという選択肢もあったわけか。

回復方法がない場合、そういう選択肢を取ることになったのかな?


メタ的に考えられば、だが。



→いいえ。


レッドは無視を選んだ。


ユニは仮面の効果で犬親子に認識されていない!


犬親子は悲しそうな目でこちらをみている。


助けますか?


→いいえ。


そういうのは人情系主人公にでも頼め。

俺は殺戮系主人公だ。



ああ無情にも俺たちはパカラパカラと門を越えて、都市ラジキアに入っていくのだった。









ふふふ。

話が進むと言ったな、あれは嘘になってしまったな。まさか入都市だけで終わるとは……。



犬親子:クゥーン。

???:あら、どうかしたの?

門番A:あっ、貴女は!

???:ああ、都市の規約ね。ここは都市外だから、<解呪>っと。早くここから移動した方が良いわ。ここは貴方達にとって良いところではないから。

犬親子:クゥーン!(注意、喋れます)

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