第126話:外伝:とっちゃんのアウトな日々──4話
視点:アウト
は……っ!
今何か違和感があったような。
配下の魔物達についての解説に移る筈だったのに、まるで時間が飛んだような気がするっス!
え? 気にするな? 気にしたら負け?
気にし続けたらノルマ10倍……!?
ハイ! オイラ何も気付いてないっス!
空を飛ぶ雲でさえ千切れたことに気付かなかったんスから、オイラも何も気付いている訳がないんスよ!
ふー、危なかったっス。
オイラのコミカル思考は我ながら怖いもんスねー。
突っ込みたくなるっスよ。
えーと、なんだっけ?
そうそう、魔物達の話っスね。
まずは大きく種族名から行くとするっス。
1、ゴブリン種。
オイラも所属している筈の種族。
ランク2~の種族で、多様な進化先が存在するっス。
亜人系であり、鬼の要素も少し含むっス。
大体ファンタジーのゴブリンでオッケーっス。
アニキの配下だと、絵師さん的なのが忖度するので、どこかコミカルだったり、カッコ良かったりするっス。
例えば、ソウシさんはイケゴブだし、トウゾさんはハードボイルドっぽく、センシさんはゴツく、キシさんは文字通り騎士っぽく、シレイさんはマフィア的っス。
女性ゴブリンでも、綺麗だったり可愛かったり肉感的だったり。
世界の意思をひしひしと感じるっス。
実際にはアニキの認識に依存しているみたいっスけどね。
お供にするなら、醜悪なゴブリンと、まともなゴブリン、どっちが良いかという話っス。
現在だと、メインパーティー=一軍扱いされているゴブリン隊。
二軍扱いの下っ端達等、一番露出の多い種族っスね。
オイラもメインキャラクターなんスよ!
武器などを扱う能力や、習得に長けていて、戦闘だけでなく生産にも適性が有るんス。
身体能力はそれほど高くはないけれど、繁殖力と技術で戦うゴブリン。
敵にすると面倒だけど、味方にすると役に立つ……とも限らないという世間では悲しい立場っス。
オイラ達はバリバリ役に立つっスけどね!
2、オーク種。
オーク村を滅ぼした辺りから追加された種族っス。
ゴブリン以上の繁殖力と身体能力を持つっス。
その代わり、スピード系の進化が少なく、技術だとゴブリンの方が上の、ランク3~の魔物っス。
その身体能力を生かして、戦士、重戦士は適性が有るっス。
豚・猪系の因子を持ち、生産系にも適性が有るっス。
ゴブリンと並んで、女性に嫌われる魔物っスねー。
イフさんにも嫌われてる、というかメインターゲットな魔物。
アニキの配下はターゲットじゃないっス。マジで良かったっスね……。
3、コボルト種。
犬系で、亜人系の魔物っス。
実はこっそり仲間入りしてるっス。
オークとは異なる方向で身体能力に長け、集団行動の得意な種族っス。
武器なども習熟出来、様々な進化先の有る種族。
というか大体の魔物は進化先が多いっス。
コボルトはあっさり殺られてるんで、記憶に残ってないと思うんスけど、
アニキ配下のコボルト達は、一様に<嗅覚保護>や<悪臭耐性>等を身に付けてるっス。
身に付けてないと即死っスから。
紅血の間のバリエーションには、悪臭ステージとか、香辛料が撒き散らされたステージとか普通に有るっスからね。
お酢や香辛料で動けなくなる弱兵など要らんでござるっス。
二重語尾失礼したっス。
次は動物系に行ってみるっス。
4、ラビット種・うさぎ種。
フォルトゥーナさんのいる種族っス。
つのうさぎという、アニキの前世世界では居ないとされている種族っス。
可愛いうさぎさんっスけど、けっこう肉食な上に、お肉として狩られる種族っスねー。
アニキ配下だと、つのうさぎ系とかが森に放されるっス。
様々な進化先の模索っスね。アニキ、コレクターでも有るんで。
図鑑の???とかを埋めたくなるとか。
実際に外に出されることは殆どないっスね。
フォルトゥーナさんが居るんで。
下手にアニキに媚び売ると食ウサギ肉コースっス。
フォルトゥーナ農園という、農場で働いてるうさぎも居るっス。
ここには、亜人系の魔物も働いてるっスよ。
スローライフ的な雰囲気っス。加速領域だけど。
5、とり種・鳥種。
魔鳥とか呼ばれている種族っスね。
アニキの名付けにより、更に多様性が増している種族っス。
主に航空支援や、制空権の確保。
上空からの監視や、MAP埋め作業など。
縁の下の力持ならぬ、空の上の鉤爪?
中二チックな名前の4人(4羽)がメインっス。
他にも色々面白い進化先が居たり、世界に放たれてアニキの役に立ってる種族っス。
今ならオイラも、移動技や遠距離技が有るんで戦えるっスけど、対空戦ってかなり厄介っスよー。
6、7、8、ネズミ種、犬種、猫種。
主に諜報を担う小動物チームっス。
そのどこの街にでも居る存在感を生かして、街にこっそり放たれたり。
病原菌を保持して、感染させるのを待ってたり。
わりとエグい活躍を期待されているっス。
今はまだ特筆すべきキャラが居ないんで、まとめて出されてるっスね。
……あっ、最近1人有望なのが追加されてたっス。
アニキが手ずから干渉したんで、騒がれたっスね。
9、もぐら種。
これは先のセイレル鉱山でちょっと活躍したっスね。
畑仕事とかにも役立ってるっス。
後述する、鉱山エリアなどで採掘してたりするっスよ。
10、馬種・ホース種。
ライト&ダークとひと纏めにされるツイン・ホース等が所属してるっスね。
後は騎士系の魔物の騎乗相手だったり。
属性馬も増えてるっスよ。
11、家畜系。
これは初出っスかね。
乳牛用の牛だったり、卵用の鶏だったり(鳥種も兼ねる)。
正しく生産系の魔物っス。
まだまだ色々と試している段階らしいっス。
とりあえず、卵料理や乳料理は美味しかったっス。
プリンはプリンプリンだったっス。
生クリームって美味しいっスね。
ただ、女性陣の気迫が恐ろしかったっス。
怖かったっス。
後は虫系っスかね?
12、ハチ種・蜂種。
現在蜂蜜や蜜蝋目的で働いてるっス。正しく働き蜂。
今は戦闘は想定していないんで、生産力を高める方が優先っス。
蜂蜜って美味しいっスよねー。
蜜の元となる植物の厳選もしたり、凄く楽しそうにアニキがしてたっス。
ハチも頭が良いので、言うこと聞いてくれるらしいっス。
ハチダンスもするらしいっスよ?
植物系だと。
13、トレント種。
トレントの果樹園等が追加されたっスよ。
ネームドには、ワルドさんというおっきなトレントが居るっス。
どうなってほしいのか、分かりやすい名付けっスよねー。
本人(本木?)は嬉しそうにうねうねしてるっス。
アニキが品種改良、もとい進化を本気で取り組んでいる種族の1つっスね。
アニキというか、フォルトゥーナさんが豊穣の角とかを埋めたり、肥料にしたり。
果実や樹液が目的みたいっスね。
トレント達は喜んで果実を実らせてるっス。
アップル・トレントとかみたいな感じで。
死体置き場の周りには、チェリーブロッサム・トレントという稀少種も居るっスよ。
赤ければ赤いほど……いや、何でもないっス。
最後はアンデッドっスかねー。
完全に新入りの種族……種なんスかね? アンデッドって。
創造神様も、何を考えて設定したのやら。
いやまあなんとなくわかるっスけどー。
アンデッド筆頭、というかリチャードさんはこれからメインになりそうっスよね。
ランク8になったらしいっス。
オイラ達ランク4なのに……。
ちなみに、アンデッド用のエリア・スペースも作られたっス。
死体置き場と繋がってるっス。
確か死霊の墓場? とかダンジョン名みたいな場所っス。
墓場は比喩表現スけどね。
大体は終わったスかね?
次は実際にエリアを回りながらご紹介するっス。
あっ、紅血の間は行かないっスからね、絶対っスよ!




