第110話:セイレル鉱山──激突その2
17日目:セイレル鉱山
さあ、意識を覚醒させろ。
相手はランク7のレベル100。
そのポテンシャルを全て発揮出来ない状態だろうが、その実力はかなりのものだろう。
それを操る、ランク6のリッチ=ウォーレス。
そのからくりは粗方わかった。
アンデッド特有の、人体リミッターのない、高速度の踏み込み。
そこに、熟練の技術が重なり瞬間移動が如き速度で迫ってくる。
くっ、歩法で認識をズラされて、より早く見える。
意識を加速した俺ですら、その動きと空間を把握していた俺ですら、僅かに騙すその技量。
だが、認識は出来る。
<旋風・速閃剣>を構え、相対する。
そして、観察する。
リチャードは、バランスの良い剣と、軽装による軽戦士タイプ。
その称号から考えても、技剣、技術型だ。
そして軽装。チェイン・シャツに加えて、鎖帷子タイプの防具だと、思っていた。
だが、違う。あれは鎖帷子ではない。
鎖だ。
縛るための、鎖だ。
<不断ナル復讐ノ連鎖>
ランク:エクストラ
スキル:<伸縮自在><因果縛全><無限ノ鎖>
・呪いの武器。
反応がおかしいと思ったところから、気付けた。
エクストラ格の中では下位であり、イフのように確立された意思は無いようだが、この呪具によりリチャードは縛られているようだ。
加えて、ウォーレスの持つ杖。
あれはリッチの持つ杖ではなかった。
エルが解析して判明した。
<死霊ヲ支配セシ司令杖>
ランク:エクストラ
スキル:<死霊魔術:支配・強化><司令:強化>
・呪いの武器。
こちらも、呪いの武器であった。
本来、普通に呪いの武器を扱うことは出来ないが、呪術師だからこそ扱え、アンデッド化し、リッチとなった今では相性は更に増しただろう。
リッチが種族的に持つ、<死霊魔術>を強化することで、リチャードを支配することが可能になったのだろう。
そして支配したものを強化することもできるため、鎖で弱めた力をある程度戻すこともできた。
厄介だ。
厄介だが。
欲しいものだな。その武器達。
おっと、タイムリミットか。
剣を合わせる。
シュ!
斬られた!?
レアの装備だぞ!?
<ふかいなる剣>
ランク:ハイエスト
スキル:<砕けぬ刀身><乱れる精神><抉れる創傷>
ハイエストの品か!
英雄の持つ剣だけあって、強いスキル持ちだ。
バックステップでも避けきれず、喉元を切り裂かれ、スキルにより更に深く、喉は裂ける。
「ククク。他愛ナイモノ──!」
<操血術>!
<血刃・刺斬華>!
喉から迸る血液は血の刃となり、リチャードに降りかかる!
「!」
グサグサ刺さりながらも、鎖により大分弾かれる。
すぐさま対処され、弾かれた。
切り裂かれた喉はすぐさま回復。
放出した血液は<レッドの腕輪>から直接血管に、貯留した血液をぶちこんで輸血。
赤色髄を活性化させ、血液を増やしておく。
リチャード自身は、憎悪と憤怒に染まっているが身体は技術を覚えており、すぐさま攻撃してくる。
破損した剣を仕舞い、対応出来る武器を考える。
「キッ、貴様本当二人間カッ!?」
あっちは対応力低いらしい。
一番強い武器は、『旦那様』。イフ、だよな。
あっちはハイエストの中でも上位の剣。
イフはランクエクストラ。最上位とはいえ、ランク差がある。
行けるか?
『勿論で御座います。ワタシは、イフは、旦那様の刃故に』
「コレデモ食ラッテオケ!」
!
これは、<呪術>!
エルと共に、<呪之真髄>を用いて解析。
エル:マスター。<呪術>の一端を解析完了。呪いを返しますか?
yesだ!
「グォ!? 呪イ返シダト!?」
呪いってのは、返せば二倍返しだぜ?
そして呪いというものを理解できた。
『ゴブリン隊! リッチを抑えてろ!
俺はリチャードとやりあう。邪魔をさせるな!』
『ハッ!』
イフを握り、リチャードの剣を受ける。
ソードマスターという種族。
身体に残る技術。
そして、感じる、その共感を覚える魂の衝動!
お前の剣を見せろ。
そして俺は、お前が欲しい。
お前のその憎悪。
その技術ごと、俺によこしな!
アンナチュラル観てました3/17
ドラマは基本的に観ないのですが、これはずっと観てました。
もともと法医学とか好きなので、面白かったです。
そして、全力脱力タイムズという情報番組のガワを被ったバラエティーを観てました。
まさかの、アンナチュラル10分拡大と、映画の放映で被ることなく視聴出来ました。
全力脱力タイムズ、オススメです。
すごく、頭のおかしい作品です(誉め言葉)




