第101話:俺と契約して防具を作ってよ──裏の意味<鍛冶>見せろ
100話越えて、初めて知ったこと。
作品管理トップが、100話毎にページが増えること。
ここまで長く書いたことなかったから、知らなかったぜ(;・∀・)(前はエタッた)
16日目:冒険者ギルド、個室
「契約? どういう契約だ」
「報酬の件です。
報酬金はそのままで良いので、俺に何か作って貰いたいんです」
「ほう? 俺は鍛冶師つっても、本職は防具だ。
レッド、その服。かなりの品物だろ?
俺が作る必要有るのか?」
「ええ。俺は鎧などは身に付けませんが、盾は扱います。
受け流し系の<盾術>を使いますが、高ランクの盾が欲しいと思っていまして。
防具系なら、盾も作れますよね?」
さあ、どうだ?
盾は無くても良いが、有るに越したことはない。
金属系は<錬金術>だけじゃ強化しきれなくて、今は盾使ってないからな。
「おう。盾も俺の守備範囲だ。(防具だけに)
それなら構わねぇぞ」
「もう1つ。その盾を作るところを見せて欲しいんです」
「あ?」
どうだ。どう反応する?
「見せんのは構わねぇ。ただ、何で見たいんだ鍛冶の現場なんぞ」
おしおし、反応は大丈夫。
単に意味わかんねぇ、だけか。
「自分の盾を作って貰うところは直に見たいというのと、後学の為ですかね。
何が力になるか分かりませんし」
「……見せんのはさっき言った通り構わねぇ。
それで受けてくれんならな。
ただ俺が作るってんなら、俺も行くぞ」
「ヤードさん!?」
そっちの方向に転がった!?
「俺はこれでもレベル50越えて、ジョブ3つのうち1つは戦闘職だ。
俺が作るもんなら、俺が採掘しに行く。
レッド、お前さんが条件を出すなら、俺も出させて貰う」
「……分かりました。ただ、危険ですよ?」
「そうですよヤードさん!
確かにヤードさんはCランク並みの強さは有りますけど、相手がリッチですよ!?」
「これは俺の流儀ってやつだ、嬢ちゃん。
レッド、足手まといにならねぇようにするが、どうする」
「では、もう1つ条項を。
俺は幾つか奥の手や、切り札が有りますが、恐らくそれを使うでしょう。
それを秘匿してもらえれば、全力で戦うと誓いましょう」
「秘匿? ああ、鑑定書あれで全部じゃねぇのか。
奥の手あんのは当然だな。
元からべらべら話すつもりはねぇが、どう……契約か?」
更に条件を付けられることはなかったか。
このドワーフが付いてくるのはあれだけど、ゲームで言うNPCキャラ?
いや、大抵あれ無敵だけど、これは護衛に近いタイプだな。
そもそもゲームじゃないし。現実だし。
「契約紙は持っています」
「準備が良いなおい。
って、今どっから出した」
「これも秘匿してほしいのですが、ランクの低いアイテムボックスを保有しています」
「え!? やっぱり……」
流石に、素材をかなり卸してたからな。
アイテムボックス、特に無限に入る、時間が止まる(遅れる)ものは伝説の秘宝クラスだ。
ただ、<空間魔術>を使えるものや、高レベルの生産者が作る、ランクの低いアイテムボックスはそこそこ有る。
それもかなり高くて流通量は少ないけれど。
ただ、ギルド員が居るところでバラしたから、これから素材卸すときは楽になるかな。
ランクもDにはなってるし。まぁ、大丈夫だろう。
「そういやさっき、<錬金術>の使い手の当てがどうとか言ってたな。
それ関係か?」
「ええまぁ。ただ、あまり広まって欲しくないようなので、内密に」
間違ってはいない。つまりは俺のことだ。
広まって欲しくないのも正しいことだ。嘘じゃない。
「アイテムボックス作れるような奴は、隠遁したくもなるか……。
まあいい。契約紙を見せてみろ、そこそこのランクのもののようだが」
なんか勘違いしてる。
そのように振る舞ってはいたけど。<工作>せんせぇ。
契約紙は、前世の契約書類とは別物だ。
その気になれば反抗できるし、権力次第で、暴力次第でどーにでもなる前世とは違い、契約の名は重い。
ふぁんたじーのお約束、契約。
契約の神が普通に居るし、魂で契約するため、違反すればそれ相応の罰が下るし、そもそも違反できない仕組みだ。
俺は<契約術>を基点に、<工作><錬金術>を駆使して、紙そのものを魔化する。
そこに、<文字之技術>で、言葉の意味を強化。
それらを、<極限集中>と<限界弑逆>で無理やり頑張った品だ。
だって<契約術>のレベル、1ですし。
「ふむ。まともな契約紙だな。裏もない。
良いだろう。
条項として、
レッド、お前さん達がこの依頼を引き受ける。
その代わり、俺はレッドに盾を作る。製作現場を見せるのが条件の1つ。
そして、依頼に俺も行く代わりに、俺がそこで見た<仮面の色彩>の情報を他人に伝えないこと。
こんな感じか」
「ええ。勿論、失敗時についての条項もいれますよ。
失敗する気はないですが、契約はしっかりと作らなければなりませんからね」
「しっかりしてんな」
「勿論です。その内容は、ギルド員の受付嬢さんにも確認してもらいましょう。
第三者とは言いがたいですが、他者の目は重要ですからね」
「へ!? あっ、はい! きちんと確認させてもらいます」
ちなみに、この人ちょいちょい反応してたり口を挟んでたけど、俺とヤードを割りと無視してた。
消極的なことしか言わなかったので。
契約紙に、契約条項を書いていく。
今回の依頼内容について。
依頼の成功報酬。
失敗時のペナルティー。
成功と判断する基準。
失敗と判断する基準。
契約に際する、決めごと等。
まずは俺が下書きした内容を、ヤードが確認。
あっ、ちゃんと読んでない。斜め読みしてるでこのドワーフ。
「…………冒険者ギルドの立場から見ても、過不足ないと思われます」
一方、きちんと読み込んでるな、受付嬢は。
紙切れ一枚の重さを知ってるのだろう。
とはいえ、俺も普通のことしか書いてないし、特に罠も仕込んじゃいねぇ。
実験も済んでないし、罠を入れる相手でもないからな。
「……俺はサインしました」
「……出来たぞ」
お互いのサイン、名前と言う、魂の名称を表す記号を書き込み、お互いに同意する。
契約紙が、発光し、きちんと条項を発効したことを知らせる。
「では、俺たちは準備を開始します。
明日の朝、そうですね、8時にギルド集合にしませんか?」
「明日か。まあ夕方近いし、夜はアンデッドに有利だからな。
俺も用意する。明日は、頼むぞ」
「勿論です。ではお先に失礼します」
『行こう、ユニ。アンデッドの対策をしよう』
『分かりました、レッド様』
それと、ドワーフの対策と、解析だな。
鎚術系スキルは、俺の配下達も、俺も持ってない。
丁度良いな。
今回は、かなりラーニング出来そうだ。
みなさん、契約は気を付けましょう。
スマホとかの、アプリとかもあれ契約です。
契約は法律に関わるので、無視とか出来ませんからね。現実は。
どうでも良いことですけど、水ダウ、水曜日のダウンタウンというバラエティー好きです。
ああいう、教育にわるそーなバラエティー大好きです。3/7




