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第100話:契約するときはきちんと条項を確認しましょう

本日2話目?


100部、100話突破♪ヽ(´▽`)/


これも読んで頂ける方が居るからこその結果でもあります。


あのあらすじとタグを乗り越えて読んでくださる読者の方々、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

 

 16日目:都市セイレル、冒険者ギルドの個室



「ではレッドさん。お預かりしたギルドカードに、鑑定書のスキルを追加しました。

 こちらはユニさんのギルドカードです」


「ありがとうございます」


 ギルドの個室へ移り、まずは俺とユニのカードを更新する。

 俺のカードはDランクを示す緑色の縁取りに。

 スキル・耐性もきちんと反映されている。


 ユニのカードも、Fランクを表す紫色の縁取りになっている。

 ユニの方は鑑定させていないので、スキルは載っていない。


「ではレッドさん達のパーティー<仮面の色彩>は、Eランクパーティーと評価させて頂きます」


「<仮面の色彩>? そっちの娘は仮面着けてるが、レッドも着けるのか?」


「ええ。ちょっとしたスキルが着いている仮面を持っているんです」


 ちょっとしたどころの効力じゃないけどな。


「レッドさん。レッドさんからの買い取り品にオークの素材は幾つか有りましたが、オーク・キングの素材は有りませんでした。


 納品はされないのですか?」


 おっと。先にこちらから片付けるか。


「はい。キングの素材は幾つか、魔石も有りますが<錬金術>スキルの持ち主に当てが有るので、そちらに使おうかと。


 肉は自分達で消費しています」


 当て→レッド。つまり俺。嘘ではない。


「そうですか……。それは残念です」


 ランク6となると、そうそう居ないからな。

 居たら危機である。


 この辺はランク3が基本で、ランク4の上位種が率いる。

 ランク5になると危険で、ランク6からはC、Bランク冒険者が必要となる。


「…………なるほど。確認させてもらったぜ。

 確かにこれならオーク・キングも殺れるだろうし、あのクソアンデッドにも相性は悪くないだろうな。


 特にこの耐性だ。

 一応聞くが、もしかしてギフトか?」


「ええ。最初の鑑定の時に、協会員の方がそうではないかと」


 言ってたよ。<精神耐性>の隠蔽したレベルのことだけど。嘘ではない。


「精神に呪詛がMAXか。この情報は口外しないことを約束する。


 改めて行こう。

 俺はヤード。セイレルの鍛冶師で、親方ってやつの1人だ」


「はい。まずは、何が起きたか、起きているか、状況を教えてもらえますか?


 多少は聞きましたが、ギルドの受付嬢さんも居る今の方が、きちんと把握できると思いますし」


「ああ、そうだな。

 嬢ちゃん、頼めるか。鍛冶師関連は俺が説明すっからよ」


「分かりました。では事の始まりは3日前──」



 ──────────



 普段通り、鉱山では鉱夫や奴隷、冒険者が働いていた。

 セイレル鉱山では、時折ゴーレムが湧き護衛が必要となる。


 その代わり、ゴーレムを構成する鉱物は上質の素材となるため、冒険者はそれも狙いで護衛を受けていた。


 そんな折、採掘グループが戻ってこなかった。

 それも3つのグループが。


 崩落の危険は少ない鉱山だが、危険防止の観点から、報告が義務化されているため、すぐさま危険と判断。


 3つのグループが向かった方角に、その場に居た最も高ランクの冒険者パーティーが調査に向かった。


 6人向かい、帰ってきたのは最も足の速い1人のみ。

 その1人から、強力なアンデッドの発生が確認され、鉱山は一時閉鎖。


 その後、ゴーレムの異常発生。

 下位のゾンビ、レイス系。

 死霊系統の魔物の発生が確認された。


 死霊に相性の良い冒険者を集める前に、正義感の強い(言い方を変えれば脳筋)冒険者パーティー<豪快奔放>が突撃。


 結果は知っての通り、壊滅。


 元々力押し傾向の有る<豪快奔放>では相性が悪く、防戦一方。

 その代わり、ある程度敵対する魔物の情報が得られた。


 首魁はリッチ。特に<死霊魔術>や<精神魔術><呪術>に秀でたタイプ。

 言語に長けている為、昔の魔術士・呪術士が甦ったタイプだと想定される。


 リッチの他に、異常に強い剣士のアンデッドが確認された。

 強力な前衛に守られたリッチの討伐は困難と想定される。

 特に、<死霊魔術>により、殺害された冒険者が敵になる可能性大。


 不用意な戦闘は避けるべきだが、幸か不幸か、<豪快奔放>の壊滅により誰も依頼を引き受けようとしなかった。


 それから3日が経ち、素材の在庫そのものは有るが、鉱山で鍛えたり稼いでる者は休業。

 長く続くと、かなり危険な状況になる。



「と言ったところです」


「ここらの鍛冶師は、自分で採掘すんのも修行のうちでな。

 自分で掘った石を鍛えんのが伝統よ。


 流石に、俺たち位になると、採掘に行くよりも、武器を鍛えてくれって注文が増えるから、余程こだわりがなけりゃー鉱石は委託になる。

 それでも稼げるようになるからな」


 ほー。伝統ねぇ。


「俺たち鍛冶師達は、鉱山以外の稼げる産業に関わるから、ここの都市長から自由を許されてる。


 ただそれは、技量が有るから、努力するからの自由でな。

 こう金も稼げねぇと、都市付きの奴隷になっちまう。

 奴隷になったからと言っても、無体なことはされねぇ。


 だがよぉ、1度でも奴隷になってたってのはマイナスイメージなんだわ」


 奴隷は奴隷でも、借金奴隷か。

 それよりも、待遇は良いようだが、自由が少なく、ジョブ等もある程度強制されてしまう。


「都市上層部も、動き始めてはいますが、まだ時間が有る、と言うことで焦ってはいないんです。


 勿論、伝を使って教会等からエクソシストを派遣して貰うよう要請はしているようです」


 うわ出た、教会。

 ジョブ神殿とは違う、実在する神を祈る教会どもだ。

 この世界:イリガルドでは、神はちょいちょい姿顕してるからな。


 そして神様が幾柱も居て、派閥なども有る。

 神同士の派閥も有り、信仰する人間側の派閥も有る。

 面倒なことで。


 その教会は、ふぁんたじーのお約束。

<回復魔術>を使った、病院としての役割。

 そして、エクソシストという、退魔的な役割が有る。


 ……教会側は、信仰すれば<回復魔術>を得たり、退魔のスキルを得られるとか言うけれど、ねぇ。

 俺持ってるし。

 あっ、神は信仰はしてるのか?

 あの神は親友みたいなもんだしなー。

 配下の魔物に信仰させてるけど。



 閑話休題(話が逸れた)



「教会の奴等はここぞとばかりに金を毟り取ろうとするからな。

 中々善良な奴がいねぇし、善良な奴は権力がすくねぇって悪循環だ」


「ヤードさん!」


「おっと、ここだけにしといてくれよ?

 ……レッド、お前は違うよな?」


「ええ。<回復魔術>は使えますが、教会勢力では有りませんよ?」


 その教会勢力をいつか殺そうとしてる側ですから。


「んで、どうだ、勝算は有るか?

 ランク6と思われるリッチ、その配下の剣士に、冒険者。

 雑魚とはいえ、ゾンビやレイスが居る。


 今回の依頼は、都市とギルドだけじゃなく、鍛冶師達からも報酬金が出ている。

 特に下っぱの奴等は危機感が強い。


 受けてくれんなら、報酬を俺が吊り上げても良いぐれぇだ。


 どうする、レッド」


 敵はリッチ。その仲間ども。

 死んだ冒険者も敵に回る事が想定され、その光景はふぁんたじーから、ダークファンタジーに変わること請け合いだ。


『レッド様、どうするんですか?』


 今までこっそりしてたユニが念話してくる。

 ユニの声は魅力的なのであんまり人前では話さないように言っている。


 周りから目立たないように、装備スキルの効果があるし、奴隷の首輪を着けている為、喋らなくても不自然ではないけどな。


『そうだな』


<超直感・観>、そしてフォルトゥーナの<幸運>。


 それらを鑑みて、尚且つ俺自身の持つ勘と、読み。

 最後にエルの予測。



 答えは──



「受けたいと思います。

 その代わり、ヤードさん」


「本当か!? なんだ!」






「俺と契約しませんか?」





「契約、だと?」

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