エロ漫画を買う時は気を付けよう!
※本当に下品です。
――ここは本屋。一人の男が山積みの本を抱えてレジにやって来た。
――ちなみに男の持ってきた本のほとんどが青年コミック、いわゆるエロ漫画であった。
店員(女)
「いらっしゃいませ」
男
「これ全部ください」
店員
「かしこましました。こちら全てにブックカバーをお付けしますか?」
男
「頼みます」
店員
「かしこましました。えー、では
『営業マンに必要な行動心理学』
が一点」
男
「(むっ、しまった! この店員は本のタイトルを読み上げる体か!
このまま読み上げられ続けるとマズイぞ。なんとか言い訳を考えなければ……!)」
店員
「『それでも彼女を愛してる』
が一点」
男
「その漫画の表紙には確かに裸の女性が描かれていて、しかもR18指定が掛かっている。
だがそういった肉体的な描写が無ければ描けない恋というのは確かに存在するものだ。
私はその『ストーリー』を読みたかったのだ。
決してお気に入りのエロ漫画作家の作品だから買ったわけではない」
店員(女)
「次に
『僕と彼女のキュンキュンライフが』
一点」
男
「いや、やはり男と女の恋というのはアレだ。純愛でなければならないのだ。そう、胸がキュンキュンするほどの!」
店員(女)
「次に
『無垢な彼女の調教日記 ~自ら欲しがるまでの記録~』
が一点」
男
「違うんだ! 純愛というのが純粋な愛とは限らない! そう、調教によって芽生える愛も存在するのだ」
店員(女)
「次に
『なぜ営業マンには質問する力が問われるのか?』
が一点」
男
「……。ふっ、まあ私も営業として飯を食っているからね。良い結果を生むためには勉強が不可欠というわけだよ」
店員(女)
「次に
『巨乳マネージャーはワールドカップ! 決めるぜ俺のバナナシュート!』
が一点」
男
「それはあれだ! 一見エッチな漫画に見えるが実はサッカーの指南書なんだ! ワールドカップを来年に控え日本代表を応援する意味でも、あれ、その、私もバナナシュートの練習をだね!」
店員(女)
「次に
『おっぱいがいっぱいぱい(ドラフト会議)』
が一点」
男
「そうドラフト、ドラフト会議だよ! それも一見巨乳もののエッチな漫画に見えるが実は来年の有望な高校球児をリストアップした野球雑誌なんだよ!」
店員(女)
「次に
『妹が毎晩夜這いしてくる件』
が一点」
男
「その表紙は際どい格好をした少女に見えるけど!
ところがめくってビックリ!
実は平安時代の夜這い文化について論じた学術誌なのだ!
営業マンたるもの教養を広げることは大事なんだ!」
店員(女)
「次に
『ゼロから学ぶトランプマジック! これが出来れば人気者』
が一点」
男
「いやいや、そうなんだよ。うちの会社では忘年会で一発芸をやることになっていてね。
今から練習しておかないと恥をかくからさ、あはは」
店員(女)
「次に
『エッチなお嬢様にお仕置き! お嬢様のロイヤルミルクティーにマドラーでロイヤルストレートフラッシュ!』
が一点」
男
「んん! それはほら、中世ヨーロッパの貴族と紅茶の歴史と、トランプの歴史を混ぜて論じた歴史書だよ!
まるで紅茶をマドラーでかき混ぜるようにね! んんん!」
店員(女)
「次に
『ちっぱいボンバー ~お兄ちゃんの手つきがイヤラシイ~』
が一点」
男
「ちっぱいっていうのは決して小さなおっぱいの略じゃない!
地雷の一種なんだ!
これは『ゴッドハンドお兄ちゃん』と呼ばれた男がイヤラシイ手つきで地雷を撤去する様子を描いた感動のノンフィクション作品なんだよ!」
店員(女)
「次に
『穴穴穴る』
が一点」
男
「『穴る』っていうのは!
『穴を掘るほど物事を深く掘り下げる』って意味の動詞!
今年の流行語大賞にノミネートされたんだけどご存知無いかなあ!!」
店員(女)
「次に
『お外で健全! すっぽんぽん体操!』
が一点」
男
「ええい! 健全の何が悪い!
むしろ裸の女性に興奮して何がいけないって言うんだあ!」
店員(女)
「次に
『君のいなりずし♂を食べたい』
が一点」
男
「違う! その本の表紙には少年のいなりずしが描かれているけど違うんだ!
文字通り寿司職人を目指すその少年のハートフルな成長日記なんだよ!
決してショ〇ホモコミックじゃないんだ!」
店員(女)
「次に
『大和男子よ、見せろお前のオロチンチン!』
が一点」
男
「違うんだ! オロチンチンというのは別にチンチンの事じゃなんだ!
『大和魂』が訛りに訛って『オロチンチン』って聞こえるだけなんだ!
やまとだましい→いぁもとだますぃい→オロチンチン
ほら! もう一度言うけどチンチンじゃない!」
店員(女)
「次に
『僕の彼女はSM譲。ケツの穴までヨロレイヒー!』
が一点」
男
「ヨロレイヒー! もう脳内ロッテンマイヤーだよ!
何なんだよもう! 私が何をしたって言うんだい! 教えてアルプス!」
店員(女)
「最後に
『くやしい! でも私のあそこはオープンザプライス!』
が一点」
男
「んほおおお! 何よもう! そんなに私を殺したいの? 殺しなさいよ!
私が何をしたって言うの! 私がエロ漫画を何冊買おうと自由じゃない!
ちなみに合計いくらなのかオープンザプライス!」
店員
「16848円になります」
男
「払うよ! 払えばいいんだろ!」
店員
「お買い上げありがとうございましたー」
おわり
お読みいただきありがとうございました!