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メシマズ
彼女が作る料理は
いつも独創的だった
なんで味見をしないの?
訊ねる僕に苦笑いが帰る
信じていればきっと
この病は治るだろう
そう思い込むことで
自分を誤魔化していた
僕はいつも彼女の料理を
なんとか食べていたんだ
限界だとか知らなかった
彼女を愛していたから
だけど本当に想うなら
治してあげることが
本当の愛情だったんだ
努力を間違えてた
僕はずっとそばにいるよ
だから少しずつ治していこう
まずは砂糖と塩を間違えないで
味見くらい僕もしてあげるから