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とある人に捧げる百篇の詩  作者: 橋本洋一


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線香花火

夏が終わりかけたある夜

僕はバケツを用意して

儚い花火に火をつけた

バチバチと鮮やかな花が咲く


秋の始まりのある夜

僕はマッチを用意して

刹那の花火に火をつけた

キラキラと艶やかな花が咲く


花火の輝きは一瞬だけど

その光景は一生忘れない

なんて美しいのだろう

なんて綺麗なんだろう

花火越しに貴女が見えた

その笑顔も忘れない

忘れられないよ


貴女と別れる前日の夜

僕は決めた覚悟を用意して

空しい花火に火をつけた

ボウボウと最期の花が咲く

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