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とある人に捧げる百篇の詩  作者: 橋本洋一


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17/100

問答

幸福ってなんなの?

そう彼女は僕に訊ねた

頭を捻って答えた

満たされちゃうってことさ


彼女は幸福だったのだろうか

そうだったと信じたい

でなければあまりに可哀想で

儚い人になるから


不幸ってなんなの?

そう彼女は僕に訊ねた

頭を絞って答えた

空っぽになっちゃうってことさ


彼女は不幸だったのだろうか

そうじゃないと信じたい

でなければあまりに気の毒で

切ない人になるから


人生ってなんなの?

最期に彼女は僕に訊ねた

頭を抱えて答えた

そんなの分からないさ


答えられなかった僕を許して

向き合えなかった僕を許して

後悔はいつまでも続いていく

悔悟はいつまでも終わらない

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