第一話「オレは!カンピョry」後編
前回のあらすじ、乾燥シイタケが暴れて臭いヒーロー登場。
「オレは!宇宙刑事カンピョリオン!!」
シャキーーーーーーーーーーン!!
どこからともなく金属音のSEとともに、ポーズを決めたッ!!
全身がカブトムシ色でテラテラヌラヌラしている。よく見ると無数の干ぴょうが巻き付き全身を覆っている。
「トゥーーーーーーーーーーウ!!」
屋根から飛び降りたカンピョリオン。すかさず、「カンピョウブレード!!」
右手に抜き放ったカンピョウブレードをカンソウソルジャーに巻き付けた!
☆説明しよう。カンピョウブレードは剣ではない。干ぴょうが何本もぶら下がったムチのようなものだ。
「!?・・・グッ・・・ガアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
カンソウソルジャーが苦しんでいる。みずみずしくなっていくその体は、乾燥シイタケが水を含んだ状態であった。そう、干ぴょうの水分がカンソウソルジャーをうるおしていく。
「オレは・・・水分に弱いのダァァァァァァァ!?」
弱弱しい声をあげながら苦しむカンピョウソルジャーは、逆においしそうなでっかいシイタケに変貌していった。そして叫んだ「フィニッシュ早えーーーーーよ!!!」
派手に爆発するでもなく、カンソウソルジャーは地に伏した。いや、でっかいシイタケが落ちているにすぎなかった。
カンピョリオンは叫んだ。
「みなさん!今夜のおかずにシイタケの天ぷらはどうですか!」
すると周りにいた人々からわんさと猛者(主婦)が群がってきた。さながらゾンビのようだ。
「トゥーーーーーーーーーーウ!!」
カンピョリオンはカンピョウブレード(ムチ)を干からびたミイラに巻き付けた。みるみる精気を取り戻していく二体のミイラは、やがてもとの人の姿を取り戻した。
「う、うーん。干ぴょう臭い・・・」 「なんかヌルヌルするぞ・・・」
被害者だった二人から発せられた言葉は感謝ではなく、クレームに近い物言いであった。
うなだれるカンピョリオンであった。
「ありがとう!茶色いおじさん!」
一抹の切なさをかき消した言葉。それは先ほどの幼女であった。幼女は満面の笑みを浮かべていた。
孤独な戦士は救われた気がした。
「お嬢ちゃん。いつかおじさんのシイタケを刈り取ってくれ!」
親指を立てサムアップポーズを決める。トゥーーーーーーーーーーウ!!、気合とともに大きく跳躍してカンピョリオンはその場を去る。あとから警官が追いかける。
「そこの変質者まちなさーーい!!」
幼女はなおも満面の笑みで見送った。宇宙刑事なのに警官に追われるヒーロー。
あとには生々しい干ぴょうの芳香を残し、問題発言でしこりを残していった。
そしてもう一つ、幼女の笑顔も。
戦えカンピョリオン!負けるなカンピョリオン!明日に向かってエスケープだ!
(ナレーション、政宗一成)




