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第1話 ばらばらになってしまったけど、大丈夫。私はロボットですから。へいきです。

 未来の国。


 見上げた空は青色でした。本当に美しい澄んだ青色がどこまでも広がっていました。それから、君がにっこりと笑いました。本当に幸せそうな顔でです。だから大丈夫だって思ったんです。


 ひとは長く大地に種を蒔いて、耕して、その実りをえることで生きてきました。そんな時代がずっと長く続いてきました。ひとの文化はそんな農耕を基本としてあらゆるものや考えかたが生み出されてきました。でも今、時代は新しいものに変わりました。それはあらゆるものが古くなりあらゆるものが新しくなる時代です。だからこそ私たちひとも『新しいひと』にならなくてはいけないのです。

 ここは未来の国なのですから。


 ばらばらになってしまったけど、大丈夫。私はロボットですから。へいきです。


 体が動きません。それになんだかいろんなところが変な感じです。

 私の体はばらばらになってしまいました。(動かないのではなくて、なくなってしまっていたのです)でも『心はばらばらになっていません』。私はここにいます。『私は生きているんです』。

 そう思うとなんだかとっても元気になってきました。(もちろん、体がばらばらになってしまったのですから、大変な状態ではあるのですけど)

 私はいつのまにか歌を歌っていました。小さな声だったと思います。

 よく街で流れていた、大好きな愛の歌です。

 私の見上げてる(たまたまばらばらになった頭の部分が空が見えるところに転がっていました)空は青色でした。瓦礫の隙間から差し込んでいる少しの陽の光と一緒に見える美しい澄んだ青色。それは本当に美しい景色でした。

 世界はとっても静かで、私の歌声のほかには、優しい風の音だけが静かに私の耳に聞こえていました。(吹いている風もとっても気持ちよかったです)

 その私の歌を聞いて、君が私のところにやってきました。(私は歌を聞かれているとは思っていなかったので、やってきた君を見てとってもびっくりして、……、それから、とっても恥ずかしくなって顔を真っ赤にしてしまいました)

「あの、大丈夫、ですか?」

 頭だけで大地の上に転がっている私の顔を見て、とっても驚きながら君は言いました。(とっても心配そうな顔をしていました。心配させてしまってごめんなさいって私は思いました)

「はい。大丈夫です。私はロボットですから。へいきです」

 にっこりと笑って頭だけの私は、青色の中で私を見ている君を見ながら、なるべく元気な声で、君にそう言いました。

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