歯医者にて
歯が痛くなってしまった。
夜勤中で痛くなってしまい、翌朝夜勤明けに医院に向かった。
出来たばかりの医院で、キレイで9時から20時まで開院している予約の取りやすいと評判の医院だ。
いざ、診察台へ。
腰掛ける時に、足元にアイツが居た。
空気清浄機さんである。
夜勤明け、足元、空気清浄機のセンサー。
汗だくの下着、靴下の生乾き臭がうっすら漂っている気がしているのに、足元にセンサー。
私が座ってから、10秒くらい経ってから臭いセンサーが真っ赤になり、カチッと言った後猛烈にうなり出した。
ブウーン。
医者がどうしましたか?と言ったが、うなるあいつが気になり、返答をしながらチラチラ見る。
ここですか?
ブウーン。
ああ、ここですね。
ブウーン。
ブウーン。
歯を削るガリガリ。
チュイーン。
水を出す、吸い込む。シャー、ズオオ。
ああ、削られている間に、アイツは緑の正常運転でそこに居た。
良かったー。正常なくらいに清浄になったのか。
医者が起きてください、と声をかける。
口をすすぐ。異常なし。緑色。
ありがとうございました。お大事に。
足を動かしたとたん、アイツがオレンジ色でフオオと言い出した。
早く退散しなくては、またブウーンになる。
そそくさと診察室を後にして、待合室に人が居ない一角に行く。
ああ、やはり臭いかな、誰か来ませんように。
早く立ち去り、シャワーしたい。
受付にもアイツが居た。
もはや、恐怖。
またもや、料金支払いでオレンジ色にさせて退散した。
夜勤明けでは行くまい、と心に誓った出来事だった。
後日、同僚にアイツは空気が動くと反応すると言われたが、普通の状態で通院したら、一瞬オレンジになったが、真っ赤にはならなかった。
同僚、優しい。そして、夜勤明けのシャワーしていない私は臭かった、という事実が判明した。
臭い患者ですみませんでした。