第五話 今日もがんばるぞー!
(るんるん♪いい感じに天使ポイントが貯まってる♪この調子この調子♪)
廻琉が出社した後の部屋で一人上機嫌な志保であったが、やたら天使ポイントがだったことを喜んでいる様子であった。
「んふふ♪今日の予定はー、まずは部屋の掃除かなー。夕方になったらスーパーでセールやってるから買い出しに行って夕飯を作りましょう♪それまでは、なにしようかなー♪さ、今日もがんばるぞー!」
一人の部屋で上機嫌に跳ね回る志保であった。
今日も今日とて出社する。これまでは死ぬほど憂鬱であったが、今日はそんな気はしない。前までは帰ったら適当に飯食って寝てすぐ起きるの繰り返しだったが、今日からは帰ったらメイドさんがいるのだ。こんなにもうれしいことはない!最初は急に押しかけてきてビビったけどもう今となってはどうでもいい。帰る楽しみができたのだから!
「おっはよーごっざいまーす!!!」
今日も元気に挨拶だ!
やっぱりみんなの目は死んでいる。でも、僕はちがーう!なんたって家にh(以下略)
「あ、天宮くん!おはよう!やけに上機嫌だね。」
そんな、上機嫌な僕にしっかり挨拶をかえしてくれる人がいた。
そう三鶴城 千里さんだ。彼女は今日も僕に挨拶を返してくれた。しかも、彼女自身の仕事をしながらだ。本当にすごい人だと思う。
「え、わかっちゃいます?」
「わかるよー、だってあからさまに声のトーンが違うんだもん!」
「えー、そうですかー?」
そんな会話をしつつ、今日も仕事をしていくのであった。
「んー、おわったー!」
仕事がやっとで片付いた。午後10時過ぎ、11時になろうとしている時間であった。今日も今日とて当たり前のように残業であった。だが、そこまで憂鬱でもなかった。だって家に帰ったr(以下略)しかも!今日は金曜日!明日は休日だ!ヒャッホー!
「んー、天宮くんお疲れ様。こっちも終わったよ。休日出勤もしなくてよさそう。」
流石の千里さんも疲れが見えてるな。
「ねぇ天宮くん。この後、予定ある?よければ、」
「あ!すみません!ちょっと今日は帰らなければいけない予定があるので、失礼します!」
普段は帰りたくなんてないのだが、今日は帰りたい気持ちが強い。ここまで帰りたい気持ちが強いのは初めてかもしれない。
「あ!ちょっと!」
もしかしたらなんかの誘いだったのかな?いや、ないな。昨日も飲んだのに今日もなんて、そんなの僕のこと好きって思ってるみたいなもんじゃないか。そんなことあるはずないだろ!早く帰ろう!
そうして帰路につくのであった。
一方、千里はというと、、、
「うぇぇぇん!!!ふられちゃっだよぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」
そう、女友達に泣き喚いていたのだった。
「なんがぁ゛、ぎらわれ゛るこ゛とし゛たか゛なぁ゛ぁ゛ぁ゛!?!?ねえぇ、み゛か゛ぁ゛ぁ゛!!!」
「いや、ちょっと静かにしてよ。流石にうるさい。迷惑だよ。」
女友達の名前は守屋 美華。千里ちさととは大学時代の親友である。社会人になってもこうして時折り一緒に飲みにいくことがあった。
「いやさぁ、この前まではぁいい感じだと思ったんだよぉ。でも、なんか今日はなんか、なんかなんかぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
「いや、うるさいよ。でも、確かに妙ね。んー、まぁちょっと恥ずかしかったとかじゃない?千里ってかわいいしさ。」
「そうかなぁ、、、」
「そうだよきっと。でも、なんで天宮くんのことそんなに好きなのよ?別にそんなかっこいいわけでもないでしょ?」
「え!?べ、べべべ、別に、す、好きっていうわけでも、な、ないんだけどぉ?」
「わかりやす。あの人、別にそんな仕事できるわけでもないでしょうに。」
「んー。てか、なんでみかちゃんが天宮くんのこと知ってるの?会ったことあるの?写真とか見せたことあったっけ?」
「そ、それは、、、そ、そうよ!あなたを会社前で待ってる時に見かけたことあるのよ!」
「ふーん」
そんな会話をしていた千里と美華であった。だが、二人とも廻琉が誘いに乗ってこないのはたしかにおかしいと思っていた。
「ん、もしかして!彼女できたとか!?」
「えええええええええええ!!!!!!」
「しーっ!!うるさい!」
「ご、ごめん。でもなんで急に?てか、昨日いないっていってたもん!」
そう言いながら酒を飲み進める。
「いや、別に可能性の一つなだけよ。ただ、調べてみる価値はありそうね。彼の言葉が本当とは限らないもの。あなた、彼の家知ってるの?」
「んー?いや、しらないー。」
「まぁ、そうよね。知ってたらこんなことならないもんね。」
「なぁにぃ?わたしが意気地なしだって言いたいのぉ?」
かなりの酒を飲み、酔いが回ってきた千里ちさとであった。
「もぉ!あんた酔いすぎよ!今日はもうこの辺で解散しましょう。また、後で相談に乗るわ!」
「えぇ?まだまだよぉぉ!」
そんな千里を介抱しつつ、会計を済ませタクシーで送る美華であった。
(天宮廻琉、わたしの千里を泣かせたら容赦しないからね。)
そう考えつつ、二人は無事自宅に帰るのであった。
-つづく-