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プロローグ(?)

あらすじを詳しくしたような物。

第1話のスタートが唐突なものになりそうなので、補助としてかいてます。

 「精心力(アルカナ)とは何か。規則性(ルール)はあるのか。」そんなことを研究していた人物がいた。

 その人物によると、アルカナを一言で表すなら「汎用的な概念エネルギー」になるそう。彼はこう結論付けた。現代科学で扱うエネルギーといえば熱・音・光・運動、これらのエネルギーすべてに変化し得るのがアルカナであると。また変換に際して、関わったものの「意志」に少なからず影響を受けるものだと。

 薫衣(くぬい)研究室へのインタビューより抜粋

 2000年代入りたての頃にこれらの研究結果は発表されていた。しかし体内や大気中に少しあるだけのよくわからないエネルギーに人類は目を向けることなく歩み続けた。




 2006年 世界各所で精心力(アルカナ)が大量に噴き出る災害が発生。

 前代未聞の事態に人々は住み慣れた街を捨て、避難せざるを得なかった。

 噴出口付近には仄かに輝く青白い水晶が生成され、<荒レ狂ウ飢餓(スタヴェシアス)>と命名された化け物が跋扈(ばっこ)するようになった。

 彼らは自らの喪失感を満たすため他者に内包された精心力(アルカナ)を求める。

 当然人間もその対象になった。

 噴出口近辺から溢れだした彼らに住処を追われ、抵抗した者から喰われた。たとえ銃弾が肉にめり込んでも、自分の倍ほどある車両と衝突しても彼らは止まらない、ただおのが欲求だけに従い他者を捕食し続ける。この事態に人類は人口の約半分を失うと同時に生活する土地も半分かそれ以上失った。

 後に「循環崩壊」と呼ばれる出来事である。




 2007年に入り各地で発生したスタヴェシアスとの戦争も落ち着きを見せた。

 両陣営の戦線は膠着状態になった。否、多大な犠牲を払ってなんとか人類が耐えきった。

 人類が地表のほとんどの覇権を握っていた時代(せかい)が終わりを迎え、精心力(アルカナ)をより使いこなせるものが生き残る時代(せかい)になった。

精心力(アルカナ)」と名付けられたエネルギーから目をそらし続けてきた人類も、焦点をあて理解を深めなければ生きていけない状況に追い込まれた。

 彼の研究はそのあとも続いたため、エネルギー資源としての活用方法や生物に与える影響がいくつも発見されていた。

 おかげで奴らへの反撃に希望が見えた。



 それもつかの間、カナダとアメリカの国境があった森林にて、森の木々では隠し切れないほど巨大な鹿らしき影が確認された。循環崩壊後、その森林は原因不明の霧に包まれ、それ以降例の陰を調査することは叶わなかった。

 しかし噴出口が出現した森で目撃されたため他地域でもいるのでは、と懸念され始める。

 懸念は現実となり、常軌を逸した生物が次々と確認された。ハワイから少し南の海に50m近いジンベイザメ、ユーラシア大陸北東部に冷気を吐くトラなど、到底人類が勝てるとは思えない猛者たちだ。

 もし彼らが人類に牙を向けてくれば、今度こそ絶滅の一途を辿るだろう、観測を担当した人々はもちろん、報告を聞いた上層部の人間にはそれが容易に想像できた。




 混乱を極めたこの時代でもかろうじて見出すことのできた希望、そんな希望も強大で圧倒的な存在を前に消え失せてしまう・・・はずだった。

 まるで強者の出現に呼応するように世界中で驚異的な身体能力を発揮する者が現れ始めたのだ。

 人類が圧倒的だった時代しか知らずとも逆境に抗う本能は太古から受け継がれている。

 噴出口から湧き出る精心力(アルカナ)の恩恵を受けるのは何もスタヴェシアスだけではない。生きる意志・負けない意志があるならば、その心にアルカナは答えてくれる。

 風前の灯は消えることなく、吹き荒れる風をも利用して再び燃え上がった。




 2040年現在、人類滅亡の歴史をたどることなく以前より安定した拮抗状態を構築している。

 最も大きな精心噴出口7つだけから精心力が噴き出ているわけではなく世界各地に小規模のものがいくつもできているため、スタヴェシアス自体は広い地域で発生してしまう。比較的被害の少なかった日本でも国内にいくつか立ち入り禁止区域ができた。

 そんな日本を内外ともにスタヴェシアスの脅威から国民を守る「国衛隊」に所属する方藤藍<カタフジラン>。

 彼が何を見て・聞いて・知って、どう感じるか。それを綴るのがこの物語である。


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