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私の生きる理由
いつもの昼下がり、様々な花が咲き乱れるその丘で、私は今日も君の話に耳を傾ける。私にとって最も幸せな時間だ。君の話し方、君の横顔、君の声。そのすべてが愛おしい。
君は物知りで、私の素朴な質問にも嫌な顔ひとつせず丁寧に教えてくれる。つい夢中になって話しすぎちゃって、恥ずかしそうにしているところもかわいい。つい言葉にしてしまいそうになる。
ふと、風が私たちの間を通り過ぎる。私たちの真上に存在する大きな木の葉がこすれ、心地いい音を奏でる。色とりどりの花たちも踊り始める。花びらが宙を舞い、私たちにも踊らないかと誘っているように感じられた。そんな景色を見て、君と私は目を見合わせて笑う。
そんな世界中どこを探してもここにしかないような幸せな日々。
私は、君さえいれば良かった。君だけが私の生きる理由。
そして
この何もかも変わってしまった残酷な世界で、今日も私が戦う理由。
「コードネーム”白ユリ”。出動します。」