【脱出】その2
前回までのABF!
ゲームを開始すると牢屋だった…
あらすじおわり
「何で牢屋ぁ!?確かゲーム開始は初心者用の街からじゃなかったかなぁ!?」
そうやって混乱している所に出てくるウィンドウ。
[咎人ユニークシナリオ【脱出劇】開始]
このシナリオはチュートリアルクエストも含まれています。
「ああ、なるほど。咎人用のストーリーがあるのね。加えてチュートリアルでもある、と」
そこまで読むとまた新しいウィンドウが表示される。
[チュートリアルクエストはHPがゼロになってもデスペナルティがありません]
[高難易度のクエストです]
チュートリアルはデスペナルティ、通称デスペナがない、と。OK理解した。ただし!
「高難易度、テメーは何だ…?」
チュートリアルが高難易度って、あってはならないと思うんだけどなぁ。どういうこっちゃ!
でも、まあ仕方ないし。
[開始します]
やるとしますか。
開始してからすぐ、謎の人物がやってきた。
「やっと見つけましたよ兄貴!」
「兄貴?」
「ありゃ、オレんこと忘れちまったんですかい?アンタの舎弟の[石燕]ですよぉ!」
石燕と名乗る男は懐から細い棒を出し、鍵穴に突っ込んだ。ピッキングというやつだ。
「すいません兄貴、オレを庇ってもらって」
石燕は、俺がここにいる経緯を話し始めた。
曰く、俺たちはスラムの治安なんかを守る組織の一員で、スラムを守るためなら何でもやるような組織らしい。それこそ守るためなら人を殺したりもするようで、その一つの暗殺ミッションで石燕がヘマした所を俺が庇って王城に投獄された、とのこと。
「兄貴のおかげで助かったんです。その恩に報いるために組織で偉くなって、こうして助けにきたんです」
「フッ、男らしくなったじゃねぇか」
「あざっす、へへへ」
こうしたロールプレイもこのゲームの醍醐味ということで、少し乗ってみた。
すると鍵穴からカチャっと音がした。
石燕は牢屋の扉を開ける。
「それとすみません。ここの警備が思っていたより厳重でして…。アイテムを用意できませんでした。ここからは別行動になります」
「わかった。まあ、感を取り戻すウォーミングアップと考えよう」
「流石、変わってませんねぇアニキは」
石燕はうんうん頷いていた。
「さてアニキ…」
そして脱出に関する情報を教えてもらった。
1、ここは地下3階
2、見張りをしている騎士に見つからない
3、地上1階の庭に出るとクリア
大まかにいえばこの3つだ。
「兄貴、健闘を祈ってます」
そういった石燕は霧のようになり消えた。
「さて、頑張るぞい」