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第一話 化けた狼

連日投稿しているマモンです。見ている方はありがとうございます!底辺投稿者ですが、頑張って書いていきます。

感想などをコメント欄に書いていただけると幸いです。

「ううう。くらくらするなぁ。」

石城は呟いた。やがて意識がはっきりしてくると、自分がベットで横になっていることに気が付いた。起き上がると備え付けのスピーカーから声が聞こえた。

「この度は人狼ゲームに参加していただきありがとうございます。詳しい話は一階ホールでお話ししますので、エレベーターから移動してください。」

「それよりも!あなたは誰ですか?」

「そうですね・・・。それも後でお話しします。」

「はあ。」

面倒だな。今から帰れないだろうか。そう思いながらホールに行くと、すでに皆が長机の前の椅子に座っていた。ローマ字で「Kaito Ishijo」と金文字で書かれている黒いネームプレートが置かれている椅子に座った。

再びホール中にさっきの声が響き渡る。

「この度は人狼ゲームに参加して頂きありがとうございます。まあ、長ったらしい説明は後にして・・・。皆様首をながくして待たれていたと思いますので、早速役職を決めさせていただきます。目の前にタブレット端末があるので皆様お持ちください。」

「目の前のこれか。」

山本はいやいやタブレットを持った。

「なんか・・・。薄暗いわね。不気味・・・。」

家田も辺りを見回し、呟いた。

「えー。皆様心の準備はよろしいでしょうか?お持ちの端末に役職が表示されます。それでは・・・。オープン!・・・・・・。皆様役職は確認いたしましたか?」

「なるほど。」

石城は画面を見ながら言った。

「ほー。」

大下も息を吐きだしながら呟いた。

「皆様。役職の確認が済んだようですので、最初の夜がきました。皆様はそのまま動かないようにしてください。」

そういわれた瞬間、金縛りにあったように指一本動かせなくなった。顔は端末を見たままにされた。

「今宵の月はとてもとても綺麗ですね。それでは、人狼の方々は誰が仲間なのか画面に表示されるのでご確認ください。また、最初の夜は人狼の襲撃はありません。それでは、占い師の方は端末の方からお選びください。・・・・・・。ありがとうございます。-------------すべての役職の行動が終了いたしました。さあ、夜が明けます。皆様ここから動いても結構です。この中に人間に化けた狼がいますのでお気を付けを。それでは残酷で愉快なゲームの始まりだ!」

「おお・・・。こんな感じなんだ・・・。」

堀田は感嘆の声を漏らした。

「思ってたよりもちゃんとしているね。」

石城も同意した。

「ようこそ!人狼ゲームの世界へ!」

先ほどとは打って変わった声がスピーカーから聞こえた。

「僕はグレー、グレーかゲームマスタって言ってね!早速ゲームを始めようか!さっき合成音声である程度のチェックは済んだし、ルールは知ってるだろうから説明は省かせてもらうよ。今回配られた役職は、『市民』『人狼』『狂信者』『占い師』『霊能者』『狩人』『怪盗』『パン屋』だね。それじゃあ、ゲームをはじm」

「ちょ!ちょっと待って!」

小田が叫ぶ。

「ゲームマスター。役職は何人配分されたんだ?」

大下は聞いた。

「そうだね!だって言ってないもん。」

「それじゃあルールと違うだろ!」

岩倉は噛み付いた。

「ああ。そうそう!言い忘れてたね!僕の追加ルール!役職に何人いるかは分からないよ!」

「そんなルール、馬鹿げてる!」

山本は文句を言い始める。

「そうだ!そうだ!」

皆が一堂に批判をした。

「うるさいな!ゲームマスターに逆らうな!ルールに従え!」

「でも・・・!」

といった声も無視してゲームマスターは続ける。

「そもそも役職の人数は必ず出さないといけないの?」

「そ、それは・・・。」

山本は口ごもる。

「ゲームの決定権は僕自身にあるんだ!文句を言うな!」

「えええ・・・。」

林田はそう言ったが、塚本は

「いいじゃないですか!乗ってあげましょう!」

と話す。

「そうだな。」

カークランドも同意した。

「では。会議時間は5分!皆さん会議を始めてください!」


美味しいパンが焼きあがりました

画面にそう表示された。


「しかし、役職に何人いるのかわからないとなるとかなり面倒くさいな。」

カークランドが話し始めた。

「そうだね。取り敢えず一つ一つ絞っていかないといけないね。誰かカミングアウトする人いる?」

石城もそう返す。

「ふふふ。誰もカミングアウトしないなら私が先陣を切るとしよう!私は占い師!私は占い師なのよおおおおおおおお!」

家田は立ち上がって叫んだ。

「なんで二回言ったんだ?」

塚本は真顔で聞く。

「いやー。どこかの動画にでも影響されたんじゃないかな~。あはははは。」

小田は顔を引きつらせながらそう言った。

「それで、家田さんとやらは誰を占ったんだい?」

大蔵は聞いた。

「私は小田さんを占ったわ。結果は白!」

「ありがとう!」

小田は喜んだ。

「家田さんと小田さんは白と。」

大下は覚えるように呟いた。

「俺も占い師だ。」

山本は大声で皆に言った。

「山本さんは誰を占ったの?」

石城が聞く。

「大下さんを占った。白だった。」

「なんで俺を?」

「人狼ゲームをやっていたとさっき言ってたからだ。」

「なるほどね。ちなみに俺は市民だからよろしく。」

大下は手を挙げながらそう言った。

「今のところ4人が白か黒がついている。他の人h」

石城が話を進めていると、

「ていうかなんで石城さんが進行しているの?」

カークランドが突っかかった。

「誰かが切り出さないと始まらないと思ったからですよ。」

「ふーん。じゃああなたは何の役職なの?」

「ただの市民ですよ。」

「怪しい。」

反論に次ぐ反論で言い合いになっていた。

「確かに石城は確実にあぶりだそうとしている。怪しいとみて当然だな。けど、誰かが進行役を務めないと進まないのも事実だ。今は石城を責めるときではないんじゃないか?」

「石城を庇った・・・。そういう大下さんも白と出たけど狂信者なんじゃないの?」

カークランドは疑惑の目を大下に向ける。

「なんでそうなった・・・。当たり前のこと言っただけなのに・・・。」

大下は呆れた。

「今ちょっとカークランドさんが怪しく感じるな。」

塚本は言った。

「でも、ただの市民が進行役になるのはおかしいよ。そしてそれを庇う大下も怪しい。」

カークランドは少し声が大きくなって話す。

「パン屋に進行してほしいかな。でも、初手でパン屋が出てこないから仕方ないか。」

林田はそう呟く。

「今のところ、後から名乗りをあげた山本さんが怪しいかな。」

そういうのは大蔵だ。

「え?なんでだ?おじさん。」

山本は大蔵を訝しんだ。

「占い師の後に占い師を名乗るのはリスクがあると思うんだ。占い師がもう一人出てくると狩人は守り切れないし、占い結果を変えることだって可能だ。後出し占い師は人狼か狂信者だと見ていい。だから山本さんは人狼か狂信者・・・。」

「なかなかやるねえ。おじいさん。」

家田はお爺さんをほめる。

「そ、そういえば、い、い、家田さんが小田さんをう、う、う、占った理由をき、聞いていませんね。」

小倉がどもりながら聞く。

「単純だよ。最初の夜ははっきり言って運ゲーですから、黒が出ればいいなぁ~って思って適当に選んだだけ!」

家田は軽く答えた。

「しかし、最初に名乗りをあげた家田も怪しく見える。」

カークランドも話に乱入してきた。

「リスクはあるけどあり得るね。疑えば疑うほどみんなが人狼に見える・・・。」

林田はそういう。

「で、結局誰を処刑するんだ!?」

小田は残り時間を見て驚きながら言った。

「あー、もうなんかこんがらがってきた・・・。」

と岩倉。

「これはもう各自の判断に任せるしかないね。」

石城はそう言った。

「話に参加していない人も怪しいですし・・・。」

小倉は興奮しているようでどもっていない。

「とりあえず怪しい人は絞れたな。」

大下は最後の3秒で言う。


「時間になりましたよ。皆さんお口チャックですよ。疑わしい人物をタブレットから一名選んで投票してくださいな。---------一斉に表を見てみましょう。」


ジョリーン=カークランド

4票


山本カツヤ

4票


石城カイト

3票


岩倉ユウスケ

1票


「ジョリーン=カークランドさんと山本カツヤさんが同じ票数となったため、会議時間を2分設けます。会議スタート。」


「・・・。なんで私になの?」

カークランドはみんなを睨みつける。

「どうしても時間稼ぎにしか見えなかったし、喋り過ぎだなって思ったから。」

林田はあっさり言う。

「カークランドさん。素直に山本さんを疑えばよかったな。」

塚本は冷たい顔で話した。

「言っておくけど、私は人狼じゃないからね。」

大声で皆に言った。

「確かに、今怪しいのは二人でカークランドと山本だからな。」

大下は話を整理しながら言った。

「これで決まったも同然・・・。」

石城は納得した表情だ。

「いや、山本さんは人狼ではないと俺が証明できます。」

堀田は立ち上がった。

「どういうことだ?」

大下は真剣な顔で聞く。

「俺は怪盗なんだ。それで俺は山本さんから占い師を奪った。だから本当の占い師。」

「じゃあ、山本さんは白ということだね。」

岩倉は堀田を見つめた。

「なら、カークランドさんを処刑するほかなさそう。」

石城はカークランドに向き直り、言い放った。

「待って!私は市民だから!山本さんが占い師だとわかってたのに何でさっきの会議で庇わなかったの!?」

カークランドは最後の足搔きを始めた。

「あなたには言う必要はないの。市民陣営のために死んで頂戴。」

堀田は鋭い目つきでカークランドに言った。

「ここで山本さんを残した方が得策なの。あなたを失っても損害は少ない。」

家田も冷たく言った。

「違う・・・違う・・・!私は市民陣営d・・・。」


「はい。しゅうりょー。酷いね~、醜いね~。決まったようなものだけど投票しようか。」


ジョリーン=カークランド11票

山本カツヤ1票


「ということでカークランドさんに決定!死んだ人はゲームから強制退場してもらうよ!さあ、これで会議は終了!後、リアル人狼ゲームだから時間の進みも現実世界と同じだよ!だから夜まで食堂でご飯を食べるのもよし、部屋でリラックスするもよし。自由に過ごしていて構わないよ。でも、ルールは守ってね・・・。というか規制してるから。じゃあ、自分の部屋に戻ってね。そして・・・。この中にまだ人間に化けた狼がいることをお忘れなく・・・。それじゃあ!また明日!まあ、もう会えない人もいると思うけどね!」

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