表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
指輪転生  作者: ナーロッパ大使館員
一章 ピアルノー氏の蒐集品
21/40

ピアルノー氏の弟子I


 最初、真黒(まっくろ)な布が()り下げられている様に見えた。

 さながら、透明の(フック)()()けられて頂点(ちょうてん)から 末広(すえひろ)がりに()れ下がり、見ようによっては寝具(ベッド)天蓋(てんがい)に似ていた。

 応接室(おうせつしつ)の天井に届かないまでも、スヴェンセンの身長を(はる)かに上回る高さがある。


 「こいつは……何だ?」


 エリオンが言葉を()らすと、その(つぶや)きに反応するが(ごと)く、()()()の表面に波紋(はもん)が広がる。

 次の瞬間、目にも止まらぬ勢いで何かが射出(しゃしゅつ)された。


 (はら)(ひび)振動(しんどう)衝撃音(しょうげきおん)

 彼が避ける間もなく、スヴェンセンが長剣を振るって、エリオンに届く前にそれを叩き落とした。


 「エリオン、逃げろ!」


 スヴェンセンがそう叫ぶとエリオンは反射的に彼女の方を向き、その姿を見た。

 同時に、その全身鎧(ぜんしんよろい)のあちこちに(へこ)みと()れがある事を改めて見て取る。

 スヴェンセン自身も(すで)満身創痍(まんしんそうい)といって差支(さしつか)えない状態だった。


 「それは看過(かんか)できない」


 何処(どこ)からか声が聞こえたかと思うと、黒い物体から新芽(しんめ)の様な突起(とっき)がプツプツと(しょう)じ、(またた)()に成長して人間の胴体(どうたい)(ほど)の太さの、強靭(きょうじん)触手(しょくしゅ)()った。

 のたくる蟒蛇(うわばみ)を思わす、不気味な触腕(しょくわん)次々(つぎつぎ)()()がり、先ほどまでは(なめ)らかな布の様だったその質感も、漆黒(しっこく)硝子(ガラス)(かたまり)に変化している。

 その表面に浮き上がった、ギザギザの背鰭(せびれ)

 蛮族(ばんぞく)が振るう打製(だせい)石斧(いしおの)のような粗野(そや)鋭利(えいり)な無数の(やいば)が、動きに合わせてキラキラと室内の灯りを反射していた。


 叔父が話していた多頭竜(ヒュドラ)という東方の怪物は、こんな姿をしているのだろうか。


 エリオンが朦朧(もうろう)としながらそんなことを考えると同時に、黒い触腕が一斉(いっせい)(はな)たれた。



 ◇◇◇



 荒れ狂う触腕の群れ。 

 その動きに合わせて、無数の破壊音が嵐の様に室内を暴れ回った。

 丁度品(ちょうどひん)は破壊され、床と壁は()ぎ飛ばされ、(つい)燈明(とうみょう)も吹き飛ばされると、室内は闇に落とされる。

 動きが止む頃には、スヴェンセンが剣で触腕をいなす音も聞こえなくなっていた。



 ◇◇◇



 暗闇の中、破壊された壁材(へきざい)瓦礫(がれき)から立ち上る砂煙(すなけむり)()かれ、まともに目を開くこともできない。

 エリオンは息を(ひそ)めながら、()つん()いで応接室の出口に向かって進んで行った。

 扉に()()たると彼は手探りで把手(とって)()()し、力一杯(ちからいっぱい)押し開けた。 が、何かの力で押さえ付けられているのかびくとも動かない。

 退路(たいろ)()たれた。


 「動くな」


 背後から、何者かがエリオンに話しかけた。

 彼が振り向き、(うっす)らと目を開けて相手を見ると、徐々(じょじょ)視界(しかい)が闇に()れ、少し離れた場所に声の主の(シルエット)が浮かび上がった。


 「私に何をした?」


 影がエリオンに(たず)ねる。 それ(まで)とは打って変わって、丁寧(ていねい)さの欠片(かけら)も感じられない口調(くちょう)

 エリオンは答えず、顔を動かさずに全神経を集中して周囲の様子を探っていた。

 相手もエリオンを観察しているのか、何もして来ない。


 その時、部屋の何処(どこ)かで(うめ)き声が聞こえた。


 スヴェンセン。


 空気が動き、(にぶ)い音がする。 そして、(あか)りが(とも)された。


 黒い触腕(しょくわん)がスヴェンセンの胴と(くび)(から)み、その身体を持ち上げている。

 床から伸びる触腕の根元(ねもと)に、男が立っていた。


 「質問に答えろ」


 「何のことだ?」


 エリオンがそう訊き返すと、ウィル・オーデンは頭を(かたむ)けて自分の首を(さす)った。 そこに一点、切り傷がある。


 「首を刺しただろう。 どうやって傷を付けた?」


 「質問の意味が分からないな。 何を知りたいんだ?」


 ウィル・オーデンはエリオンを凝視(ぎょうし)したまま、スヴェンセンに絡んだ触腕を()()げた。


 「ぁあッ!……ぅ……」

 彼女が苦しげな呻き声を上げる。


 「()めろ! ……やめてくれ」


 「答えろ。 次は無い」


 誤魔化(ごまか)すべきか? いや、()(はら)()えられない……


 「これを使った」


 ウィル・オーデンから見えるよう、左手中指から魔道具を外し、(てのひら)に乗せた。

 すると、彼の背後から黒い触腕がエリオンに向かって()び、その手から(さえず)りの(すず)を拾い上げる。

 その時、触腕がエリオンの掌に触れた。 ヒヤリとした、無機的(むきてき)硬質(こうしつ)な感触。


 「これは何だ?」

 触腕に囀りの鈴を持たせたまま、まじまじと(すが)めながらウィル・オーデンが尋ねた。


 「魔道具だ。 嘘を検知することができる」


 「どうやって使う?」


 「……指に()めて、その先端(せんたん)を自身に刺す。 その状態で会話をすると相手が嘘をついた時、使用者は痛みを受ける。 それで相手が嘘をついた事が(わか)る」


 「いいや、嘘をつくな」

 触腕が再度、意識不詳(いしきふしょう)のスヴェンセンを締め上げる。

 「次は無いと言った(はず)だ」

 苦悶(くもん)(うめ)き声。


 「嘘じゃない! お前を傷付けたのはもう一つのやり方だ。

 自分に刺すか対象に刺すかで、二通(ふたとお)りの使い方があるんだ」

 

 「……いいや、嘘だな。 エリオン・アンダマンは魔法使いどころか魔術士ですらない。

 大した(ちから)を持たない者は分相応(ぶんそうおう)()()()()魔道具しか使用することが出来ない」


 (なぜその事を……?)

 この、思いもしないウィル・オーデンの発言に内心動揺(どうよう)しながらも、エリオンは平然(へいぜん)と言い返した。

 「私は魔術士だ」


 「……確かに、嘘ではなかった」


 ウィル・オーデンが片手を上げてエリオンに(しめ)す。

 指に嵌められた囀りの鈴がその掌に食い込んで、彼自身の血を(すす)っていた。

 同時に、スヴェンセンの拘束(こうそく)(ゆる)んだ。


 「興味深い。 魔法の力を(ほとん)ど消費しない魔道具か。

 ピアルノーから()()()()のか?」


 「違う。 (ゆず)り受けた品だ」


 「……なるほど」


 その時エリオンの死角(しかく)から突如(とつじょ)として触腕が襲いかかり、彼の脚を巻き上げた。

 (ちゅう)に吊られ、(すべ)もなく(さか)さにされたエリオンはそのままウィル・オーデンのもとに運ばれていく。


 「(あらが)うな。 二つ目の使い方とやらを試すだけだ」


 「こんなやり方が……それがお前の本性(ほんしょう)か? ピアルノー叔父上を裏切ってまで、何をしたいんだ?」


 「説明したところで理解出来まい」


 ウィル・オーデンは無表情に、囀りの鈴をエリオンに刺した。


 「エリオン・アンダマン。 何をしにここに来た? その目的を教えろ」



 ◆◆◆

 


 遺言(ゆいごん)。 補佐役(ほさやく)。 証人(しょうにん)。 

 男……アーロン・アンダマンが(ほのお)に巻かれ、叫んでいる。

 寝室…… リアンノン・アンダマンが椅子に座って項垂(うなだ)れている。

 ネコとレナート……治療師、秘薬、解呪(かいじゅ)の魔道具。


 ピアルノー・アンダマン……鍵と空の小箱。



 ◆◆◆



 囀りの鈴がその身に突き立てられようとする前、エリオンは胸元の縫い目を力任せに引きちぎり、そこから一枚の便箋(びんせん)を取り出していた。

 (ほの)かな緑色に()んだ、植物紙製の便箋を。

 今、苦痛に(もだ)えるエリオン・アンダマンの手から離れたそれが、燃え上がりながらウィル・オーデンに向かって落ちていった。


 燃える紙片(しへん)を目にした途端(とたん)、敵は恐怖の悲鳴を上げながら身を引き、触腕(しょくわん)諸共(もろとも)応接室の壁に背をぶつけて、そのまま(しり)もちをついた。

 それと同時に明かりが消え、室内は再び夜闇に(つつ)まれる。


 解き放たれエリオンは地面に叩きつけられるも、何とか体勢(たいせい)を立て直し、ウィル・オーデンに相対(あいたい)した。

 視界の(すみ)でスヴェンセンが解放されたことを確認しつつ周囲を探ると、すぐ(そば)()(りん)を見つける。

 手に取って激しく()()()らした。


 「無駄なことを!」


 その時点で便箋はとっくに燃え尽きていた。

 恐慌(きょうこう)から立ち直ったウィル・オーデンが、その足下(あしもと)から無数の触腕(しょくわん)具現(ぐげん)()させ、即座(そくざ)にエリオンに迫る。

 黒い(かたまり)が彼に(おお)(かぶ)さるその瞬間、応接室の扉が爆風(ばくふう)によってこじ開けられた。

 ウィル・オーデンは轟音(ごうおん)と共に吹き飛ばされ、(いきお)いそのまま窓を突き破ってエリオンの視界から消えていった。



 ◇◇◇



 (助かったのか……?)


 エリオンは顔を上げ、ウィル・オーデンが落ちていった窓の跡を呆然(ぼうぜん)と眺めていたが、すぐに気を取り直してスヴェンセンの元に向かう。

 倒れたスヴェンセンに声を掛けながら、慎重に彼女の状況を(あらた)めた。


 呼吸はある。 特注品(とくちゅうひん)(よろい)はボロボロで打撲(だぼく)裂傷(れっしょう)もあるが、大量出血(たいりょうしゅっけつ)致命的(ちめいてき)な外傷は見られない。


 「ヴェン! おい、起きろ!」


 「……無事で……なにより」


 意識がある。 エリオンは安堵(あんど)で泣きそうになるのを、どうにか押さえて言った。


 「あぁ、お互いにな……」


 とそこで、破壊された扉の向こうから声が聴こえた。

 エリオンが足音のする方、扉のあった場所に顔を向けると、背の高い人物の影が濛々(もうもう)(ただよ)砂煙(すなけむり)()えてフラフラと応接室に入ってきた。


 「エリオン、大丈夫なの?」


 それは、アリシア・アンダマンだった。

 しかし、明かりの消えた応接室の中では()かり(にく)いが、その眼は充血(じゅうけつ)しており顔色(かおいろ)も良く無い。 酒精(アルコール)の匂いをプンプン漂わせ、足取(あしど)りも覚束(おぼつか)ない。

 彼女は明らかに悪酔(わるよ)いしていた。


 「叔母上。 これは貴女が?」


 「そうよ。 扉は開かないし、すごい音が聞こえたから……不味(まず)かったかしら」


 「いえ、助かりました。 本当に」


 「よかった……あら エリオン貴方(あなた)怪我(けが)しているわ。 いったい何があったの?」


 彼女は、ウィル・オーデンの味方なのだろうか。 

 ()(のが)れができる状況では無いと知りつつ、どこまでアリシアに話しをすべきか、エリオンには確証が持てなかった。


 「……申し訳ありませんが、話しは後ほど。 護衛(ごえい)が負傷しているんです」

 

 エリオンがスヴェンセンの方に向き直ると、その向こうの(やぶ)れた窓の外から黒い触腕(しょくわん)鎌首(かまくび)(もた)げていた。

 そいつは室内を(うかが)うかの様に、鼻面(はなづら)をエリオン達の居る方に向けてモゾモゾと動かしていた。


 あの爆風を受けてなお、生きているのか。


 「アララック! イヴォルト!」


 突然、アリシア・アンダマンが声を上げる。 すると彼女の左耳と首元(くびもと)が輝き、次の瞬間には(おお)きな影が二つ、その(かたわら)に立っていた。


 「……おイタが過ぎるわ、ウィル」


 彼女がそう(つぶや)くや(いな)や、二つの影はウィル・オーデンの触腕に向かって突進(とっしん)して行く。

 それぞれ人型と()(あし)(けもの)(かたど)った一対(いっつい)巨影(きょえい)が、(いきお)(まか)せの強襲(きょうしゅう)で触腕を打ち砕くと、それを口火(くちび)として旧代官邸の庭園を舞台に凄まじい攻防(こうぼう)()(ひろ)げられる事となった。



 ◇◇◇



 窓越(まどご)しに展開(てんかい)されるこの()ならざる光景(こうけい)、怪物達の闘いを横目(よこめ)に、エリオンはアリシアに尋ねた。


 「貴方達は一体……何者なんですか?」


 「ご覧の通り、魔法使いよ。 詳しくは後ほど話しましょ」


 そう言ってフッと微笑(ほほえ)むと、アリシアはエリオンの手を取って彼を立たせた。


 「()ずはあの子を、ウィルを捕らえないと。

 何を(たくら)んでいrn…… ヴぅぅぅぅぅぅぅゥ! ゔゥ! うぅぅぅ……

 お゛ロ゛ろ゛ォオぉえヱええ゛えぇぇぇぇえあーーーー………… ロ゛ア゛ァーーーーー!!、!、、」


 アリシア・アンダマンが突然()(かが)めて、激しく嘔吐(おうと)した。


 「えぇぇ…… うっ う 気持(ぎぼ)(あづ)い……」


 一言(ひとこと)(つぶや)いてから壁にもたれると、ズルズルと(くず)れて床に(すわ)()む。 彼女はそのまま目を(つむ)り、(うつむ)いて動かなくなってしまった。


 ……まずい。


 エリオンはまさかと思い、窓の外を見た。

 すると、アリシアの召喚した影は二つとも(うす)れて消えていく最中(さいちゅう)()った。

 敵を見失った黒い触腕は(しばら)(ちゅう)を相手に暴れていたが、(ほど)なく落ち着きを取り戻し、エリオン達のいる応接室の方に向かって移動を始める。


 まずいぞ。


 「叔母上、しっかりして下さい。 奴らが向かってきます。 もう一度魔法を使って、さあ!」


 しかしアリシア・アンダマンは返事をしない。 代わりに、(いびき)が聞こえてきた。


 万事(ばんじ)(きゅう)す。 いや、まだだ。


 スヴェンセンを()(かつ)ぎ、ノロノロと応接室の出口に向かう。 すると、応接室前の廊下に小さな影が現れた。


 小人族(ハーフリング)の女性……アリエル。 なんで今、こんなところに。


 「来ては駄目だ! アリエル、早くここから離れるんだ!」


 いつもの無邪気(むじゃき)な困り顔を浮かべながら、それでもアリエルはその場を離れず、心配そうにエリオンを待っていた。


 「どうしたんですか、若様? 応接室がこんなに()らかって……」


 「そんな事はいいから、早くここを離れるんだ。 スヴェンセンを頼む。

 衛士を呼んで……待てよ、使用人達は何をしているんだ?」


 ここでエリオンは、この異常事態に()って誰も様子を見に来ていないことに、今更(いまさら)ながら気がついた。

 応接室前の廊下に一人の衛士さえ居ないのは、それ自体が異常としか言えない。

 と()っても、今のエリオンにその原因を確かめる(すべ)は無い。


 アリエルにスヴェンセンを(たく)し、叔母を回収する為、意を決して応接室に戻る。

 すると、先程(さきほど)まで応接室に向かって来ていた、あの黒い触腕の姿(すがた)跡形(あとかた)も無く消えていた。

 窓の破損(はそん)箇所(かしょ)から下を(のぞ)いてみたが、庭園のいたる所に破壊と戦闘の痕跡(こんせき)は見られるものの、やはり触腕もウィル・オーデンも見当たらない。


 そこに広がっていたのは、郊外(こうがい)の静かな夜。

 敷地内に静寂(せいじゃく)(おとず)れ、荒れ果てた応接室にはアリシア・アンダマンの(いびき)だけが聞こえている。


 エリオンの理解を置いてけぼりにして、戦いは突如(とつじょ)として終わっていた。



 ◇◇◇



 叔母を抱え上げて応接室を離れようとした時、窓の方から音がした。

 彼が恐る恐る振り向くと、丁度(ちょうど)、破れた窓の穴を抜けて小さな影が応接室に(すべ)りこんで来るところだった。

 その人物はエリオンに気が付くと会釈(えしゃく)をし、手で(ひざ)に着いた汚れを(はら)ってから彼に挨拶をした。

 

 「只今(ただいま)戻りました、エリオン様」


 小人族の執事は、さも平常運転(へいじょううんてん)と云わんばかりに丁寧(ていねい)にお辞儀をする。

 いつもの(すず)しげな表情のまま、両手に持った曲刀(きょくとう)(あらた)め、その(やいば)に付着した()()(ぬぐ)って、胸元の(さや)(おさ)めた。


 「マリオ……まさか、君が奴を追い払ったのか?」


 「どうでしょうか。 私が相手をしたのは若い男で、黒い触手の様な奇妙(きみょう)な技を使う魔法使いです。

 残念ながら、その曲者(くせもの)は取り逃がしてしまいましたが」


 「……名実共(めいじつとも)に、君はこの地の守護者(しゅごしゃ)だな。 叔父上が(うらや)ましいよ」


 自然と表情に浮かんでしまう驚きと喜びを隠そうともせず、エリオンは老執事(マリオ)の底知れない能力に対し、表裏(うらおもて)の無い称賛(しょうさん)(おく)った。


 (マリオ)が戦闘面でも只者(ただもの)で無い事は知っているつもりだった。

 だが、あの怪物(かいぶつ)じみた魔法使いウィル・オーデンを単独(たんどく)で追い払い()るほどの実力者だとは……


 「過分(かぶん)なお言葉です。 ……ところで、そちらの御仁(ごじん)は? 私達の留守中に何かあったんですか?」


 マリオはエリオンが肩に抱えたアリシアを見ながら、吐瀉物(としゃぶつ)の臭いに気付いて顔を(しか)めた。


 何かあった、か……本当に、今日一日で、一体何があったのだろうか。

 いま考えてみても整理が付かず、彼等にどう説明したら良いものか、よく分からない。


 「どうだろう。 まあ、思っていた以上に長い一日だったよ。

 ……ともあれ、お帰り マリオ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ