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自治会費

毎日午前２時掲載

自治会費　その１

まずは、大事なことからはなしておく。

この大事なことは、大きな声では言えないこと！

これから話すことは、絶対に人に話してはならない。ここにいる限られた者たちの間の秘密。

実は、俺自身も、「この秘密」についてすべてを知っているというわけではない。それどころか、ほんのちょっぴり、俺もその秘密に、触れているだけ。

俺は得体の知れない仕組みの「末端」の存在な訳（わけ）で、どんなに聴かれても、俺の知っていることしか話せない。

もったいぶってもしょうがない。その秘密を話してしまうことにする。その秘密とは、

「どうやら、この世界はひとつではない」

つまり、そういうこと！

すごい秘密なんだけど、俺は「末端」だから、俺に話せることはこれくらいしかない。

「この世界がひとつではない」

つまり、どういう意味かというと、俺が言いたいことは、「この世」「あの世」と二つの世界がある。そういう話は、いわゆる坊主たちがよくするが、そういうことじゃない。俺は、「あの世」のことを話すつもりは全くない。俺の話していることは「この世」のことだ。

とにかく、これ以上いろいろ聴いて俺を困らせないでくれ。俺は、この秘密にかんしては、「末端」に位置する者の関わりしかないのだから。

分かってもらえたかな？　何のことかというと、

要するに、「この世」には、最低でもふたつ世界が存在するということ！

「この世」には、「俺たちが今いる世界」とその他に「俺たちが今いる世界とそっくりだが別の世界」が存在するということだ。

「俺たちが今いる世界とそっくりだが別の世界」それは、確かに存在する！

これについては、「末端」の俺でもはっきりと断言することが出来る。

というのも、俺は、「俺たちが今いる世界」と「俺たちが今いる世界とそっくりの環境だが別の世界」という二つの世界を頻繁に行き来しているからだ。