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黄昏の剣と盾  作者: イ尹口欠


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41/42

41.vsオーガキング

 二日後、私たちは遂に第六階層への階段を発見しました。

 喜び勇んでのぼると、そこには大きな両開きの扉が。


「ボスかな?」


「ボスですね」


「ボスだよねー」


 遂に大陸中心部の塔、その最後のフロアとなりました。

 最後はボスで締めくくるのがダンジョンの作法。


 私たちは扉の前で休息をとって、アイテムやスキルの確認をし、扉を開けました。


 そこには巨大な椅子に座った、オーガがひとり。

 今までのオーガとは違って、ふたまわりは巨体です。


 巨大なオーガはかたわらの戦斧を取ると、椅子から立ち上がりました。


《オーガキング レベル120》


 おいおい、レベルが100を越えていますよ!?


 私たちは即座に準備スキルを発動して、戦闘開始に備えます。


「オオオオオオオオオッッッ!!!」


 雄叫びを上げたオーガキング。

 戦闘の開始です。



 〈隠密〉〈縮地〉〈すり足〉〈修羅〉、〈居合い〉〈バックスタブ〉〈アクセルヒット〉!!


 私は戦闘と同時にキングの背後に回って〈アクセルヒット〉を叩き込みました。

 キングのHPバーが削れます。


 よしよし、いくらレベルが100を越えていても、普通にダメージは通るし、この分なら負けることはないでしょう。


 そんな甘い考えはお見通しだと言わんばかりに、戦斧がキングの周囲を薙ぎ払います。


 ……しまった!?


 咄嗟に〈パリィ〉しましたが、私のHPは半分近く削れました。

 一撃入れたらすぐに離れないと、戦斧の薙ぎ払いが来るわけですね?


 ミナトとドラゴンの攻撃、ノドカの召喚がキングを襲いますが、戦斧を振るってミナトが大ダメージを受けてしまいます。

 すぐにノドカの〈ヒール〉で回復しましたが、キングの攻撃力の高さは尋常ではありません。


 救いは動きが遅いことでしょう。


 ヒットアンドアウェイを繰り返してHPバーを削っていくと、二本目のHPバーに突入しました。

 オーガキングの鎧の留め金が弾け飛び、ゴトンゴトン、と重そうな鎧が地面に落ちて砕け散ります。


 ……これは、まさか。


 オーガキングは戦斧を両手で握ると、ミナト目掛けて連続攻撃を仕掛けてきました。


 コイツ、動きが速くなっただと!?


 HPバーがあと何本あるか知りませんが、その度に行動パターンが変化するのなら、厄介なことになります。

 せっかくヒットアンドアウェイで安定してHPバーを削っていたのに……。


 いえ、まだまだこちらにも余力はあります。

 幸いにもノドカは一撃で倒されるほど柔ではありません。


 〈隠密〉〈縮地〉〈すり足〉〈修羅〉、〈納刀術〉〈バックスタブ〉〈アクセルヒット〉!!


 私は小太刀を鞘に収めながら〈アクセルヒット〉を背中に叩き込みました。


 ――来る。


 素早く〈縮地〉〈すり足〉でその場から離れると、キングの薙ぎ払いが私のいた位置を通過していきました。

 どうやら薙ぎ払いの速度も上昇しているようです。

 威力は分かりませんが、食らったら瀕死になるくらいは覚悟しなければなりません。


 HPバーの二本目を削り切ると、――なんとオーガアサシンたちが増援として天井から降りてくるではありませんか!


《オーガアサシン レベル95》


 しかもレベル高いし!


 アサシンを放置すればノドカがピンチなので、一旦、オーガキングを無視してアサシンの掃討に走ります。


 ミナトは〈挑発〉でキングを引きつけながら、タイマンで戦っています。

 もう少し頑張って抑えていてくださいね。


 ノドカはアサシンの存在が自分を脅かすことを十分に理解しているようで、魔法と弓でアサシンを攻撃し始めました。


 アサシンを掃討してから、オーガキングを削ると、今度は天井からオーガスナイパーが降ってきました。


《オーガスナイパー レベル95》


 遠距離攻撃はマズいです。

 ただでさえミナトがオーガキングを抑えているのに、そこに追撃が入ったりしたら?


 いくらミナトでもHPがもちませんよ!


 私とノドカはスナイパーを倒しつつ、オーガキングを削りに行きます。

 その後も増援はオーガキングのHPバーを割る度に降ってきて、おおわらわになるのでした。


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