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黄昏の剣と盾  作者: イ尹口欠


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34/42

34.大陸中央部

挿絵(By みてみん)

 結局、街という街を巡っても、大したダンジョンもなく、私たちは大陸中央の山岳地帯に挑むことにしました。


 大丈夫、レベル60に到達してスキルレベル上限が上がった今なら、なんとかなるでしょう。


 ……そう思っていた頃が、私たちにもありました。


《フロストワイバーン レベル65》


 氷のブレスを吐くワイバーンの上位種ですね。

 かろうじてミナトが倒すことができたため、狩りを続行することになりました。


 空はフロストワイバーンが制空権を握っています。

 では地上は?


《バジリスク レベル70》


《オーガバーサーカー レベル67》


 また石化かよ!

 いや石化は〈キュア・ストーン〉で120秒間の予防時間を切らさなければかかることはありません。


 問題は高い身体能力をもつオーガバーサーカーでしょう。

 コイツはミナトかと思うくらいに接近戦のプロフェッショナルで、なかなか背後を取らせてくれません。

 それどころか一撃一撃の痛いこと!


 なんとか〈パリィ〉したり回避したりしていますが、かするだけで私のHPバーはゴリっと減少するのです。


 ヤバいよ、こいつらマジで強敵。


 ……でも、なんとか倒すことができちゃうんですよねえ。


 倒せるということは、経験値が入るということで。

 経験値が入ればレベルが上がるということで。


 そうすれば、いずれはこの狩場でも苦戦せずに戦うことができるようになるのでは?

 などと甘い考えが頭を過ぎります。


 一戦一戦が死闘ですが、イベントよりも楽しいですね。


 MPが尽きるのが早いので、何度か撤退しつつ再度挑戦を繰り返します。


 MPポーションももちろん持ち込んでいるんですけどね。

 バフが切れたら危険ですし、攻撃スキルなしでは碌なダメージにならないため、どうしてもスキルを連打することになります。


 冷静に考えて、フルパーティの6人を揃えるべきなんでしょうけど、今更、私たちの間に入ってうまくやっていける人たちっていないと思うんですよね。

 女性プレイヤーがそもそも少ないですし。


 そんなわけで、三人で街と山岳地帯を往復すること数日、なんとか戦えるようになってきましたよ?


《オーガソードマスター レベル76》


《オーガバーサーカー レベル78》


《オーガシャーマン レベル70》


《バジリスク レベル75》


《フロストワイバーン レベル80》


 おいおい、運営……私たちを殺しに来てますねこれ。


 オーガソードマスターは長剣を二刀流している強敵です。

 素早いのが特徴で、背後なんて取れる気がしません。


 この段階ではフロストワイバーンを適当にいなしつつ、ミナトも地上戦に加わっています。


 何がマズいって、オーガシャーマンが魔法を撃ってくるところですかね。

 炎の魔法〈フレイム・ピラー〉……炎の柱が突然、足元から噴き上がるため、常に移動していないといけません。

 トロいので、背後が取れるのが幸いですね。


 バジリスクは相変わらず石化が危険ですが、ノドカが〈キュア・ストーン〉のレベルを上げて石化予防時間を伸ばしてくれたので、なんとかなっています。

 バジリスクは石化の邪眼さえなければこの山岳地帯では最も雑魚なので、バフさえ切れていなければ敵ではありません。


 ともかく、徐々に山岳地帯に分け入ってレベルを上げています。


 苦行ではありますが、死闘は望むところ。


 私たち三人はギリギリの戦いを楽しみつつ、レベルが上がる度に言い知れぬ快感に酔い、また奥へと進んでいくのでした。



 そんなことを何日も繰り返していたところ、次のイベントの告知が来ましたね。


 正直、アイテムを集めて交換する系統のイベントよりもこの山岳地帯での戦いが楽しいのですが……。


 しかし未だにお世話になっている胡蝶マスクなどもありますし、有益なアイテムが交換できないとも限りません。


 私たちは山岳地帯でのレベリングをしながら、新しいイベントに備えることにしました。


 相談の結果、イベントは全力で走るが、少しでも旨味がないと感じたらこの山岳地帯に戻ってこようということになりました。


 進めば進むほど敵が強くなる大陸中央部。


 きっと最奥には何か、素晴らしいものがあるに違いないと確信しています。


 期待して良いんですよね、運営さん?


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