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黄昏の剣と盾  作者: イ尹口欠


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18/42

18.vsヴァンパイア

 ダンジョン『瀟洒な館』を探索しつくして、「吸血鬼はどこにいるんだ?」とみんなで首を傾げることになってしまいました。

 これは私が隠し扉を探し損ねたと見るべきでしょうね……。


「ごめんミナト、ノドカ。もう一回、調べ直そう。〈発見〉連打するから」


「バタフーがそういうならいいけど。正直、あんまり美味しい狩場じゃなかったね……」


「ブラッドサッカーしか出てこないもんね」


 瀟洒な館はそう広くもないし、敵もブラッドサッカーの一点張り。

 そろそろダレてきた頃合いです。


 地上部分には怪しげなスペースなどなかったように思えるので、多分、地下室があるのだろうと思います。

 幾つかの部屋を探したところ、ビンゴ!

 ありましたよ、隠し階段が。


「良かった。これで何も見つからなかったら本当にダルいだけのダンジョンでしたね」


「地下室かあ。いよいよヴァンパイアとお目見えかな?」


「くふふ……お誂え向きのシチュエーションだもんね。地下に棺桶」


 いや寝ていたらビックリですけどね。

 このマップ、夜ですし。


 私たちは意気揚々と階段を降りながら、わいのわいの騒いで地下の書庫にたどり着きました。

 私が〈発見〉先生を連打すると、いくつかの本が反応したので、持ち帰って売り払うことにします。


 書庫の奥には扉があり、そこからは濃厚な気配が漂ってきています。

 ボスですね、きっと。


「多分、ヴァンパイアでしょう。少なくともボスです。ふたりとも気をつけて」


「誰に言ってるのかな。このミナト、白騎士として〈ホーリーウェポン〉と〈ホーリーアーマー〉を予めかけておくから安心して攻防、任せなさい」


「こっちも戦闘始まったらバタフーに〈ホーリーウェポン〉して、自分にも〈ホーリーセットアップ〉するから。さ、行こう」


 ふたりしてバフが被っていますが、強力な〈ホーリーウェポン〉をふたり使えるのもまた事実。

 スピーディにバフをかけ終えて攻撃に参加できるというのも、悪くないですね。


 そしてミナトが扉を派手に開け放ちます。


《ヴァンパイア・ファナティック レベル40》


 おおっと、レベル40とは本気出してきましたね運営。

 とはいえこちらは三人。

 バフもしっかりかけて応戦です。


「ギっ!!」


 あ、ミナトが硬直しました。

 これが麻痺の視線でしょうか、HPバーの上に電撃マークが点滅しています。


「いきなりだね! 〈キュア・パラライズ〉!」


「……っ、助かった!」


 私は〈隠密〉で気配を殺しますが、いきなりこちらに向けて突進してくるヴァンパイア。

 ちょ、〈隠密〉しているのに!?


 乱暴に振るわれた両腕を大きく回避します。


「おおっと、こっちに来い! 〈挑発〉!」


 ミナトの〈挑発〉、これでヴァンパイアも釘付けに……ならない!?


「あ~……ファナティックって確か狂信者? もしかして〈挑発〉とか効かないんじゃないかな、ミナト」


「え? そうなの? くそう、ならガチンコしかないなァ」


「くっ、なぜか〈隠密〉も効かないし、私も背後を取るのが難しいですね……嫌な相手です」


 そうこうしている間に、麻痺の視線が今度はノドカに襲いかかります。


「…………」


「ああっ、ミナト、麻痺解除してあげて!」


「ガッテン承知!」


 麻痺解除薬の出番が早速きましたね。

 持っておいて良かった……。


「……っはあ、ほんとに動けなくなるんだね」


「もういちいち麻痺していたら戦いにならないよ! じゃんじゃん攻撃して倒しちゃおう!」


 ミナトが〈ウォークライ〉して〈ストームアタック〉を繰り出しました。

 ヴァンパイアは後ろに飛びますが、HPバーがガッツリ削れます。

 さすがミナト、筋力の申し子。


 ヘイトがミナトに移ったのか、ヴァンパイアはミナトに向き直ります。


 チャンス!


 私は背後を取って〈バックスタブ〉〈アクセルヒット〉を叩き込んでやりました。


 さあ、このまま畳み掛けましょう!


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