1.VRMMO『黄昏の剣と盾』
不定期更新。
ライブ感重視というか普通にいま書いてるものです。
気になったら(気に入ったらではない)ブクマしてくれよな!
フタバカ。
それが私のあだ名でした。
そのあだ名が嫌で、途中から登校せずに自宅で勉強とゲームの日々でした。
それが家族会議により、中学を卒業と同時に兄の住む東京に引っ越し&居候させてもらって、高校デビューすることになったんですよ。
社会復帰だ、と思いましたね。
髪もカットに野口が四枚必要な美容院に行きまして。
ついでにカラーもガッツリ諭吉一枚使ってやってもらったらあら不思議、そこには東京のオサレ女子高生が!
……いやどこかまだイモっぽいけど。
言葉か?
方言か?
語尾に注意していれば……いやイントネーションか……もういっそ喋らなければいいか?
ノンノン!
それでは中学と変わらん。
私は高校デビューに東京まで来たんだよ!
お兄ちゃんに2LKのマンションに引っ越しさせてまでもらってだよ!?
家賃が高い分と私の生活費は両親から仕送りで追加してもらってだよ!?
お兄ちゃんには「双葉が来た方が食生活が良くなった」とか言わせてやるつもりで料理だけは習得してきてさ!?
……オラぁ田舎から出てきたンだぁ。
ああ、言葉は直そう。
標準語ってどうやったら習得できるの、同級生との会話とか?
……だからそれだと漏れるって田舎弁が!!
ああもうそんなウロボロスみたいな悪循環に心中のたうち回りながら、私は初登校日を迎えたのでありました!!
そしたらね、なんか前後の子がめっさ可愛くて性格が良くてなんか普通に馴染めてしまったわけですよ!!
あの不安の日々はなんだったのか徒労だったのだよフハハハハぁ!!
……そんなわけで、私はいま女子高生やってます。
さてそんな加賀双葉15歳、高校入学と同時にお兄ちゃんからプレゼントをもらいました。
「ゲーム大好きだろ、分かってるぜ」
それ最新のVRギアだよ、お兄ちゃん!?
今から花の女子高生になる私に、いきなりディープなオタクアイテムを、を、……。
「じゃ、いらない?」
それを捨てるなんてとんでもない!!
…………。
そうね、中身はそう簡単には変わらないんだよ。
そのとき私は、そう悟ったのさ。
で、ギアと一緒に添えられたソフトがこれ『黄昏の剣と盾』って……お兄ちゃんセンス分かってる。
妹の心、鷲掴み。
今日はハンバーグにしてやらあ、感謝の手作りゲンコツハンバーグになぁ。
てな感じの発売直後の激アツVRMMOをブッ込んで来たわけですよ、ウチのお兄ちゃんたら。
そりゃもう、家事も宿題も終わらせて速攻でダイブしましたね。
《ようこそ黄昏の大地へ》
真っ暗な世界。
シンと静まりかえったVRワールド。
遂に来たぞ『黄昏の剣と盾』よ。
私は帰ってきた、ゲームの世界へ!!
《キャラクターの外見を作成してください》
おおっと、これは東京の女子高生じゃありませんか!
ええ、私のリアルフェイスですよ。
ちょっと身長が低いのコンプレックスなんですよね。
手足も長くしてぇ……。
顔は恥ずかしいから間違ってもリアル割れしないように、入念に、入念に変形してやりませんとな。
《バタフー ?Lv1/-/-
種族 人間族 性別 女
筋力 10 器用 10 敏捷 10 感知 10
知力 10 精神 10 魔力 10 幸運 10
スキル
なし
スキルポイント3》
名前?
バタフーだよ文句あっか?
チョウチョっぽくて、フタバカより可愛いじゃん。
さてさて、なになに基本職業は六種類?
ここはソロもできる斥候一択でしょう!
能力値はもちろん器用・敏捷・感知が鉄板だろ?
分かってるってゲーマーだから幸運にも振るよ。
そしたら敏捷に補正のある蜥人族にして……。
ああっ、顔関係ねえじゃんこれ!!
スキルも取ったら、もうこれ東京の女子高生の跡形もねえな。
《バタフー 斥候Lv1/-/-
種族 蜥人族 性別 女
筋力 8 器用 11 敏捷 11+ 感知 12
知力 10 精神 8 魔力 8 幸運 12
スキル
〈隠密〉2〈バックスタブ〉1
スキルポイント0》
うひょひょ、後ろからバッサリ。
そんなスタイル。
じゃ早速、プレイしてみよ~。