『いじめはよくない』理由を再発見した現代?
(* ̄∇ ̄)ノ 奇才ノマが極論を述べる。極論だぞ。
2019年3月
内閣府が発表『中高年の引きこもり61万3000人』
そんなにいるのか、と驚いた。
引きこもりの理由は『退職』『人間関係』『病気』が多い。『病気』の中の精神的なもの、ストレス性のものからのうつ病などは、職場で気を病んだものもある。
4分の3が男性と男が多い。一方で女性の中には、家事手伝いだから引きこもりでは無いとして、引きこもりにカウントされないものも。
実質引きこもり同然を家事手伝いと誤魔化してる人を含めると、引きこもりの数は更に増えることになる。
若年層も合わせれば、引きこもり100万人時代の到来。
満40歳~満64歳を対象にした引きこもり調査では、『自室からほとんど出ない』などの4つの問いをアンケートして、そのうちいずれかに該当し、かつ6カ月以上その状態が続いているケースを広い意味での引きこもりと定義した、となっている。
世代から見ると就職氷河期を経験した40歳から44歳の3人に1人が引きこもり状態。
就職活動の厳しさが引きこもりを作る原因とも。
引きこもりの理由で多いものは、退職。
退職から次の就職活動が上手くいかず、仕事をしようという意欲が無くなるという。
いやまあ、自分が職場を退職したときを思い出すと、真面目に仕事をしようって意欲が無くなるのもよくわかる。
日本の会社って、どこか頭がおかしく無いと、勤められないところがあるし。
自分は昔、とある工場で働いていた。そこはわりと直ぐに辞めることになってしまった。
その会社では手作業の仕事が多く、パートのおばちゃんが多いところだった。そこで働いているパートさんの中には、おばあさんという感じの高齢の人がいた。
で、歳のせいもあって、そのおばあさんは他のパートさんより仕事が遅かった。ちょっと抜けてるところもあった。
他のパートさんから見れば、そのおばあさんは仕事はあまりできないのに時給が同じ、ということで不満もあったかもしれない。
そしてこのおばあさんが仕事でミスをすると、課長がこのおばあさんを蹴る。蹴ってアスファルトに転ばせる。
他のパートさんはその様子を見て、指差して笑う。課長がおばあさんを蹴り転がすことで、職場の皆さんは笑顔になり、明るく楽しく仕事ができる。
なんだ、この会社、腐ってやがる。
働いてみて、酷いところに来てしまったと後悔した。
その職場の雰囲気に馴染めず、現場を見て自分はイライラしていた。
一度、そのおばあさんに尋ねてみたことがある。
役所か労基に行ってみてはどうかと。
そのおばあさんが言うには、歳のせいもあってこのパートを辞めたら、他に勤めるところが無い。だから我慢して働くしかない。と、おばあさんは笑顔で言った。
それにどこの職場に行っても、変わりはしない、とも。
本人がそう言うのであれば自分にできることも無い。結果、毎日イライラしながら働くことになった。
それでもある日、課長がいつものようにいつもの如く、パートのおばあさんに膝蹴りを入れるのを見て、我慢の限界が来た。
「お前、何やってんだ、ああ!?」
と、つい、課長に凄んでしまった。新入りの下っ端なのに。これで私はその会社を辞めた。
仕事を続けるには、会社の雰囲気に会わせていじめを見て見ぬふりをする。これができないと社会人としては一人前になれない。
その会社で正社員として勤めるには、課長と一緒におばあさんに蹴りを入れないといけない。
これで真面目に会社勤めできる人は、皆、精神を病んでいるのではないだろうか。
大なり小なり会社の人間関係に問題というのはあるものだろう。
これまで、正社員、派遣社員、契約社員、アルバイト、と仕事をしてきたが、いじめの無い職場など日本にはまず無い。逆に、いじめが無ければ職場が回らない、とでも勘違いしてるところもあった。
上司がアルバイトの女の子のストーカーをしているところもあった。その女の子を守るように一緒に職場から帰ったりして、結果、上司に睨まれ上司の仕事のミスを押し付けられたりもした。
そんな職場で働いていて、退職となれば、意欲を出して次の仕事を探そう、ともなりにくいだろう。他人をいたぶるのが好きな人でも無いと、なかなか難しいのではなかろうか。
さて、今の日本では引きこもりは増加傾向にあり、社会問題となっている。
増え続ける引きこもりが、そのまま再就職できなければどうなるか。
80代の親に50代のひきこもりがいる世帯の困窮と孤立は『8050問題』と呼ばれている。
80歳の親の年金で、50歳の子供が暮らす家庭問題。
人は歳を取ればいずれ死ぬ。親の経済力に頼っている引きこもりは、親が亡くなったあとどうなるのか?
生活保護が受給できなければ、その先はホームレス。
または、日本の最後のセーフティネット、刑務所に頼ることになる。
刑務所であれば、屋根もあるし食事もある。風呂に入れて布団もある。刑務所を住むところと決めて、軽犯罪を繰り返し何度も刑務所を利用する人もまた、増加傾向にある。
刑務所が疑似福祉施設となっている現状。
中には、人らしい暮らしを求めてシャバより刑務所を選ぶ人もいる。
刑務所を出所した後、自転車を盗んでまた逮捕されたホームレスが、裁判で述べたセリフには、なんとも言えない気持ちになる。
お金を奪おうと思ったことはないのか? と尋ねられた男は、
『俺はカネはなくても、空き巣やひったくりをしたことは一度もない。人として嫌だ』
と、答えた。
生活保護では、かばいきれないところを、刑務所が担っているのが、今の日本の現状でもある。
話を引きこもりへと戻そう。
親の収入に頼る引きこもり。
その多くが低年金、無年金で、親がいなくなれば困窮することになる。
これは数十万人の生活保護受給者が現れる可能性があるということ。そうなれば社会保障財政を強く圧迫することになる。
一方でこれは、社会から排斥されたいじめられっ子の、社会への復讐なのかもしれない、と自分は考える。
数十万人規模の生活保護。これを賄うには増税が必要だろう。
そして生活保護を支給できなければ、ホームレスが増え、軽犯罪者が増え、刑務所はパンクする。
これはいじめを容認する社会への、遠回りな反撃のようにも思える。
いじめは楽しくてやめられない。楽しくいじめを続けられるなら増税してもいい。
と、言う人はあまりいないと思うのだが、かつての社会を担う一人一人の行為の結果が、今の時代を作っているのであれば。
増税に困窮し、若者は貧しくなり、自殺者が増え、人手不足に困り、ホームレスが増え、軽犯罪者が増え、刑務所は満員となり、治安が悪化する。
だから、いじめはよくない、と、今の時代を見て思う。