表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

怖い

作者: 犀星ゆき

変な空元気が一番怖い。

なんか目先の空虚な元気が一番怖い。

尻の筋肉をぴくぴくと痙攣させてそれを誤魔化してる。

発狂してる人を見ると安心する。

頭おかしいって愛されてる人はもっと安心する。

怖い。

だれか俺を殴ってくれ。

そうしたら対抗する。

痛みに、加えられる危害に、俺は防衛本能を稼働させるだろう。

例えば正面から来る右ストレートを躱して、華麗にカウンターを決めるだろう。格闘技の経験なんてない俺の目論見はもちろん軌道の予測も拳の自己制御もデタラメだから、相手の拳は俺のほぼ首に近い肩を思い切り掠め、鈍く痛むだろう。

それと同時に俺のカウンターも飛び出している。

本当のカウンターというのは、合わせに行くものだから限りなくゼロに近い差だが、ワンテンポ実際には遅れているものだ。だからこそカウンターなのだから。

けれど、俺のはカウンターを狙いに行きすぎていて、初めからカウンターパンチのイメージありきなので、相手と同じか、もしくは先に手が出てる。

だから、実際には頑張って相手のパンチを避けようとしながら自分もパンチをなんとか打ったというような不格好にもほどがあるパンチだろう。

そういうパンチを打つ。

相手とは決着は付かない。

そもそも、相手が殴りつけてきたから応対したが、これは格闘技だろうか。

俺がそれを望めば格闘技になるだろう。

だって、これは俺の妄想の世界なのだ。


まず、落ち着いて考えよう。


あまり格闘技はしたくない。


わけじゃないけど、なんだろう。


主体的な行動が必要な時だ。


執筆は僕にとってかなり自分の気持ちとか、膿とかを吐き出せているような気がする。


でも、時々怖くなるんだ。こういう詩が他人から見るとてんで訳の分からない文章だろうということは俺だって知ってるんだ。


だから、人に分かりやすい文章を書いている時ってイコール自分の言葉は相手に届く確率が高いということだから、安心するのだ。


けど、こういうめちゃめちゃな文章というのは、意図して書いている時はいいのだが、なぜか手が止まらずにそういう文章を書いてしまう時はおかしくなってしまったのでははないかと怖くなる。


元気が怖いという話だけど、俺は多少落ち込んでいたりする時の方が普通の状態だなって思うのだ。


なんだろうな…らしくないというと、また話がこじれるのだが、まさしく自分が普段取らないような心理状態の時の不安とでもいうのか…。


怖くないか?


いつも同じなはずがない。わかってる。


けど、みんなネガティブと言われてるような感情や心理状態をあまりに吐露しようとしない。


そういう態度や感情は隠そうと隠そうとする。


だから、みんな孤独感を感じるし、こういう気持ちを抱えた時の発散方法もわからないし、同じ人を見つけにくくて疎外感を深めていく。


だから、僕は露悪な人が好きだし、そういう人にめちゃめちゃ安心する。


僕が使ってる露悪というのは、世間一般でよく使われる風な意味合いとは少しニュアンスにズレがあるのは知っているけれど。


ねえ、君の不安定な感情をもっと世の中に吐き出してくれないか。


知ってるんだからな。金太郎飴になりたいのになり切れない君の心の疲弊と呪いとを。


お前が吐かないと、町は綺麗なままだ。


しかし、それではダメだ。


君も僕も、いや、僕は行かないが。断じて。そして、君が手を握って引いてくれていたなら。誓って。


話を戻そう。


それは、町の綺麗を優先するということだから。それじゃダメだ。君は町の汚れになる前に消えてしまうだろう。


身を隠してしまうだろう。埋まってしまうだろう。僕はそれじゃ悲しいな。


ところで、僕は腐った匂いや饐えた匂いがわりとどうして、嫌いじゃない。


その感覚が、おかしいとかおかしくないとかはこの際どうでもいい。少なくとも俺という一人はそうなんだ。


だから、そうするとみんなから不可視化されるとか、無視されるとか、嫌がられるとか、そういうことはあるだろうけど、俺を安心させることと、楽しませることが出来るぞ。


それはつまり、吐瀉物の強烈な臭いが充満したからだ。


みんなは眉をひそめて、避けて通るだろう。


けど、その強烈な匂いはそよ風に吹かれ、遠く離れた同類の鼻腔にそっとこびり付くだろう。


それは、どんなアロマの香りよりも安心する血の匂いだ。


僕も君も、その時初めて空元気なんかじゃない、「生きる」ことと、「元気な感情」の発生の逆転した空虚な状態じゃない、本当の意味での元気に繋がると思うし、僕はそれを今そうだと思った。


こんな文章を読む人は少ないし、だって君の知る通り吐瀉物はほとんどの人に避けて通られるのだから。


それに君も君だぜ。君、読者ってやつをロクにしないだろう。

俺もだからな。それは分かるよ。読みにくいよな。集中力が無くなったりして。だって、それは多分ほとんどが君にとってあまり重要ではない文章だからだ。


俺は俺にとって重要な物事以外は本当に頭に入らない。


じゃあ何が俺にとって重要な文章なのかっていうと、頭にすっと入ってくる文章こそがそれなんだ。


それは単に、文体が平易という意味ではもちろんない。


だから、ここまで言えば分かると思うけど、ここまで君がこの文章を読めたということは、君はこの文章を必要としていたということだ。俺基準ではそうなる。


ピンとこない…?

その場合、単に物好きなのだろう。


読んでくれたことに感謝する。


では、また!明日だ。僕はこの「またね」とか、「明日ね」といっても、明日突然姿を消してしまう少女を知っているから、 あまり使いたくない。


さよならは言わない。なぜなら、当然また会えるからだ。


俺が書くからな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ