After the Episode. Prishing and Beginning and……
――何故、こんなにも捻じれてしまったのだろう……?
意識へと一方的に流れ込む凄惨な光景。紅蓮の炎に飲み込まれていく遥かな故郷。
君の思いも、君と過ごした思い出さえも飲み込み全てが灰と化していく。
空を覆いつくす黒煙を突き破り、殲滅艦の放った集積光が街を蹂躙して行く。その後を追うように立ち上がる巨大な火柱。広がった衝撃波が、形ある全ての物を薙ぎ払う。
響き渡る悲痛な叫び。
目の前では傷だらけの少年が、瀕死の妹の傷を必死で抑え叫び声を上げていた。だが、その声はそこかしこで響き渡る銃声や爆発音にかき消され、誰にも届かない。
少女の傷口から溢れ出る血は意思を持ったかの如く広がり続け、顔から赤みが消えていく。あまりにあっけなく失われ行く幼い命。きっと彼等はこの戦争の切っ掛けが何であったのかさえ知りはしないだろう。
自分には彼等を助ける事も、この光景から目を逸らす事すらも出来ない。自分は肉体を持たない傍観者にすぎないのだから。
少年の顔が深い絶望に歪んでいく。
「嫌だよ…… こんなの嫌だ!」
それでも少年は、血と涙でぐしゃぐしゃになった顔をさらに歪め、叫び続けていた。
――何故、こんなにも捻じれてしまったのだろうか……?
互いに人であるが故に争いは避けられない。そんな予感があった。
けど、互いに人であるが故に、分かりあえると君は信じた。
――それでも、これが結果だというのか。
なぁ、愛、答えてくれ。君が目指した世界は……