表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

3 第二の工程に入る

 前回のようなことをしなくても、パターン化されたトリックのストックを活用すれば作れると思うが、それでも、簡単には作れないのがミステリーである。


 ここで、ミステリーの工程の全体を考えた時、これはこういう流れになっている。


  ①トリックの真相を思いつく(錯誤点Aを決める)

  ②トリックを実現するように、諸要素を配置。(シチュエーションづくり)

  ③ロジックを設定。(手がかりの配置)

  ④つじつまの合う出来事を追加。


 ①は、どうにか終わったところだと思う。


 例えば「わたしは殺人現場の窓の閂は、本当はかかっていなかったって真相にしますよ」と、あなたは考えたとしよう。


 ところが、かかっていなかった閂を、どうやってかかっているように見せかけたのか(錯覚させたのか)。これが②の段階である。

 シチュエーションづくりに使えるものは「人、もの、空間、時間、情報・概念」の全てだ。


 もっとも簡単な着想としては「犯人は第一発見者で、死体を発見した時のどさくさにまぎれて窓の閂をかけた」というものである。これは「人」を活用した場合だ。

 この②の段階が、思ったよりも苦戦すると思われる。


 「人」についてさらに詳しく書けば、犯人だけでなく、被害者、第一発見者などを利用する場合も多い。この時には「狂言、誤解、正当防衛」などが行動の動機となることが多い。これは、ホワイダニット(動機)の問題になってくる。それについてはいずれ記そう。


 「もの」については「動くもの、変化するもの、特殊なもの」を活用すると良い。車輪は動くもの、氷などは変化するもの、テープレコーダーは特殊なものである。

 「空間」は、距離などである。あるいは重力とかも入るのかもしれない。

 「時間」は一番重要なのは犯行推定時刻というものである。科学的に死亡推定時刻を狂わせるトリックもあるだろう。


 後は、トリックだけでなく、ハプニングも手数に入れれば、さらにミステリーは作りやすくなる。ミステリーでは、トリックと同じぐらいハプニングの要素も入ってくるものなのだ。犯人が失敗したり、偶然が重なって、結果こうなったというやつである。


 ミステリーの要素は、トリック、ロジックだけと思われがちだが、ハプニングも実はかなりからんでくる。むしろ、偶然やハプニングがからんでこない物語。完全犯罪をそのまま描いていて、完全にトリックが成功してしまっているミステリーは平面的という気がする。


①トリック

②ロジック

③ハプニング

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ