簡単、だと……!?
「今日は、種まきをやってもらうぞ」
「はあ」
今日は、だと?明日もあるのか?明日もムチに打たれるのか?
少なくとも今日はムチで打たないという言質を取っている。信用はできんが。明日の事はその時にでも考えよう。
「ここに一日ハーブの種がある。この種を、昨日耕した土に撒くのだ」
「うぃっす」
一日ハーブの種とやらが入った袋を手渡された。もちろん俺は、ヘマしてムチに打たれないために素直に従う。クッソ、ジジイに逆らえないのが悔しい。
――――
一日ハーブの種《種》
その名の通り一日で育つハーブの種。イベント専用アイテム。
――――
イベント専用って、このジジイがイベント用のNPCかよ。
「試しにわしが手本を見せてやろう」
ジジイが袋の中に入っている種と同じ緑色の細長い種を手に持ち、地面に差し込んだ。
「以上じゃ。このようにして昨日耕した範囲全てに種を撒くのじゃ。さて、やってみよ」
「わ、わかりました」
思ったより簡単過ぎやしないか?
まず袋から緑色の一日ハーブの種を取り出す。続いて、地面にぶっさす。以上。
「うむ、そのような感じじゃ」
あらやだ、簡単過ぎて怖い。




