2.大至急
アクセス数ゼロ……?
なんだこの日記。
父さん…
今日更新二回もしてるのに。
「あ、見るな守理。」
「今言うな!」
俺の名前か。
え、転生?
死んだっけ?俺。
「よく喋るなー。」
「あー、うー。」
誤魔化してる訳じゃない。
上手く発語が出来ないときと出来る時が幼少期にはあるみたいだ。
「あら、藻ノ家の子供よ、当たり前よ。」
母さん。
「よく考えろよ、結婚相手はな、守理。」
え?
いや今名前連呼すんなよ、というよりえ?
今、なんか焦った。
まずいだろ。
俺は魔王って奴の標的で……そんな風に日常を進めていいのか?
良くないだろ。
「うー、あー。あー」
俺は諦めない。
絶対に訳を聞いてから、よく話して、名前も聞き出し、どんな名前でも覚えて、そして。
元の身体に返して貰うんだ。
遠い先の未来で構わない。
「……守理?」
「おー。」
「うん、そうよ。」
何が正しいっていうんだろう。
とにかく、方針を決めよう。
目標は魔王に会うことだ。
そのためにすることは……強くなること。
でも目立って良いのか?
魔王に途中からバレるかどうかは?
俺が出会うために頑張っていると、また何らかの力を使い俺の元に来るかも知れない、寧ろ来るだろう。
そのときの身体は?
は!
俺の元の身体だ!
俺は神経を研ぎ澄ましてみる。
居ない。
ここにいる藻ノ 守理以外に、俺は居ない。
それははっきりしている。
なら、死体として処理されているのでは?
ほら?
よくゲームとか漫画とかである、ヴァーチャルリアリティやってたら特殊能力で死ぬ奴。
あ!
やべ、火葬場に運ばれる!
俺の、身体!
あ!
家族泣いてる!
「と、父さん、幽体離脱、教えて?」
「うん、つまりはな、一番印象的な風景を思い浮かべて、そこに飛ぶイメージだ。」
「すき。」
飛んだ。
俺は何も思い出さなかったけど、小さい頃に見た東京の花畑の写真を思い浮かべたら、俺は藻ノ 守理の姿で二重に存在して居た。
つまり、現時点で俺は三人。
元の、
あ、待って!
名前故人名簿に書くの待って!!
幽体離脱までは良かった。
幽体というくらいだし生霊だろう。
お、好きな場所に飛べる。
なら、火葬場!
大至急!!