13.気分屋
第一試合といっても野球部のだ。うかうかしては居られない。
と思ったらサッカー部は五年生にならないと試合に出られないらしく、俺は簡潔に言って暇な下っ端時代を過ごしていた。
「藻ノ。」
「あ、はい先生。」
なんだ?
「俺、結婚するかも。」
ん?
「近々二次元の女の子がやって来て…」
なんだこの妄言吐く教師は。
俺は24歳だったが、同じ年だろ。
なんだこいつ。
「いや、訳を話そう、違うんだ。実は、6年前、いや7年前に24歳で死んだらしい男が居て、そいつが頭良くてさ、会社でも実績打ち立ててて、なんか、教師になって悪いなって思ったんだ。」
あ、それ俺。
「俺はサッカー部の方の顧問だけど…」
それからは練習の日々だった。
五年生になり、試合に出させてもらったが、とても上手くプレイ出来た他には、仲間が1人も出来なかった。
「本当に子供だな……」
俺は藻ノ 守理として星条 星奈を好きになったが、それが何だろう。
早吹 一志は死んだからか?
これは心からの想いか?
俺は、一部分で欠けたりはしない。
上出来だ。
俺は十分強い。
12歳になった。
「…えっと。6年生の藻ノ 守理です。テスト用紙の受け取りに来ました。」




