8話 謝罪&冒険者登録
どうも、新です。
ブックマークしてくれた人が少しですが増えました。
それだけでも嬉しいですね!
今回は結構長くなりました。文章おかしかったらすいません。
説明回?っぽくなりました。設定ガバガバじゃねーか……と思われるかもしれません。
それでは、どうぞ
最初に気づいたのはオーゼンだった。
(……ん~? 出入り口に子供が立ってるね)
前方に目を向ける。
(依頼者かな……? まぁいいや、今は逃げるのが優先。
横を通り抜けさせてもらうとしようかな)
オーゼンは少年の左側を通り抜けようとし、
後ろからどれくらいの距離まであの二人が近づいて
来ているか、その確認をするために振り返ろうとして
――――ふと少年の右手に目がいった。
「……ん?」
(あれは……紋様? こんな子供でも偽紋を持つ時代になったんだ)
一瞬思考する。だが、その隙に接近されていた。
先に辿り着いたのはバーキィだった。
バーキィはにやりと口角を上げ
「つかまえたァ……!」
オーゼンの腕をガッシリと捕まえ、獰猛な笑みを浮かべそう言った。
「げっ……しまった」
「なァにが「げっ」だっ! もう逃がさねェぞ!」
「くっ……! この……!」
オーゼンは必死に体を揺らして抵抗するが、バーキィの膂力の前には
ビクともしない。
「この距離ならいくらお前でも避けられないよなァ?」
そう言いながらバーキィは左腕の筋肉を膨張させていく。
「歯ァ食いしばれェ!」
大きく振りかぶって拳を握り、オーゼンの顏に放とうと
した瞬間―――ガッ―――と手首を掴まれる。
「やめとけ馬鹿垂れ」
バーキィの後ろから中年男性が出てくる。
「旦那ァ! 止めないでくれよ!? 一発くらい殴らないと気が済まないんだよォ!」
「熱くなりすぎだバーキィ。横を見てみろ」
「……横ォ?」
バーキィはスッと横を見る。
「……誰もいねェじゃねェか!」
そう吼えると
「馬鹿垂れ。下を見ろ下を」
そう言うとバコッとバーキィの後頭部を殴りつける。
「ったぁ!? いてぇって旦那ァ! ……下?」
バーキィは目線を下げた。
するとそこには全身黒ずくめの、少年が立っていた。
震えた体でこちらを見上げこう喋った。
「ど、どうも……こ、こんにちわ~……」
これが悠斗とこの三人が出会った瞬間であった。
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悠斗達はギルドの奥にある、長テーブルの席に座っていた。
左にバーキィ。真ん中に悠斗。右にオーゼンが座り、旦那と呼ばれていた男性は悠斗の対面の方へ座っている。
バーキィは悠斗の方へ顏を向けて
「まァ……なんだァ坊主。……怖がらせちまって悪かったなァ」
バーキィは少しシュンとした顔をでそう言った。
「い、いえ! 大丈夫です!」
悠斗は驚き、慌ててそう返す。
「こいつ顏怖いもんねー」
オーゼンはケタケタ笑いながらそう悠斗に言った。
「だァれの顏が怖いだとォ!? もっかい言ってみやがれ!」
「だーかーらー、バーキィの顏が怖いって言ってるんだよ」
「てめぇ!!」
バーキィが憤慨して席を立つ。
「やめんか馬鹿垂れ」
迫力のある声でそう制止したのは旦那と呼ばれていて男性だ。
「すぐキレるのがお前の悪い癖だ。バーキィよ。後オーゼン。これもいつも言ってるが、バーキィをいちいち挑発するのをやめんか」
「ですがね……バーキィの顏が怖いのは事実ですよ? さっきも少しからかっただけですし……」
「からかうのもやめろ。だが、普通の者から見ると恐怖の対象になるな」
「ぐぬぬ……! ハァ………」
バーキィはそう唸ると、溜息を吐きションボリとした。
(リアルにぐぬぬなんて言う人いるんだ……)
悠斗はそう思うと、バーキィのイメージが少し変わった。
謝ってきた時も驚いたが、意外と見た目に反して常識はあるのかな?と思った。
「さて、少年よ。ギルドに来たということはなにか用件があってのことでいいのかな?」
旦那と言われた男性はそう悠斗に聞いてきた。
「あぁ、すまんね、自己紹介がまだだった。私はこのギルドで長をしている。グロウズと言うものだ」
悠斗はグロウズに自己紹介されると
「えっと、僕は悠斗といいます。よろしくお願いします」
そう言うと軽くお辞儀をした。
(珍しく礼儀が正しい子だな。好感が持てる。こんな子がギルドになんのようだ?)
悠斗に対してグロウズはそう評価した。
「俺はバーキィ!誇り高き獅子族だ!」
「僕はオーゼンよろしくね」
両脇に座っていた二人も自己紹介をする。
「はい、よろしくお願いします。それでですね」
悠斗は話始めた。
門での出来事を簡単に説明し、ギルドにきた理由を。
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「かァ~……なるほどなァ」
「確かに、手っ取り早く身分証が欲しいならギルドで登録が一番早いね」
「うむ。ハルトは身分証がほしいためギルドに登録しに来たのだな?」
三人がそう喋ると悠斗は
「はい、冒険者として登録をしに来たのはいいんですが、その……さっきのお二人の喧嘩を見て固まってしまった……」
「重ね重ねすまんかったなァ。ハルト」
「うん、ごめんね? ハルト君」
二人は謝罪してくれた。
「いいんですよ、僕には被害がなかったので。けど、イスが飛んできたときはびっくりしたなぁ~」
悠斗は苦笑しながらそう言うと
「すまん! すまん!」
「大丈夫? 怪我しなかった?」
二人がそう言いながら悠斗に ずいっ と近づいた。
「だ、大丈夫です! この通りピンピンしてますから!」
「確かに。怪我はなさそうだね」
「けどイスに当たらなくてよかったなァ」
「いえ、直撃しましたよ。 (盾にだけど)」
「「……えっ?」」
二人はそう言ってから固まった。
「二人とも、そろそろお喋りはそれくらいにしろ」
「あ、あァ」
「そう、ですね」
二人は直撃した時のことを問い詰めたかったが、話を切り上げた。
「それで、登録なのだが。あっちのカウンターでしてもらう、一人でいけるか? 受付には担当の者、受付嬢がいるが……」
グロウズは顏をカウンターの方に向けてそう言う。
「担当者がいるなら大丈夫です。その人に教えてもらえばいいんですよね?」
「そうだ。なら早く登録してくるといい」
「はい」
悠斗はそう返事をすると席を立ち、カウンターへ足を向けた。
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「なァ、あの子供……ハルトの事、お前はどう思った?」
「……僕は普通の礼儀正しい子って印象だったけど?」
「そうじゃねェよ。イスが直撃したって言ってただろ? なのにピンピンしてやがる」
「確かに言ってたけど……。信じられないね、直撃したなんて。きっと僕らの喧嘩を見て動揺してたんじゃない?」
(けど、偽紋持ちだったし、それでどうにかしたのかな?)
オーゼンはそう考えた。
(まぁバーキィには教えないでおこう。また騒がれたらグロウズさんに怒られるしね)
「けどなァ……」
そこに迫力ある声が加わる。
「二人とも、他人の詮索はするものじゃないぞ」
「けど旦那ァ、気になるじゃないですか。旦那は気にならないんで?」
「僕は別に詮索してないですよ」
二人はそう答える
「気にならないと言うと嘘になるが、それでもだ。あまり詮索はするな」
グロウズにそう注意された二人は
「……へーい」
「だから僕は詮索してないって……」
バーキィは少し不貞腐れてそう返事をした。
オーゼンはなにやらブツブツ言っていたがグロウズは無視してこう呟いた。
「……あの子供は、何かとてつもないものを秘めている……」
(オーゼンは気づいていたみたいだが、ハルトは偽紋を持っていた。ただの子供ではない、そんな気がしてならんな……)
その呟きは二人には聞こえなかった。
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「すいませーん、ここで冒険者として登録させてもらえると聞いたんですがー」
悠斗は受付カウンターの奥に少し大きな声でそう言った。
「はいはーい。今行きますよー」
奥から女性の声が聞こえてきた。
「ごめんねー、今登録用の紙持っていくから~」
綺麗な女性だった。その受付嬢は一枚の紙を持って受付カウンターに来た。
「ってあれ? 子供じゃない。大丈夫? 冒険者って危険な仕事だよ? それでもなるの? 今からでも遅くないよ? お家に帰る?」
受付嬢の容姿に見惚れていたのも束の間。
悠斗に向かって受付嬢はそう捲し立てた。
「い、いえ、帰りません」
帰る家はない。
「危険な仕事なのは百も承知です、冒険者登録おねがいします!」
バーキィのようなものがいるのだ。危険があって当然だろう。
「ふーん……覚悟はあるみたいね。ちょっと試しただけよ、規則なの。子供がくると嫌って程確認するっていうね。まぁあなたはそこら辺の子供より賢そうだわ。合格!」
受付嬢は合格! のところでニコリとした。
「そ、そうですか。ありがとうございます?」
「どういたしまして。それじゃぁ銀貨一枚貰うわね。登録料よ、あとこの紙に必要事項書き込んでくれる?」
そう言って受付嬢はカウンターから悠斗の方向へ紙を向けて渡してきた。
悠斗はそれを受け取り、銀貨を受付嬢に渡す。
「はい……あっ」
(しまった、この世界の文字がわからない……)
「どうしたの? 文字が書けなかったりする?」
「恥ずかしながら……」
悠斗は顏を伏せながら紙を渡す。
「あはは、別にいいのよ。世間では書けない人の方が多いしね」
受付嬢はそう笑うと、悠斗から紙を受け取った。
「えっと……じゃぁ聞くね、名前は?」
「悠斗って言います」
「ハルト……ね、はいっと。次、歳は?」
「歳は15歳です」
「15歳? 子供だと思ったのに、立派な大人ねぇ」
受付嬢は少し目を見開きそう返した。この世界では15歳が成人とされているのである。
「んじゃま次行くねー。得意な武器と魔法はある? あと紋様術」
如何にもファンタジーらしい。
「と、得意な武器と魔法ですか? うーん………」
悠斗は悩む。
(武器は剣をちょっと使った程度だし、魔法なんてものもこの世界にあるのか……けど、紋様術ってなんだろう?)
「ない? ないんだったら未記入でもいいよ?」
悩んでいた悠斗に受付嬢は聞いてくる。
「とりあえず、すいません。それでお願いします」
悠斗は紋様術のことが気になったが、ひとまず横に置いておく。
「はいはい、んじゃ次はジョブね」
「ジョブ、ですか?」
(なんだろう? ゲームでよくある戦士とか魔法使いとかかな?)
悠斗がジョブと聞いて最初に浮かんだのはそれだった。
「うんそう~。例えば剣が得意なら剣士とか、魔法が得意なら魔法使いとか?あぁ、でも君は未記入だから今すぐ決めなくてもいいよ?」
(剣士、か。剣をちょっと使ったくらいで剣士と名乗るのはおこがましいよなぁ……。魔法なんてもってのほかだし)
「えっと……そのうち決まったらいいに来ます」
「はいはい~、それでよろしく。あと、ジョブを確認するための理由だけど。依頼書に例えば【剣が使える者求む】とか【魔法使える人に手伝ってほしい】とか条件があったりするんだよねー。まあジョブを指定してまで依頼する人は少ないけどね。」
「なるほど」
悠斗はそう頷き
「こっちとしてはジョブを決めてもらうと情報整理しやすいし、助言もできるかもよ?」
「わかりました、できるだけ早く決めます」
「うん、頑張ってね」
受付嬢は応援の言葉を口にし、登録用紙をカウンターの引き出しにしまった。
「それじゃぁ書くことは以上かな。んじゃちょっと待っててね」
そう言いうと受付嬢は奥に引っ込み
「はい、これを君に渡しておくわね」
すぐ戻ってきた。手に何かをぶら下げている。それを悠斗に手渡した。
「これは……?」 銅色をしたプレートを受け取った
悠斗はそう受付嬢に聞いた
「それは冒険者の身分証みたいなものかな? それがあるといろんな街での門が楽に通れるよになるわ」
なるほど。と悠斗は思った。これがエリックが言っていた身分証である。
「あと、ランクでプレートの素材が変わったり、プレートに刻まれてるマークが増えるわ」
(……ランク? ってなんだろう?)
悠斗は不思議そうな顔で受付嬢の顏を見た。
「あっごめーん。冒険者ランクのこと説明してなかったね」
受付嬢はランクについての説明を始めた。
「冒険者ランクっていうのはね~、冒険者として格っていうのかな。依頼をこなしたり、
危険な魔物を討伐したりするとランクは上がっていくのよ」
「なるほど、どんなランクに分かれてるんですか?」
悠斗はそう質問し
「んーとね、下級、中級、上級、超級って感じに分かれてるわ」
受付嬢はそう返した、
「結構少ないんですね」
悠斗は拍子抜けした。細かく分かれているんだろうか?そう思ったが
「そうでもないよ~。実は、もう少し細かく分かれててね。例えば下級は下級でも、下級三位とか下級二位とか。全部一つのランクに三つの位が入ってるんだよ~。それで冒険者の強さとか区別できたりするよ」
やはり細かいらしい。
「あと必要なことは依頼の詳しい説明なんだけど、その時になったら話すわ。 それじゃぁ君も晴れて冒険者よ! そこの依頼ボードでバリバリ依頼をこなしてね~。あ、あと私の名前教えてなかったね、私はリンっていうの。これからよろしくね、ハルト君?」
パチっとウインクされた。
悠斗は顏赤くし、俯きながら
「はい……宜しくお願いします」
と言って悠斗は小走りでグロウズたちがいるテーブルに向かっていく。
(ふふっ……。可愛い反応だわ)
リンはさっきの悠斗の反応を思い出しながら事務仕事に戻っていった。
9/17 18時頃 少し文章改善しました。オーゼンとグロウズの心理描写も追加しました。




