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紋章の勇者  作者: 新
一章 異世界
20/41

21話 宿代&お出かけ

予約投稿してなかった……。


遅くなってすいません!

それでは、どうぞ

裏道を通っていくと、宿が見えてくる。その宿のドアは開きっぱなしだった。

「女将~! 腹減ったからメシくれ!」

そんな大声が開いた宿から聞こえてくる。

「そんなにお腹すいてたんですかね?」

「多分、闘気の使いすぎだと思う。闘気って使えば使うほどお腹減るしね」

「へぇ~。僕はお腹減ってないですけどね?」

自分のお腹をさすりながら言う。

「ん? いつ闘気を使ったんだい?」

「えっと、ファザーラットとマザーラットと戦ってるときに……」

「そうなんだ。闘気は身体強化とか戦技を使うと体内から消費されるからね。体力みたいなものかな?」

「なるほど。ためになります」

(戦技ってなんだろ……)

そんな疑問を残しながら宿の中へ入っていく。


「おっせーぞ! もう女将はメシ用意してんだからお前らも座れって!」

宿に入るなりバーキィがこちらに近寄ってきて怒鳴った。

「……わかったわかった」

「……はい」

二人は近距離での大声で耳がキーンとする。

「おう! んじゃいくぞ」

ドシドシと食堂の方へ歩いていく。


「ふぅ。ごめんねハルト君。あいつが大声出して」

「いや、大丈夫です。耳鳴りも収まってきました」

二人は食堂の方へ歩き出し、バーキィが座っている席に座る。

「女将~! 二人が揃ったから早くメシー!」

大声を出して催促する。今回はあらかじめ耳を塞いでいた二人。

「そんな大声出さなくても持っていくから待ってなー!」

と返ってくる。

「バーキィ。もっと声を抑えてくれないかい? 僕たちは耳が痛いんだけど?」

「仕方ねェだろ! 腹が減ったら声が大きくなんだよ! 普通だろ!」

「いや……知らないよ」

呆れ顔になる。

「ほら、二人とも。料理が来ましたよ」

悠斗にそう言われると二人は厨房の方を見る。女将は大きいおぼんに肉や野菜らしきもの、パンなどを皿に乗せて持ってきた。

「はい、お待ちどう様。皿を分けるのはめんどうだから大皿に詰め込んだよ。おかわりもあるよ? ただし銅貨5枚貰うからね」

「おう!」

そう返事をした瞬間にもう食べ始めている。

「ハルト君……。早く食べないとまたなくなっちゃうよ……」

オーゼンも料理に手を付け始めた。

悠斗は別の事を考えていた。銅貨、という単語で一つ思い出した。

「あの、女将さん。ここの宿代っていくらですか?」

「え? ああ、そういえば坊やは宿代払ってなかったね。忘れてたよ」

笑いながらそう言う女将。そんなので大丈夫なのか? と心配する悠斗。

「おっと、宿代だったね。一泊銀貨一枚だよ。御飯代も銀貨一枚に含まれてるよ」

「そうですか」

(銀貨一枚……。この世界の相場がわからないな)

「オーゼンさんちょっといいですか?」

「ん? どうしたのハルト君?」

食べている手を止めた。

「一般的な宿って宿代いくらになってますか?」

「ん~。だいたい銀貨二~三枚ってとこだと思うよ?」

「なるほど……。教えてくれてありがとうございます」

「うん」

短く返して食事を再開する。

(銀貨一枚……ここはすごく安いな。なにか経営の上手い方法でもあるんだろうな)

女将の方に向き直って

「えっと、宿代はあとで持っていきますね」

「はいよ。んじゃあたしは後片付けをしてくるよ」

厨房の奥に歩いていった。

「さて……。僕も食べると……!?」

大皿に乗っていた料理がもう少ししかない。ほとんどバーキィが食べたようだ。

「そんな……!」

「あ、ハルト君のブンとっといたよ」

ガックリとうなだれた悠斗に救いの言葉がかけられた。

「ほんとですか!」

「うん、ハルト君が女将と会話してる間に皿取ってきて移しといたんだ」

「いつのまに……。けど、ありがとうございます」

笑顔でお礼を言って、オーゼンから皿を受け取り、食べ始める。

「それじゃ僕たちは食べ終わったから、依頼の報酬を分けるね」

そう言って腰から銀貨と銅貨を取り出し、テーブルに置く。銀貨二十一枚と銅貨五枚だ。


「おう。俺は銀貨五枚でいいや」

「じゃ僕も銀貨五枚で、残りはハルト君のだね」

「えっと、僕は……銀貨十一枚と銅貨五枚、ですか。えっ、僕のお金多くないですか?」

疑問の声をあげる。

「いいんだよ。俺たちは金くらい貯めてるから困んねェんだよ」

「そうだよ。ハルト君は冒険者になったばかりだし、お金は多くあったほうがいいからね」

「でも………」

「いいから受け取っとけ!」

「うん、そのうち御飯でも奢ってくれたらそれでいいから」

二人にそう言われた悠斗は嬉しくなって笑顔になる。


「ありがとうごさいます! お二人のご厚意、受け取りますね」

「大げさだぞ! ……んじゃ俺は部屋へ戻るぜ」

照れくさくなって逃げるように食堂をでていく。

「僕も戻るね。あと、そのお金は大事に使うこと」

そう言い残して食堂をでていく。

「ありがとうございます……」

二人がいない食堂でもう一度感謝の言葉を呟く。


~~~~~~~~~~~~~


オーゼンは部屋へ戻るため階段を上がっていく。上がりきったところでバーキィが腕を組んで立っていた。

「おう。ちょっと訊きたいことがあってな」

「珍しいね。なにを聞きたいんだい?」

「ハルトのことだ。平原でのマザーとファザーとの戦い。ありゃ紋様かなにか使って勝ったのか?」

「うーん、僕が見たのはビッグラットと戦ってるとこだけだったけど、見たところ武器を召喚する天紋(ギフト)しか使ってなかったよ? あぁでも、闘気を使ったって言ってたね」

「闘気、か。それだけで勝てるほど甘くはねェんだが……まぁいいか。【紋様闘術】をまだ教えてないから明日ハルトに教えねェとなァ」

顎を摩りながら言う。

「闘気って言葉を知ってたなら大丈夫じゃない? まぁ一応【紋様闘術】についてはバーキィが話しといてよ」

「おう。それは俺の仕事だぜ」

片腕でガッツポーズをとりながら言う。

「まぁ聞きたいことはそんだけだ。じゃあなー」

自分の部屋へ向かうため背中を向ける、そして手を振った。それを見届けてオーゼンも自分の部屋へ歩いていく。


少しして悠斗のも食べ終え、自分の部屋へと階段を上がっていく。

部屋のドアを開けるとすぐにベッドに倒れこむ。

「疲れたなぁ……。あ、宿代払ってない……明日でいいか」

半分ほど意識が落ち行く中、ポケットに入れてあったお金だけはベッドの備え付けの小机に置いた。

「あー……寝間着も買わないとなぁ。普段着もほしいなぁ。いつまでも学校制服のまんまじゃ………」

その言葉を残して悠斗は眠りに落ちた。


~~~~~~~~~~~~~~~

朝日が悠斗の部屋を照らす。二階の部屋は日が当たるくらいには高い場所にある。

「ん~……。朝か……」

目覚めた悠斗はベッドから体を起こして部屋をでていく。

「っと、そうだ。お金もっていかないとね」

でてすぐに戻り、小机に乗っていた銀貨と銅貨をポケットにいれる。

「何時くらいなんだろう。この世界って時計ないのかな? ちょっと不便だよなぁ」

ぼやきながら下へ降りていく。

「あら、またあんたは早いね」

「あ、おはようございます。あの、銀貨五枚ほど渡しとくので、これであと三日分おねがいします」

「はいよ」

そう言って銀貨を手渡す。

「それと、僕はこれから出かけるので二人が起きてきたら伝えといてください」

「あいよ。気を付けていってくるんだよ?」

「はい、ちょっと服を買いに行くだけなので。それではいってきます」

悠斗は宿を出て行った。




誤字などあれば修正します。

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