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紋章の勇者  作者: 新
一章 異世界
19/41

20話 依頼達成

俺はエリック。この街、カルンの街の門番だ。一応ビッグラットなら倒せるくらいは戦えるぜ?

まぁそれ以上の相手が来たら助けを呼ぶけどな! ……誰に自己紹介してんだろうな。

今俺は門番をしている。当たり前だな。俺の仕事だし。にしても暇だなぁ……。旅人こねぇかなぁ。

もうそろそろ夕暮れになる頃だな。

「ふわぁ……」

よく考えると俺っていつも暇してないか?

……やっぱりこんな田舎街だと門番は暇なんだろうな……。

まぁ楽な仕事だからいいけどさ。そんなことを思いながら俺はいつも通り門番をしている。

「ふわぁ~~~……」

二回目のあくび。ったく、冒険者になったほうがよかったか? でも死ぬ危険があるしな……。

やっぱ門番が俺の適正職か。

「……誰かこねぇかな」

俺はボソッと呟いた。その言葉が本当になるのはそう遅くない時だった。


~~~~~~~~~~~~~~~


「もう夕暮れか。流石にビッグラット100匹以上はきつかったね。耳の回収にも手間取ったし、その上マザーとファザーが襲ってくるとは予想外だったよ。結構時間をくったね」

歩きながらそう言った。

「だなァ。まぁあの程度の敵なら問題ないぜ!」

「君は……いや、いい。ハルト君。もうすぐ街だから歩くかい?」

悠斗に尋ねる。その悠斗というと

「そうですね。走るのは無理ですけど歩くのは問題ないです」

プイっと顏を逸らす。

走る、というとこだけ強調した。誰に向けたのかは一目瞭然だろう。

「悪かったよ。次からはちゃんと話聞いとくから! なっ?」

「……お願いしますよ?」

チラッとバーキィの方を見て言う。

「おうっ!」

その気持ちのいい返事を聞いて悠斗は苦笑してバーキィの背中から降りる。



歩きながら談笑をしていた悠斗達は声をかけられる。

「お、結構遅かったな? 遠くにでも出てたのか?」

門番のエリックだ。どうやらいつのまにか街の目の前まで歩いてきてたらしい。

「いや、30分ほど歩いたところでビッグラット狩りさ。おまけつきだけどね」

「ビッグラット? あんな雑魚狩るのにこんな時間かかったのか。それにおまけってなんだ?」

「おまけっつーのはよ、なんとマザーラットとファザーラットが襲ってきやがったんだ!」

エリックの質問にバーキィが返した。

「はぁ!? マザーとファザーって中級の魔物じゃねーか! なんで襲ってきたんだよ? 普通はこんな近くまでこねぇぞ……」

驚いて大声を出すエリック。エリックの言う普通とは、この三人には当てはまらなかったようだ。

「……ちと、【魔物寄せ】の紋様術を使ってな……」

「……まさか、いっぱいきたのか? ビッグラットが」

「おう! 100匹以上来たぜ! 全部俺たちが倒したけどな!」

ドヤ顔でそう言うバーキィ。横からオーゼンに軽く頭をはたかれる。


「馬鹿。自慢することじゃない。えっとね、エリック。さっき言ったファザーとマザーなんだけど」

バーキィの方へ向いていた顏をエリックの方へ戻す。

「ビッグラットの大群の中に子がいたようでね。子を殺されて怒ってこっちへ向かって来たんだ。それでやむなく戦闘、って感じかな」

「100匹以上も呼ぶからだ……全くバーキィはバーキィだな……」

呆れ顔になる。

「【魔物寄せ】を提案したのはオーゼンだぜ!? 俺だけが悪くない!」

「確かにそうだね。僕も悪かったよ。はい、これでこの話はおしまい。さぁ街へ入ろうか」

オーゼンは歩き出した。バーキィは軽く唸ってそれについていく。

「お、おう。一応プレート見せてもらっていいか?」

そう言われると三人はプレート取り出す。

「よし、入っていいぞー」

「それじゃあエリックさん、お仕事頑張ってください」

「ああ、またな~」

こうして悠斗達は街の中へ帰還したのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~


悠斗達は寄り道せずに真っ直ぐギルドへ向かった。依頼達成期間は特になかったが耳の数が数なだけ、早く依頼達成して討伐証明部部位をさっさと精算してもらいたかったのだ。耳がすごく重そうだ。


「腰が重いぜ~……。なんで俺がこんなに持ってんだ?」

「だって、バーキィが一番力持ちじゃないか。当たり前だよ」

「もう少しくらい持ってくれてもよォ……」

「ダメだよ。ギルドはもう少しでつくから別にいいでしょ」

「あはは、僕が持ちますよ? 少しならですけど」

「ホントかー! んじゃこんだけ持ってくれ」

そう言うと、明らかに少しではない量を悠斗に渡す。

「く、くくっ……。結構、重い、ですけど?」

「男ならそんくらい大丈夫だ! 頑張れ!」

無責任に言い放つ。

悠斗は少し持ってほしい。そんな目でオーゼンを見る。

「はぁ……。ハルト君。少し鍛えると思って頑張って」

「そんなぁ……」

歩きながらそんなやり取りをしていた。


~~~~~~~~~~~~~~~


「やっとついた……。近くなのに重い物運ぶだけで凄い時間がかかった気がしますね……」

息絶え絶え。そんな状態にまたなっている悠斗。

「うん、わかるわかる。まぁ100匹以上の討伐証明部位を持ってきたことは初めてだけでね」

「とりあえずこれをカウンターに置いて依頼達成しようぜ」

早く精算して宿に戻りたいのだろう。急かしてくるバーキィ。

「そうだね。それじゃあさっさと精算しに行こうか」

カウンターへ向かって歩き出す。


「あ、おかえりー。結構遅かったね? どれだけ駆除してきたの?」

受付はリンだった。悠斗達三人に訊いてくる。

「それはね、これを見たらわかることさ」

そう言いながら腰に付けていた袋を、手に持っていた袋をそれぞれカウンターに置く。

「どれどれ~。……えっ、これかなりの数だよね? しかも、マザーラットとファザーラットらしき耳も入ってるし……ちょっとー! エリナー! 証明部位数えるの手伝ってー!」

袋の中身を確認したリンは一人では数えきれないと思い応援を呼んだ。

「はいよー」

そんな返事をしながら現れたのは髪色は緑。ショートカットの女性だ。しかも、よく見ると耳が尖っている。エルフ族なのだろう。そのエリナはリンから渡された袋を覗いて驚く。

「わぁ……。これは確かに応援が必要なわけだわ」

「でしょ? それじゃ数えてね。よろしく~」

受付嬢二人による証明部位確認が始まった。


~~~~~~~~~~~~~~~



「えっとー。確認が終わったから言うね。ビッグラットの耳が合計152匹。マザーとファザーはそれぞれ二匹。ビッグラットの報酬は銀貨一枚と銅貨五枚だよ。端数は報酬にカウントしないから注意ね。次はファザーラットとマザーラットだけど、依頼にはなかった魔物になっちゃうんだけど、こちらで買い取るってことで、どうする?」


報酬額を言ってから三人にファザーとマザーの部位を売るか聞いてきた。

「そうだね。僕は特に素材はいらないかな」

「俺もいらねぇや」

「僕も特に」

満場一致で決定。

「それじゃ買い取らせてもらうね。買取金額はファザーとマザーの素材がそれぞれ銀貨5枚、それが二組だから銀貨二十枚だね。これとビッグラットの報酬を合わせて銀貨二十一枚と銅貨五枚……はい、渡しとくね」

そう言ってカウンターの下から銀貨と銅貨を取りだした。

それを受け取るオーゼン。

「ありがとう。あとでみんなに分けるよ」

「うん、それじゃ依頼達成ってことで。おつかれさま~」

「ありがとうございました」

お礼を言う悠斗。

「終わったなら宿へ帰ろうぜ! 腹が減ってもう我慢できねェ!」

バーキィはそんなことを言いながら出口へ走っていった。

「全く……。それじゃまたくるよ」

「はいはい~」

軽い返事をするリン。

「行こうか、ハルト君」

「はい」

出口へ歩いていく二人。その背中を微笑みながら見るリン達だった。

結構急いで書いたので誤字とか文章がヤバいと思います。


10/2 文字一部修正、追加しました。

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