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紋章の勇者  作者: 新
一章 異世界
13/41

14話 今後の相談&依頼受注

はい、今回も戦闘なかったです……

次こそ……次こそは絶対に入れます!

言い訳させてもらうと肉付けしてると……はい。

すいません。それでは、どうぞ

ギルドへの道を歩いている三人。オーゼンが話を切りだす。

「まず、そうだね。紋章の力をバレないようにする方法だけど、簡単だよ。常にその装備を出しっぱなしにするといいよ。人の目がつかないならしまう?でいいのかな? そこのところはハルト君しかわからないけど、装備を召喚するところを見られなければまぁまずバレないよ」

「常に装備を出す……ですか。まだこの力を使って一日しか経ってないんですけど、そこまでできるかはわからないんですよ……」

自信なさげな声で返す。

「……紋様術を使ったのは昨日が初めてってことかい?」

「はい……そうです……」

顏を伏せて返事をする。

(一日しか……? おかしいな、天紋(ギフト)なら生まれつき持っていたはずだから使い慣れていると思ったけど……。天紋(ギフト)じゃないのか……?)

疑問が生まれる。

「どうしました? 何かいけなかったですか……?」

真面目な顔で思考し始めたオーゼンを見て悠斗は不安になった。

(まぁ詮索はしないでおこう。グロウズさんにも言われてるし)

「……いや、大丈夫。力に慣れてないなら訓練すればいいだけだしね。それに、今のところは装備を出しっぱなしにできているし、案外いけるんじゃない? 」

「あっ……確かに。消える様子はないですね」

安心する。これなら訓練せずともいけるのではないか? と

「けど、結構目立ってるね、それ」

「えっ?」

疑問の声をあげる。今の悠斗の恰好は、剣と盾を両手に持ち歩いている状態だ。ただでさえ黒い学ランのせいで目立っている。街の住人が気にならないわけがない。さっきから通りゆく人々にチラチラと視線を向けられている。それに気づいた悠斗は

「~~~~!!?」

顏を赤くして早歩きになった。

「いやぁ、ごめんごめん。僕たちが装備を出しっぱなしにしてくれって言ったばかりに、悪目立ちしちゃってるね」

と早歩きしている悠斗の背中に謝罪する。

「……まぁいいです。後で鞘とか出せるか試さないとな……いやでも……」

後半は小声で言ったので二人には聞こえていない。悠斗はブツブツと呟き始めた。

「……で、バーキィ? 珍しく会話に入ってこないね、もしかしてまた寝てる?」

バーキィの方へ顏を向けて喋りかける。

「馬鹿野郎! 歩きながら寝れるほど器用じゃねェよ! ……そういう話はお前のが思いつくだろ? だから任せてんだよ」

少し大きな声で反論。後半は普通に答える。

「そうかい、バーキィにはしてはわかってるじゃないか」

「うるせェ」

顏をフンッと背ける。

「まぁ、色々話してたらギルドに着いたし、この話は置いて依頼探しにいこっか」

気づくと数メートル先にギルドが見えた。

「ですね。緊張するなぁ……」

「はは、最初はみんなそんなもんだよ。まぁバーキィは違ったらしいけど」

「おう! 俺は緊張なんてしなかったぜ!」

「……脳筋」

「あァ!?」

「あちゃ~……」

言い合いをしながらギルドへ入っていく。


~~~~~~~~~~~~~~~


「ほらほら二人とも、依頼探しにいきますよ!」

二人を制止する。

「ふぅ……からかうのも満足したし、いこうか」

「てんめェ……」

バーキィは不満のようだ。

「バーキィさん抑えて、依頼の事頼りにしてるんですよ? こんなとこで止まってないで依頼探しに行きましょう?」

「……まぁハルトがそういうならよォ!」

笑顔になったバーキィは依頼ボートの方へズカズカと歩いていく。

「ハルト君さ、バーキィの扱い上手くなったよね?」

「いやぁ……はは、なんとなくバーキィさんの性格がわかってきたので」

頬をポリポリ掻いて答える。

「侮れないなぁ、ハルト君は」

苦笑いをした。

「あはは……」

気まずそうに目を逸らす。

そこへバーキィが戻ってきた。

「ハルトに丁度よさそうな依頼持ってきたぜー!」

右手に紙を持っている。

「ちょっと貸して。……ふむ。確かにこれくらいが丁度いいね」

「だろ? 早速受けに行こうぜ!」

今度は受付のところへ歩き出そうとしたが

「待ちなよバーキィ。その依頼書はハルト君に渡して、自分で受注させよう」

「なんでだよ? ……あァ、ハルトは最初だからな。わかったぜ」

すぐ理解する。

「うん、いろんな事を経験すればそれだけ成長が早いしね」

バーキィは依頼書を悠斗に手渡す。

「んじゃま、行ってこいハルト」

悠斗は依頼書を受け取る。

「はい。頑張って受けてきます!」

そう意気込んで受付カウンターへ歩いていった。

「依頼受けるのにどうがんばるんだァ?」

「馬鹿、そんなツッコミはいらないよ」

後ろでなにか聞こえたが、悠斗は気にせず受付へ歩いていく。


「すいません、この依頼お願いします」

受付嬢に言う。

「はーいってあら? ハルト君ね、昨日ぶり」

その受付嬢は昨日悠斗の冒険者登録を担当したリンという女性だった。

「あ、その節はどうも」

「うんうん、今日は依頼こなしにきたの? まぁそうじゃないと受付にこないよね」

「はい、これなんですけど」

スッと依頼を渡す。

「どれどれ~。なるほど、平原のビッグラット駆除か。普通は薬草集めとかなんだけど、ハルト君は武器とか使えるの?」

「えっと、はい。剣を少しだけ」

(ビッグラットってなんだろう……。昨日襲ってきたネズミかな?)

「そっかー。なら問題ないかな? んじゃこっちで受諾しとくね~」

そう言って依頼書を奥にしまう。

「それじゃ昨日言ったように、依頼書のこと説明するね。そんな難しくないから軽く受け止めてね~」

「はい」

「じゃあ言うね。まずここに載ってる報酬なんだけど、10匹につき銅貨一枚って書いてあるよね? どうやって五匹倒したか判別するかというと、ビッグラットの両耳を持ってくるの。それで討伐した数を判断するんだよ。これが討伐証明部位ってやつね。魔物によって討伐証明部位は違うんだけど、その話はまた今度ね。ここまではわかった?」

「はい、なんとか」

問題なく頭に入ってきている。

「よし、補足ね。ここに載ってる報酬はギルドへの仲介料と街の税金を抜いた額が記載されてる。あと、期限付きの依頼は期限以内に達成できなかったら罰金だね。ちなみにこの依頼は期限がないからいつでも達成報告してくれても構わないよ。ついでにいうと下級三位相当の依頼だから罰金は銀貨一枚になるよ。」

「ははぁ、達成できるように頑張ります」

やっぱり色々決まりごとがあるんだなぁ と感心する。

「あとパーティ組んで依頼を受注するときは報酬の振り分けは各自相談してね。もめるパーティも結構でるからね」

「はい、大丈夫です」

(あの二人ならもめることはないと思う……)

「あとはランクに見合った依頼しか受けれないから、そこのとこ気をつけてね~」

「了解です」

「よろしい。じゃ待ってる二人に悪いからいっておいで~」

「ありがとうございました」

二人の方へ戻ろうと歩き出す。

「気をつけてね。怪我せず戻ってくるんだよ~」

後ろからそんな声が聞こえてきた。悠斗は後ろへひらひらと手を振る。


「おっ、戻ってきたな」

「おかえり、ハルト君。依頼どうだった?」

二人が悠斗に気づく。

「依頼受注してきました!」

笑顔で答える。

「そっか。それじゃあ早速平原にいこうか」

「おう! 悠斗のサポートは任せとけ!」

「お二人とも、お願いしますね」

三人はギルドの外へ出て行った。



次回は明日の4時くらいに投稿します。

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