13話 悠斗の力の確認
大変遅くなりました。
仕事をしていたので投稿が遅れてしまい、申し訳ございません。
今回は少し短めです。
それでは、どうぞ
悠斗は
「お二人ともは、ダメなんでしょうか? 僕にはお二人がついてきてくれるとすごく安心するんですが……」
と答える。
「……まぁハルトがそう決めたんなら文句は言わないぜ」
「そうだね。別に一人だけとは言ってないし。僕たち二人に付き添ってほしいならそれはそれで安全だね。いい判断だよ」
バーキィは笑顔で、オーゼンは微笑を浮かべているが、これは満面の笑顔を隠す時にする照れ隠しのようなものであって、本当はニコニコしたいのである。
「はい。改めて、お二人ともよろしくお願いしますね」
「おう!」
「うん、よろしくね」
席を立って三人で堅い握手をする。悠斗は嬉しくなってつい笑顔になる。
「男の友情の再確認は終わったかい~?」
ニヤニヤしながら厨房のカウンターから女将が茶化す様に訊いてきた。
「……見てたのか女将」
ジト目で女将は見る。
「そりゃぁ朝食運ぼうとしたらいきなりだったからね。つい黙ってみてたのさ」
肩をすくめてそう返す。
「……まぁいい。そんじゃ朝食食ったらギルドへ行くとするか!」
「そうだね。女将さんの朝食を食べないと朝が始まった気がしないよ」
席にちゃんと座りなおす三人。
「女将~、朝食頼むぜ~」
「はいはい、お待ちどおさま」
朝食に出たのは黒いパンとスープ、後はなにかの肉だ。
とりあえず口に入れてみた悠斗
「ん! 美味しいですね。パンはちょっと固いけど、肉とスープに合います」
「ハルト君、パンはスープに浸して食べると柔らかいよ」
「女将の料理が美味いのは当たり前だぜ!」
などと軽く喋りながら朝食を食べていく。
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「いってらっしゃい~」
女将の言葉を背中越しに聞く。
「また夜になったら戻ってくるぜ~」
後ろに手を振りながら歩いていく。
朝食を食べ終わった悠斗達はギルドへ向かおうとしたが
「その前にハルトの装備調達しにいかねェか?」
「そうだね。流石に丸腰だと僕らがいても危ないだろうし」
「そのことなんですけど……ちょっとこっち来てもらっていいですか?」
路地裏の方へ歩いていき、二人を手招きする。
「……なんだァ?」
「さあ? 見せたいものがあるのかな」
そう言って悠斗についていく。
少し奥に来たところで悠斗が止まり、
「実はですね……武器とか防具は多分、僕には必要ないかと思うんです」
弱気に二人に言う。
「必要ない? そりゃァ一体どーゆうことだ?」
「……もしかして、紋様術絡みかい?」
オーゼンは昨日のことが気になっていた。飛んできたイスを無傷で防ぐのだから何かしらあるのだろうと。
「はい、紋様術かはわからないんですけど、僕の右手の甲にも紋様らしきものがあるんです」
二人に紋様の事を話す。
「へぇ、ハルトは紋様持ちだったのか。気づかなかったぜ!」
「僕は気づいてたけどね、バーキィだから仕方ないか」
チラッとバーキィの方へ目を向けて言った。
「なんだよ?」
「なんでもないよ。ハルト君、続きをどうぞ」
ハルトはまた喧嘩になるかと思いドキドキしていた。
「えっとですね、今からこの紋様の力を見せるんですけど、お二人にはこの力が普通かどうか見てもらいたいんです」
不安そうな顔でお願いする。
「それくらいならお安い御用さ」
「おう。俺たちが見極めてやるよ」
「よかった、じゃあいきますよ」
安堵した悠斗はイメージを開始する。
右手に剣を、左手に盾を。
「むむむむ…………」
その様子を二人が静かに見守っている。
―――シュン
―――スッ
ハルトの両手に武具が現れた。
「ふぅ……。昨日も出したんですけど、慣れてないのでちょっと出すのに時間かかっちゃいました」
ハルトは二人に問いかける。
「どうです? この力は普通なんでしょうか?」
二人の反応は、
「……おいオーゼン」
「ああ、これは紛れもなく天紋だね」
真剣な顏でなにか小声で言い合っている。
「あの~……どうです? なにかいけない力でしたか?」
不安になって二人に再度訊く。
「ああ、ごめんねハルト君。君のそれに対する答えだけど、普通じゃないよ」
「だな。普通の紋様は剣とか盾は召喚できない」
普通と言われることを期待していた悠斗だが、落胆した。
「そう、ですか……。じゃあ目立たないように隠して生活か……」
「いや、別にそこまでしなくてもいいと思うけど? 紋様の力をバレないようにする方法なんていくつもあるしね」
「そうだぜ。ハルトは気弱そうだからな、目立ちたくない気持ちはわかる」
「とりあえず、その装備は出したまま、ギルドへ行こうか。歩きながら話すよ」
「お二人がそういうなら……」
三人はギルドへと歩き始めた。




