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紋章の勇者  作者: 新
一章 異世界
12/41

13話 悠斗の力の確認

大変遅くなりました。


仕事をしていたので投稿が遅れてしまい、申し訳ございません。

今回は少し短めです。


それでは、どうぞ

悠斗は

「お二人ともは、ダメなんでしょうか? 僕にはお二人がついてきてくれるとすごく安心するんですが……」

と答える。

「……まぁハルトがそう決めたんなら文句は言わないぜ」

「そうだね。別に一人だけとは言ってないし。僕たち二人に付き添ってほしいならそれはそれで安全だね。いい判断だよ」

バーキィは笑顔で、オーゼンは微笑を浮かべているが、これは満面の笑顔を隠す時にする照れ隠しのようなものであって、本当はニコニコしたいのである。

「はい。改めて、お二人ともよろしくお願いしますね」

「おう!」

「うん、よろしくね」

席を立って三人で堅い握手をする。悠斗は嬉しくなってつい笑顔になる。



「男の友情の再確認は終わったかい~?」

ニヤニヤしながら厨房のカウンターから女将が茶化す様に訊いてきた。

「……見てたのか女将」

ジト目で女将は見る。

「そりゃぁ朝食運ぼうとしたらいきなりだったからね。つい黙ってみてたのさ」

肩をすくめてそう返す。

「……まぁいい。そんじゃ朝食食ったらギルドへ行くとするか!」

「そうだね。女将さんの朝食を食べないと朝が始まった気がしないよ」

席にちゃんと座りなおす三人。

「女将~、朝食頼むぜ~」

「はいはい、お待ちどおさま」

朝食に出たのは黒いパンとスープ、後はなにかの肉だ。

とりあえず口に入れてみた悠斗

「ん! 美味しいですね。パンはちょっと固いけど、肉とスープに合います」

「ハルト君、パンはスープに浸して食べると柔らかいよ」

「女将の料理が美味いのは当たり前だぜ!」

などと軽く喋りながら朝食を食べていく。


~~~~~~~~~~~~~~~

「いってらっしゃい~」

女将の言葉を背中越しに聞く。

「また夜になったら戻ってくるぜ~」

後ろに手を振りながら歩いていく。

朝食を食べ終わった悠斗達はギルドへ向かおうとしたが

「その前にハルトの装備調達しにいかねェか?」

「そうだね。流石に丸腰だと僕らがいても危ないだろうし」

「そのことなんですけど……ちょっとこっち来てもらっていいですか?」

路地裏の方へ歩いていき、二人を手招きする。

「……なんだァ?」

「さあ? 見せたいものがあるのかな」

そう言って悠斗についていく。


少し奥に来たところで悠斗が止まり、

「実はですね……武器とか防具は多分、僕には必要ないかと思うんです」

弱気に二人に言う。

「必要ない? そりゃァ一体どーゆうことだ?」

「……もしかして、紋様術絡みかい?」

オーゼンは昨日のことが気になっていた。飛んできたイスを無傷で防ぐのだから何かしらあるのだろうと。


「はい、紋様術かはわからないんですけど、僕の右手の甲にも紋様らしきものがあるんです」

二人に紋様の事を話す。

「へぇ、ハルトは紋様持ちだったのか。気づかなかったぜ!」

「僕は気づいてたけどね、バーキィだから仕方ないか」

チラッとバーキィの方へ目を向けて言った。

「なんだよ?」

「なんでもないよ。ハルト君、続きをどうぞ」

ハルトはまた喧嘩になるかと思いドキドキしていた。

「えっとですね、今からこの紋様の力を見せるんですけど、お二人にはこの力が普通かどうか見てもらいたいんです」

不安そうな顔でお願いする。

「それくらいならお安い御用さ」

「おう。俺たちが見極めてやるよ」

「よかった、じゃあいきますよ」

安堵した悠斗はイメージを開始する。

右手に剣を、左手に盾を。

「むむむむ…………」

その様子を二人が静かに見守っている。

―――シュン

―――スッ

ハルトの両手に武具が現れた。

「ふぅ……。昨日も出したんですけど、慣れてないのでちょっと出すのに時間かかっちゃいました」

ハルトは二人に問いかける。

「どうです? この力は普通なんでしょうか?」


二人の反応は、

「……おいオーゼン」

「ああ、これは紛れもなく天紋(ギフト)だね」

真剣な顏でなにか小声で言い合っている。

「あの~……どうです? なにかいけない力でしたか?」

不安になって二人に再度訊く。

「ああ、ごめんねハルト君。君のそれに対する答えだけど、普通じゃないよ」

「だな。普通の紋様は剣とか盾は召喚できない」

普通と言われることを期待していた悠斗だが、落胆した。

「そう、ですか……。じゃあ目立たないように隠して生活か……」

「いや、別にそこまでしなくてもいいと思うけど? 紋様の力をバレないようにする方法なんていくつもあるしね」

「そうだぜ。ハルトは気弱そうだからな、目立ちたくない気持ちはわかる」

「とりあえず、その装備は出したまま、ギルドへ行こうか。歩きながら話すよ」

「お二人がそういうなら……」

三人はギルドへと歩き始めた。




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