新兵器
翌朝目を覚ますと自分の部屋ではないことを確認して異世界なのだと再認識する。元いた世界と同様個室に備え付いている洗面所で顔を洗い歯を洗うのだが歯ブラシがない為指でこすって綺麗にして寝癖を直してから階下に降りる。昨夜のマーサの説明だと5時から9時までの間に行くと朝ごはんをきたもの順で作ってくれるらしい。ちなみに今は6時きっかりだ、時間が似通っているためか時差ボケはなくて助かった。
「おはようございますマーサさん。」
「おお、おはようスバル。意外と早起きなんだね、感心感心。今ご飯を作ってあげるからね、ちょっと待ってな」
そう言うとマーサはフライパンに火をかけ手慣れた手つきで料理を作っていく。ものの5分でスクランブルエッグ、ソーセージ、パン、サラダが食卓に並べられた。
「はい、お待ちどうさま。」
「ありがとうございます、いただきます。」
お礼を言ってから朝食を食べ進める。どうもこの世界は素材がいいらしく何を食べても旨い。もしかして魔法なんかも関係してるのかもしれない。ご馳走様をして宿屋を出た。今日は出来れば二つクエストをこなしたい、ひとまずクーロンは召喚せず独力での完遂を目指す。今回挑戦しようとするクエストはゴブリン20体の討伐、オーガ10体の討伐だ。ゴブリンは商人を狙ったりするためランドリスに近い街道でよく見られるらしい。ただし、ゴブリンは多少知恵が回るので武器は持つし徒党も組むので気を付けなければならない。実はゴブリンを探す前に試しておきたいことがあるので街からそれ程離れず人目に着かない場所に移動する。
「この辺でいいか。」
試したいことというのも¨魔力を固めて撃てないか¨というもので昨日投擲は使ったが戦闘中に一々石を拾って投げているのでは間に合わないし石のない場所だとどうしようもなくなるから自給自足が出来ないか試してみたいのだ。
「魔力を固めるのは出来たけどこれじゃあなぁ...」
初めて30分で手のひらサイズの球形に魔力を固めるのはできたのだがすぐに霧散してしまう、これでは投げているうちに消えてしまうのだ。魔法のように勝手に飛んでいってくれるわけがないのも要因の1つだったりするのだが。
「魔法..撃ち出す...あ、あれなら?」
これでもないあれでもないと考えているとふと一つの道具を思いついた、物は試しとやって見る。手を前に突き出して人差し指を突き出す。人差し指に15cm程の筒が固定されているイメージとその中に魔力が収まるようにする、大きさはなるべく筒ギリギリにして形状は先端を円錐状にして貫通力を上げる。魔力弾の後ろに少し余分な魔力足して足した魔力を爆発させると、パァンという破裂音と共に目の前の木に穴があいた。
「よし!成功だ!」
俺が思い浮かべたもの、それは「銃」だった。これなら威力は申し分ない上、弾も実弾ではなく魔力弾のためMPの続く限り撃ち続けることができる。後はこれをどれだけ早く撃てるかにかかるという訳だ。その後2時間ほど永遠と森の中に銃声が轟くことになる。
いつもありがとうございます、7話完結です。
基本的に何字まで書こうとか決めてなくキリがいいところまで書いてます。