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登山

翌朝目が覚めたら顔を洗って朝食に着いて今日のシュミレートをもう一度繰り返してゴブリンキングのいるはずの山に向かう。道中も獣型の魔物に何度か襲われたが返り討ちにしながら進むこと20分、山の麓までたどり着いた。


「これを登るのか...結構大変だぞ」


ゴブリンキングの野郎なんてとこに住んでやがると言いたくなるような山だ。近くの看板には標高4000mもあるらしい。それを今から姿を隠しながら登らなくてはならないので悪態も吐きたくなるものだかといっても元の世界での山登りほど難しいわけではない。というのも魔力を纏っていれば身体能力は向上する上寒暖にも強くなるからだ。そうはいっても一般人のMP上限では寒暖維持するのが難しいためテントなどを持ち込んだりするため苦しいことには変わりないみたいだ。俺も頂上付近の雪原地帯で吹雪に見舞われクレバスに落ちるなんてのは嫌なので実はギルドから一人用の簡易テントは有料で借りてきた。吹雪の時はこれで休みながら進むつもりだ。もちろんくだんの虎の縄張りの中に堂々とテントを構えるわけにはいかないためあまり目につかないような場所に設営しなければならない。


「さて、生きて戻れるかな?」


病は気から、ポジティブに行くことにした。とりあえず登り始めることにした。あとなんとなく日記をつけてみることにした。ひょっとしたら遺書になるかもしれないけれどならないことを願おう。


ー登山1日目ー

結構な数の魔物に襲われながら登山を続ける。

途中食料になりそうな動物を見つけるが火を起こした場合虎に見つかる可能性が極めて高くなるためこの登山中は以前仕留めたアンドラシカの肉を薫製にしたものを初めとした持ち込みの携帯食料を食料とすることにした。

結構登ったつもりだったが坂がなだらかだったため高度はさほどといった具合のようだ、まだまだ先が長い。

今日の寝床は枝が大人三人ねれるくらいの大きさの大木があったため枝の上で過ごすことにした。


ー登山2日目ー

初日は虎に出くわすことなく済んだようだ。

2日目も引き続いて山を登っていく。今日は昨日よりも少し魔物に襲われる確率が低くなったような気がする、無論私の気のせいかもしれないのだが。

夕方の方になると道も険しくなってきた。

昨日よりも進みは悪くなったが焦らず見つからず慎重に登山を続けたい。高度は昨日よりは上がった印象だ。

今日の寝床は登山中見つけた洞穴にした。気休め程度ではあるが洞穴の入り口に土を被せておいた。


ー登山3日目ー

今日起きると洞穴の目の前に血痕があった。

もしかしたら例の虎が夜食を狩っていったのかもしれない、洞穴に土を被せておいて助かったようだ。

しかし登山を中断するわけにはいかない、今日も元気に登るとしよう。

今日は昼ぐらいから目に見えて道がゴツゴツし始めた、大変登りづらいが足に魔力を多めに振って負担を少なくすることにした。途中から道に少し慣れペースがあったので結構進めた。

高度的には半分に差し掛からないくらいだろうか?

少し酸素が薄くなってきた、この世界にも高山病はあるのだろうか?

今日の寝床は岩の陰にすることにした。


ー登山4日目ー

今日の道は本当にしんどかった。ほとんど崖に近い道だったので魔力糸を命綱にしながら登ることにした途中ひやりとすることが何度かあった。やはり命綱があっても怖いものは怖いのだ。

崖道を登りきると雪原が姿を現した。幻想的な風景にウットリしたのち登山を再開する。もっと余裕がある時にじっくり楽しみたいものだ。登山は山頂からの眺めの為に登るという話だがなるほど納得という感じだ。私はまだ山頂にはたどり着いていないが雪原を見た時に「ああ、なるほど」と納得してしまった。これを山頂で見れたらなんと綺麗なんだろうとゴブリンキング討伐そっちのけで山頂の景色を楽しみたいと思うがそうもいかないのだろう。山頂の景色を楽しむ為にも早くゴブリンキングを倒さねばと気を改めて明日は登ろう。

今日は少し雪を掘ってテントを立てたあとテントの上に雪を積もらせて寝床を作った。今日はかなり上に登った。もうすぐ頂上ではないだろうか?


ー登山5日目ー

今日は吹雪いてしまったので登山は中止だ、ただテントが押しつぶされる危険がある為テントに微量な魔力をまとわせて補給をした。微量なら虎にも勘付かれる心配は少ないだろう。


ー登山6日目ー

今日は吹雪いていないようなので登山を再開する。

ただ登山再開の前に昨日吹雪いて積もった雪をせっせとどかす作業からになってしまった。しかしそこまでだいたい2時間程度の除雪作業をして登山を再開した。雪がまだ柔らかく沈みやすいので狭い範囲に魔力を流して沈まないように進むとあまり足を取られなくてすんだ、魔力には色々な使い方があるのを再確認した。今日はひたすら雪原をせっせと歩いた、ただし勾配はかなり急だ。それだけ頂上に近づいている証拠だろうか?日が沈みだしたころ頂上付近になにかしらの建造物がちらと見えた、あれがゴブリンキングの住処だろうか。

夜になっては視界が悪いため少し戻り明日攻め込むことにする。

今日の寝床はまた雪の中だ。

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