作戦会議①
ギルド証を受け取った俺とクーロンだがクエストが終わって安心したせいか二人仲良く腹の虫を鳴らした、なので飯屋を探すことにした、クエストの報告をした受付嬢におすすめのレストランを聞いてみたところ、なじみの飯屋が近くにあるということなのでそこに行くことにした。飯屋に行く道すがら「今日の成果は?」ということでステータスを見てみると
タマ スバル
LV:7
ジョブ:召喚士、暗殺者
体力:1120
MP:400000000
攻撃力:325
防御力:130
魔力:620
魔法防御力:360
速さ:204
スキル:契約、召喚、召喚獣装備、隠遁、投擲、身体強化、魔弾銃
契約召喚獣:バハムル
レベルが四つも上がっており能力も大幅にアップ、スキルも新しく魔弾銃が発現していた。これだけでも十分な収穫といえるだろう。このレベルアップはやはり魔弾銃の特訓の成果だと考えるべきだろう、しかし速さなんかの実感する場面があまりないのでよくわからないのが少し歯痒く感じる。ステータスを確認して再び歩を進めてしばらく。目的地についた。
「確か"龍の息吹亭"だったよな?」
「そうじゃの。」
目的地である”龍の息吹亭”はドラゴンが火を吹いている看板をぶら下げたレストランでヘルシーな肉料理を中心に取り扱ってるそうだ。扉を押すと上部に取り付けてある来客を知らせるベルがチリンと鳴った途端
「いらっしゃいあせぇぇ!!」
と店内の喧騒に負けないよう声を張り上げた複数の定員の声が聞こえた。店内は昨日の月猫亭と違い、かなりの客入りなのて人気店なのかもしれない。そんなことを考えていると一人の女性店員が小さめのテーブル席に案内してくれた。人が多いだけに店員も洗練された動きで客を捌いていた。席に案内し、数秒後店員がお冷を持ってきてオーダーを取る。
「ご注文は如何しますか?」
「この店のおすすめを2つお願いします。」
とりあえずおすすめを頼むことにした。この流れは元の世界のレストランを彷彿とさせたので少し懐かしくなった。オーダーを取り終えた店員はかしこまりましたと言って厨房に届け出てすぐにまた他の客のところに行くという動きを繰り返していた。かなりせわしない印象だった。
「さてと、今日でとったクエストの三つが終わったわけだけど明日はゴブリンキングの討伐をしようと思う。ゴブリンキングってどんなモンスターなんだ?大体は想像つくんだけどもっとはっきりしたイメージを持ちたいんだ。」
「ふむ、ゴブリンキングとな。ゴブリンキングはその名の通りゴブリン共の王じゃな。ゴブリンキングはダンジョンの中や山中なんかで巣を作るようじゃ、たまにダンジョンの階層主なんかで遭遇するらしいがのこれが滅多に目撃されないんじゃ。」
「はぁ?王だろ?もっと堂々としてるもんじゃないのか?」
「王だからじゃよ、王が死ねばその配下は統率を崩し路頭に迷う。そうなることを恐れゴブリンキングは基本的に身を隠しゴブリン達を路頭に迷わさないようにしてるんじゃ、たまに好戦的なやつがおるがそんな奴は万に一ぐらいの稀有さじゃよ。」
なんというか想像していたゴブリンキングとはかなりかけ離れた生態だった。ファンタジー等で登場するゴブリンキングは大体が盗賊の長なんかで部下の事はあんまり考えていないイメージがあっただけにかなり意外なものだった。
「なるほどなぁ、ゴブリンでも立派な王様がいるわけだ。」
「うむ、魔族といえど長を務めるものは基本的に優秀なのじゃ!」
えっへんと胸を張ってクーロンが答える。そう言えばクーロンも龍族の長だった。
「しかし厄介だな。どうやって探し出しゃいいんだ?」
そう、潜むのならそれを探しださなければならない。
「む?それなら心当たりはあるぞ主殿。」
「本当か!?それはかなり助かる!で、その心当たりってのは?」
「うむ、あそこの一番高い山が見えるの?」
「ああ、ここらで一番高い山だな。」
「あそこの頂上に巣食っておるらしい。ただ問題が1つあっての?」
「問題?」
「頂上付近を縄張りとする虎がおるんじゃよ。主殿達のレベルで行くとそうじゃのう、レベル78くらいかの?」
「ダメじゃん!!!」
聞いた瞬間絶望した。今のレベルが7だというのにどう立ち向かえというのだろうか。他にゴブリンキングが居ないのかと聞いたところ今現在他に発見されたゴブリンキングは現在はいないらしい。忍びも真っ青な隠れ上手である。
「別に悲観する事はないぞ主殿。」
「いや無理だろ、無理無理。78と7だぞ?命がいくつあっても足りねぇよ。」
「そうじゃな、普通の人間ならの。」
「どういうことだ?」
「まぁまぁ、そのへんの話は夕食を食べてからにしようではないか主殿。熱々の料理な冷めてしまうぞ?」
今運ばれてきた美味しいそうな香りに涎を垂らしながらクーロンが提案してくる。確かに美味しい料理も冷めてしまっては勿体無いので提案を受け入れることにした。料理を見てみると鉄板に乗った鳥のステーキ、サラダに真っ赤なスープ。それとバスケットに入ったロールパンが並んでいた。
「「いただきます!!」」
二人で合掌してナイフとフォークを手に取り、鳥のステーキを切り分けて口に運ぶ。口に含んだ瞬間閉じ込められた旨味がジュワッと口の中に広がるが脂がしつこく無く後味はスッキリとしていてとても食べやすい。赤いスープも食べてみるとこちらはトマトスープを思い出させる味だ、此方にもトマトはあるのだろうか。あれよあれよと食べ進めていくとすぐに全ての皿が空っぽになった。
「ご馳走さま、やっぱヘルシーを売りにしてるだけあって後味がしつこく無いな。」
「そうじゃのう、じゃがもう少しぼりゅうむがほしかったの。」
「そうだな、明日はもう少しボリュームのあるレストランを探してみようか。」
クーロンも少しこの世界の料理に慣れたのか半分飛んでいても料理の感想は言えるようになったようだ。
料理を平らげたあと会計をし、すぐそばのカフェに移動した。流石に混み合ったレストランで長居する気にはならないし少々うるさすぎる。ちなみに今日のご飯代は二人合わせて銀貨10枚だった。
10話目です。ナンバリング間違えてますね。変えておきます...
うーむ、ステータス考えるのが意外と難しい