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神人学園  作者: おこた
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タッグ、チーム決定!

チュンチュンと小鳥のさえずりで茂は目を覚ました。

起き上がり、大きなあくびをしながら身体を伸ばす。

とても素晴らしい朝である。

よく眠れたと思いながら1つの違和感を覚えた。

はて、なんのことであろうか……。

まあ、その程度のことであろうと考え、時間を確認し、学校に行く準備を……。

目覚まし時計の針が示す位置は長針が3、短針は4。すなわち、4時15分であった……。


「目覚まし時計の電池が切れてるぅぅぅ。落ち着け、スマホで時間を確認するのが最優先だ」


机の上で充電されているスマホのホームを開く。

8時25分。学校にはたしか8時40分までに行かなければ遅刻である。さすがに初日からそんなヘマは晒したくない。


「どうした、そんなに荒れて」

「あ!ライブラリアン。なんで、起こしてくれないんだよぉぉ」

「私は寝るのが好きだからね」

「初めて聞いたよ!そんなこと」

「それよりもいいのか、私と話しをしている暇はないはずだぞ」

「わかってるよ!」


急いで準備をし、全速力で学校まで走った。



結果的にセーフであった。あと3分というところであったが間に合った。

現在は自分のクラスの前にいる。本館3階の1-6教室である。

ガラガラと少し大きな音がなるスライド式の扉を開くと、クラスメイトがずらりと着席している。当たり前である。


「お、きたかきたか、これであと1人で揃うな。あ、君、空いているところに座ってくれ」


と、教壇にいる先生に指示される。

空いている席を探していると声をかけられる。


「茂、こっちが空いてるぞ」


その声は昨日知り合った真人のものであった。

そちらの方を向くと、確かに席が空いている。

廊下側の1番前であった。それも2つ。

もう1つの席はもう1人来ていないという人であろう。

1番前の席であるが知り合いと近いと言うのは嬉しいことである。

席に着くと真人と真央に話しかけられる。


「しょっぱなから遅刻ギリギリじゃねーかよ」


と小さく笑われる。


「時計の電池が……」


と、言った時である。

ガラガラと扉が開いた。

最後の1人であろう。

入ってきたのは、黒髪を伸ばし、落ち着いた雰囲気のある少女であった。大和撫子という言葉がとてもぴったりな美少女である。


「遅れてしまいました!」

「まだ20秒程時間がありますから大丈夫ですよ」


教室にある時計を探して、確認すると、確かに秒針は探した時間もあるが10秒ほど残っている。


「じゃあ、空いているところに座ってくれ、と、1番前しか空いてないから、早く座りなさい。HR(ホームルーム)を始めますよ」


先ほどの少女が自分の席の隣に座る。残り物には福があるとはこのことかもしれない。


「じゃあ、皆さん、おはようございます。担任の山田剛だ。今日の授業は午前中はクラスとこれからの行事について、午後は施設説明を行います。まあ、早いですが1時間目に入ります。早く終われば、少し自由な時間になりますので、我慢してください。起立、礼、着席」


小学校、中学校と変わらない挨拶を終え、1時間目が始まる。


「えー、では、まず、今年から新たにはじまることについてであります。今年から決闘(デュエル)というのが行われます。これは、生徒同士が、タッグ、チーム、クラスで行うものです。これは、この学校の先生達が開発した幻想体システムを使ったものです。この幻想体システムというのは、この学校内では常に発動しており、受ける攻撃などを変わり身してもらうというものです。幻想体にはヒットポイントがあり、それがゼロになると待機室に転送されるので安心してくださいね。要するに死なないので安心してください。決闘は神力の技術の競い、高める目的のため行われます。神人でない人も、それには参加してもらいます。と、言っても神人ではない人はクラスに3人ほどですかね。この学校では神人ではない人が神人とどう生きていくかというのもありますから頑張ってください。では、次にタッグなどの説明です。えー、今、皆さんは1列が6人の6列で36人ですね。まず、タッグは隣の席の人です。あ、待ってください。まだ決定ではありませんから。話が終わったら席の移動を許可します。次にチームは4人です。まあ、これも席順です。2列ごとにでです。クラスはそのまんまクラスです。では、知り合いなどいるでしょうし、移動してください」


ガラガラと一部の人達は知り合いの元に向かっている。元の席の人に頼み、席を変わってもらっていた。

さて、自分には知り合いもいないからどうすることもできないが隣の人はどうであろうか、ここは聞いてみないとわからない。

隣の少女に話しかけようとそちらを向くと、ちょうど空いてもこちらを向いた。


「「あの」」


しまった。タイミングが合っているが悪い。


「「なんでしょうか」」


気まずい、そして、恥ずかしい。

少女の顔を少し赤くなっている。自分も恐らく赤くなっているだろう。

よし、ここは勇気を振り絞ってまた話しかけねば。


「君は知り合いとかいる?」


よし、大丈夫だ!


「い、いえ、私の知り合いはいません。私だけこの学園にきたので」

「そうだったんだ。俺もここには1人だけ来たんだ」

「そうなんですか!なんだか、同じ境遇の人が近くにいると嬉しいです」

「移動はしなくて大丈夫なんですか?」

「せっかくですし、このままで大丈夫です。それよりも迷惑じゃないですか?タッグになるらしいですし……」

「全然大丈夫だよ!むしろ嬉しいくらいだよ」

「そう言ってもらえると助かります」

「あ、そういえば。さっき、ここには俺だけが入ったんだけど、昨日知り合いができたんだよね」

「すごいですね。私なんか誰にも話しかけられなくて……」

「それが、この後ろの2人なんだ」

「よろしくね〜、この4人はチームらしいし」

「よろしく!」

「よろしくお願いします」


と、顔合わせをしたところで先生が次の指示を出した。


「よし、もう大丈夫そうだな、次は4人1組に机を動かして、交流を深めてください。これからの行事などは基本的にチームでの行動が多くなると思います。それと、クラスメイト以外には自分の能力とかは極力話さないでくださいね。決闘で不利になる可能性もあるので」


「じゃ、自己紹介からしましょうか」


と、真央が司会を務める。


「私は真田真央。よろしくね。こいつとは幼なじみってやつよ。ほら自己紹介しなさい」


と真人の肩を叩く。


「わかってるよ。俺は赤木真人だ。よろしくな」

「じゃあ、次は俺で、俺は森田茂。改めてよろしく」

「私は櫻井美琴です。よろしくお願いします」


自己紹介を終え、チームがまず結成された。


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