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メール  作者: けい
4/4

03 彼女

名案を思いついた?


『あ、生きてたんですね。名案ですよ、本当。死にたいと相談してくるからには、止めて欲しいと貴方の本能が言ってるんですよ。でも私は励まし方とか知らないし、ニートは死刑台行けばいいし。』


何が言いたいんだこいつは。

少々期待しながら、奴の名案と言うのを読んでみる。


『だいたい、ニートなんてひとりぼっちだからなるんですよ。友達の一人位つくりやがれ。ボッチだと悲しむ人もいないでしょう?』



何が言いたい。



『つまり、お友達さえつくりゃいいんです。でもニートに急にそんな事言うなんてボーリング知らない人にストライク10回取れって言ってる様なもんですよね。














だから、私が、貴方の友達になったらどうでしょう!素晴らしい案でしょう⁉』



名案とか言われ、期待しまくっていたので少々拍子抜けした。お前が俺のトモダチに?

無理じゃね?


やはり画面の向こうの、顔も知らない自称幽霊なんて友達なんて思えない。せめて名前だけでも知ってないと、もはや人間とも思えない。


名案も、この程度かい。

だいたい、何でお前が俺のトモダチになる必要がある。お前にメリットは?



"トモダチと言っても、何をトモダチと言うんですか?定義は?一緒に遊ぶとか、よく喋る人とか、そーゆーのあるでしょう。"



『カスは理屈っぽくてやだね。義務教育もまともに受けてない癖に、無駄に定義とか求めて。私女だけど、男女の間に友情は成立しないと言いたいのね。ならこのまま死んで一人の部屋で腐敗しながら死んで行けば。』




こいつらしい率直な意見だろう。

しかし、昨日、綾乃に会ったせいで、


"俺が死んで、一人だけど、悲しんでくれる奴が居るんだ。そいつのためにも、死にたくないって思った。"


こんなクズが死んで、悲しむ綾乃も気の毒だ。


『話題を急に360°変えないで。その人の為に、なら、少しでも意味のある事見つけたんならそれでよくない?その人と結婚でもして遺伝子遺せば少しでも人生マシじゃないですか⁇』



まぁ、今から就職して見合いの相手でも探すか?『趣味は何ですか?』と聞かれ、何て答えればいい。ネットゲームと某掲示板に書き込むことです。

結婚は今からは無理だ。

就職。

引きこもりになった原因は、いじめだけだった、・・・はずだ。あぁ、後友達が死んだこと。

面接で空白の数年間を聞かれたら?

高校中退を突っ込まれたら?

この際ブラック企業でもいい。外にでなければ。一人でいると鬱々とした気分が押し寄せて、死にたくなってくる。母の遺産も細々と減って行く。

コミュニケーションもうまい方ではない。綾乃も社会人なのでそうしょっちゅう呼び出すわけにもいかないだろう。メールのやりとりしかしていないとボソボソと言う喋り方が癖になってしまっている。

まずコンビニでバイトでもしてみようか。俺はヒッキー・ニート・ぼっちからの脱出と再生を考えた。

近くにコンビニならある。いつも弁当や雑誌を買いに行っている。そこでバイトでもしてみよう。まずつかってくれるかが問題だが。




「分かりました。なら〜〜、次の火曜から来てくださいね。」


まだあの人が言った事は脳裏にこびりついている。何度も何度も何度も練習したかいがあった。簡単な質問を幾つかされただけで面接は終わった。

そのうえ、火曜から来てくださいね。

単純に嬉しかった。

小さくガッツポーズをとり、パソコンの前に座る。あぁ、そうだ、アイツに報告しとくか。この喜びを誰かに伝えたい。

電源をいれた。










タッチーどうなったかなぁ。

いやぁ、やっぱり運命だね。死んだ私のパソコンにたまたまタッチーが送った迷惑メールがきて、たまたま私がそれに気づくなんてね。

死にたいなんてぬかしやがったからとりあえず踏みとどまらせたけど、思い直したかにゃ?タッチーがただのオタだったら氏ね!って送ってたよ。いやぁ、気づいて良かった。中学の時メールでやりとりしててよかったよ。メールアドレスで気づけたー。

中学時代の友達だもんね。

タッチーが死んだら私が悲しむ。


今日、タッチーからコンビニでバイトでもすることになった。って言うメールが来た。それで、働いて、素敵な人と会って、結婚して、奥さんが子供産んで、・・・いぃなあ。私も事故なんかで死ななきゃタッチーと結婚して・・・妄想はこの辺にして。結婚したあたりで私のこと、忘れて行って、パソコンも放置されて、 いつかまた思い出して、私のメールが全部無くなってる事に気づいて。タッチーの間抜けな顔、おもいうかぶなぁ。

忘れさられるまでメールは続けるけど。その間に成仏しちゃはないか心配だけど。

いつ、私が本当にユーレイで、中学時代の友達って事に気づくかなぁ。


忘れ去られるまでに気づかなかったら、三世代末まで祟ってやる。


雪乃


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