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友人Aとの会話

作者: 春那 創

友人A「この世の中に絶対なんか無い」


自分「いや、ある」


友人A「いや、無いね」


自分「それこそ絶対ある。お前が死ぬということは絶対ある」


友人A「死なないと言う可能性もある」


自分「えっ」


友人A「死なない細胞や、細胞を入れ換えて、不死になるということが可能になってきている」


自分「…全部入れ換えたらそれはお前なのか」


友人A「そこは微妙なとこだが、死んではいない。だから…」


自分「死ぬってことの定義が必要になるな」


友人A「うーん、脳死、かな。心臓が止まってても死んでるとは限らない」


自分「そうだな。お前の脳みそが動いてたら生きてるんだろ。入れ替わっていったらある時期からお前の脳みそじゃないんだからその時点でテメーは死んでいる」


友人A「……………。やけど、脳死したかどうか、生きているかどうかは証明が必要」


自分「……まぁ、確かに。お前は俺と電話してると言うことで、俺に生きていると言う証明をしているが、電話を切ったら俺にはお前の生死は不明だからな。俺が、誰も来ないような山奥で一人で生活してたら、世間的には死んだことになる」


友人A「そうそう。それは死んでいると言う証明にはなら無い」


自分「でも生きているという証明にもなってない」


友人A「いや、じゃあさ、俺が地球で最後の人物になるとするじゃん?」


自分「えっ」


友人A「他の人には俺が生きていたということは証明出来るけど死んだことの証明はできない。よって…」


自分「いや、もう意味分かんない」


友人A「そういうことだ」


自分「……お前は人間だろ?生物学的にいって、死ぬことは確定的じゃん。例えお前以外の全てが死んでも」


友人A「その生物学が覆るかもしれない」


自分「覆らないと思われる」


友人A「そう。覆るかもしれないし覆らないかも知れない」


自分「議論にならねーよ」



自分「……絶対がないという証明はなんだってできるんだな?」


友人A「そりゃそうだ。絶対は無いんだから。俺、絶対って無いと思ってるから、使わないもん。99.9%って言う」


自分「……何かの試合で『絶対勝つぞー!』っていう発声があるときどうすんの?『99.9%勝つぞー!』って言うの?おもろいなそれ」


友人A「……それは、心意気みたいなもんじゃん。絶対勝つと言う意気込み」


自分「うん。だからその時はどうすんの」


友人A「………おー!って言う」


自分「ダメ。そのチームの心得があるから。『言葉に出せば夢は叶う』っていう標語が部室に飾ってある」


友人A「…いや、そんときは俺も言う」


自分「言うんじゃん。しかも嫌々。『勝てないかもなしれないなー』って思いながらいってんだ。じゃあ叶わねえよ。何も」


友人A「いや、俺のなかには絶対ってあるから。お前の思う絶対と、俺の絶対は違う」


自分「なおさら議論のしようがねえよ」



自分「でも絶対はないって思ってるわけ?」


友人A「うん」


自分「お前と俺の共通の絶対を俺が示せばいいわけだな?」


友人A「そうなるな」


自分「…じゃあ、バスケットボールの試合で」


友人A「うん」


自分「110-2でお前のチームは負けてます。残り時間は12秒。こんなの絶対負けるじゃん。さぁ、お前はどう逆転する」


友人A「うーーん。残り12秒だろ?いきなり相手チームと審判がもめて大乱闘で相手の反則負け」


自分「……じゃあ2秒。殴る時間は与えない」


友人A「急に相手が降伏するかもしれない」


自分「なんだよそれ。理由はなんなんだよ」


友人A「上からの圧力。実は裏で手を回していた」


自分「お前が?」


友人A「うん」


自分「それ、俺が与えた2秒を使ってないじゃねえか。何秒でも同じだよそれは」


友人A「これで絶対がないということが証明された…!」




自分「じゃあ、身近にある絶対を証明するわ」


友人A「いいぞ」


自分「お前は世界一の水泳選手には絶対になれない」


友人A「それはわからない」


自分「なれんのか?」


友人A「俺が2秒後に水泳選手になりたいと思うかもしれない」


自分「……思った?」


友人A「いや、思ってない。けどもう2秒後に思うかもしれない」


自分「………………。」



自分「俺が、何時何分に絶対こういう番組が始めると言うことを当てたら?」


友人A「…1つだけじゃあねぇ」


自分「なんだそれ。1つ当てても絶対だろそれは。…………じゃあ、いくつ当てりゃあいいんだよ。3つか?4つか?」


友人A「いやぁ、それはダメだな。まだまだ番組は続くから」


自分「えっ」


友人A「番組が1つ終わったら次があるじゃん。だからいくつ当てたところでそれは証明になら無い」


自分「終わんないじゃん。それじゃあ」



友人A「そう。次は絶対あるから」


自分「えっ、絶対…」


友人A「あっ…」




大爆笑





自分「なんだよそれー。散々俺の言うこと否定しといて、番組は絶対続くってなんだよー」


友人A「自分でも途中で何言ってんのかわかんなくなってしまった」


自分「めっちゃ粘った癖によー、なんだよそれー」


友人A「そもそも無理があった。絶対がないって言い張るっていう…」


自分「パラドクスみたいな」


友人A「絶対がないことは絶対だ、とかいう。」


自分「笑ったわ」


友人A「俺も」



この友人Aとはよくこういうような会話をします。

大体がこちらから話を持ちかけるのですが、

珍しく友人Aが言い出した話題で、且つ、

強情に言い張るのが面白かったので

投稿しました。

最後まで読んで(聞いて?)いただいてありがとうございました!

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