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もう一度妻に

作者: イング

「あなたと結婚できて幸せでした」

妻がガンで息を引き取った。私は妻に、もう一度妻に「大丈夫、まだ大丈夫、私もお前と結婚できて幸せだ」そう言いたかった。しかし、その願いは一生叶わない。


妻が亡くなってはや二年もうすぐ私は還暦を迎える妻と私は偶然住み始めたアパートの隣りだった、妻の方から私に付き合いたいと言ってきた、私も妻に一目惚れだったので交際から結婚までそう遅くはなかった。今日は妻との結婚記念日。部下の計らいで今日は仕事を代わって休みをもらった。銀行に行って記念日に小さなケーキと寿司か何かを買って妻の仏壇に供えよう。そう思った矢先、強盗が銀行を襲った。


強盗が私のお金を奪おうとしたが私はとっさに強盗を押しのけた。強盗は怒りを露わにしナイフを私に目掛けて刺してきた。このまま妻の所に逝くのも悪くない、そう思ったそのとき、「危ない!」何処からか妻の叫び声が聞こえた。とっさに私は強盗を倒した。あの声は何だったのかは分からないが私はあの声は妻の声だと分かった。


その日の夕方、

私は家に帰ってきた。誰もいない、ここだけ時間が止まった世界のように、しかし妻はいないそう思うと涙が溢れそうになった、私は一人寂しく呟いた。


「ただいま」


「お帰りなさい」


耳元で妻の暖かい聲が聞こえた。

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