ラスボス銀月魔女を倒したら彼女にTS転生した件!? 魔力ゼロでゴブリンの苗床にされそうなところを、ヤンデレ聖女に拾われて激重溺愛されています~美少女たちとイチャイチャして世界最強を目指します~
初投稿です。
※冒頭に少し残酷な表現(ゴブリン関連)がありますが、すぐにヤンデレ聖女とのイチャイチャ展開になりますのでご安心ください!
ポツリ。
生温かく粘り気のある液体が、私の頬に重く落ちてきた。
「……痛っ……」
全身を引き裂かれるような、凄まじい激痛が走る。私は朦朧と眉をひそめ、本能的に顔を拭おうと手を伸ばした。
『何だよ……クソアパートの天井、また雨漏りか……?』
だが、指先に触れた感触は、水ではなかった。
どろりとして糸を引く、鼻を突くような腐臭と生臭さを放つ粘液。
私の意識は一瞬で半分覚醒した。
猛然と目を開ける——
視界に飛び込んできたのは、天井なんかじゃない。
視界の限界まで拡大された、尖った耳を持つ青灰色の醜悪な大顔面だった!
「ケケケ……お目覚めか……」
「いい匂いだ……極上の苗床だなァ……」
その化け物は黄色い牙がびっしりと並んだ血盆の大口を開け、悪臭を放つ涎をダラダラと顎から滴らせていた!
「うわああああっ!!!」
私は悲鳴を上げ、転がるように後退した。
何だこの化け物は!?
ゴブリン!?
エロゲーや薄い本にしか出てこないような魔物じゃないか!
「逃げるなよ……大人しく俺たちの子供を産め……」
周囲の茂みから、血走った貪欲な目が次々と光りだした。十数匹の、粗末な棍棒を手にしたゴブリンたちが涎を垂らしながら迫ってくる。
「私の肉はマズいぞおおおおおっ!」
考える余裕なんてない。生存本能に突き動かされるように立ち上がり、暗い森の中をがむしゃらに走り出した。
冷たい風が刃のように頬をかすめ、足元の茨が皮膚を切り裂いたが、立ち止まることなんて到底できない!
なぜなら、私の背後で、大地が微かに震えているからだ。
四メートルはあろうかという巨体。
筋肉が隆起した巨大な影が、巨大な骨の戦斧を担いで猛烈な勢いで追いかけてきている。
あの極めて下品で狂暴な笑い声が、死神の催命符のようにピタリと私に噛み付いていた。
「はぁ……はぁ……誰か、助けて……!」
必死に走ったが、この身体は異常に華奢で、すぐに両足の体力が底を突いた。
ズルッ。
「キャッ!」
私は冷たい泥の上、無様にへたり込んでしまった。
逃げ場はない。
目の前に立ち塞がったのは、水流が激しい広大な大河だった。そして私は、正真正銘のカナヅチだ。
万事休す……なのか?
絶望の中で荒い息を吐きながらうつむき、夜空に浮かぶ皎潔な銀月に照らされた波立つ水面に視線を落とす。
そして、私は完全に凍りついた。
激しい川面の中に映し出されていたのは、見慣れた、年中徹夜で髭だらけの社畜男の顔ではなかった。
白皙で、繊細。まるで最高級の磁器のように非の打ち所がない絶世の美少女の顔。
幾筋もの柔らかな銀白色の長い髪が、私の額に沿って夜風に揺らめいていた。
私は震えながらうつむいた。
身にまとっているのは、焦げ跡だらけの純白の法衣。雪のような肌が破れた布地の隙間から見え隠れしている。
さらに決定的なことに——私の両足の間から、二十年以上付き添ってきたあの重要なパーツが、跡形もなく消え去っていた!?
「う、嘘だろ……?」
この装い。この銀髪。
そして世界を魅了しそうなほどの、息をのむ美貌……。
これって……私が昨日徹夜して、あの超高難易度R18ゲーム『繁殖洞窟:ゴブリンキング』で、ようやく必死に撃破した隠しボス——
【銀月の魔女・ルナ・シルヴィア】じゃないか!?
このゲームは、プレイヤーがゴブリンの頭目となり、適切な人間の少女を捕らえて「苗床」にし、より強い子孫を繁殖させ、さらに強くて美しい苗床を捕らえに行くという……
とにかく、そんな戦略性の高いエロゲーだ。
当然、実用性も兼ね備えている。
昨日、私が二ヶ月間やり込んだセーブデータで、ようやくあの隠しボスを打ち倒したのだ!
魔女ルナと呼ばれる究極の存在!
だが、彼女を捕らえて巣穴で繁殖させる間もなく、次の瞬間、窓の外の落雷に直撃された。
そして目が覚めると……。
私、徹夜でゲームをしていた悲惨な男社畜が、ゲームの中に転生して、しかも自分が倒したばかりの絶世の美少女ボスになっちゃったのだ!?
何の冗談だ!
この荒唐無稽な現実から立ち直る間もなく。
背後の森が乱暴に突き破られた。
あの四メートルもあるゴブリンキングが、鉄塔のように私の背後に立ちはだかっていた。
その血走った赤い眼が私を凝視し、貪欲な視線が私を丸裸にせんばかりに注がれていた。
「逃げられんぞ、小魔女よ。」
「この最高級の神の血脈……ようやく俺たちのものになるなァ。」
血まみれの巨大な手を高く掲げ、奴は耳を劈く狂気じみた笑い声を上げた。
「大人しく受胎し、俺たちゴブリン一族の最高の苗床になれえええ!」
心臓が激しく縮み上がり、冷や汗が瞬間的に背中を濡らした。
何の冗談だ!?
他のみんなは転生したらチート無双か勇者だろ。
なんで私が転生したら、自分が倒した美少女ボスになって、自分で手塩にかけて育てたR18の化け物大軍と対峙しなきゃいけないんだよ!?
「嫌だあああああっ!! 私は絶対に化け物の子供なんて産まないぞ!!!」
絶望の悲鳴が夜空に響き渡った。
「私はブラック企業に搾取されてる哀れな社畜なんだよ! 先月の給料だって未払いのままなのに!」
「それに、女の子の手すら握ったことがないんだぞ!!!」
「こんなところで……死んでたまるか!」
崖っぷちに立たされた私は、奥歯を噛み締め、その瞳が急激に冷たく冴え渡った。
「今の私は、最強の魔女ボスなんだぞ……!」
「お前ら雑魚ども、よく見てろ!」
私はゆっくりと指を掲げた。指先に銀青色の魔紋が浮かび上がり、空気が震え始める。
「誰がお前たちをデザインしたか忘れたか?」
「私は、究極の隠しボスだ。」
「——傾聴せよ、夜空を司る銀月の主よ——」
刹那、極限まで複雑な金色の神聖な星環が空中に展開された。魔力が狂い咲き、空気はこの瞬間に窒息するような共鳴を起こす。
ゴブリンキングの巨体が激しく震えだした。「ば、馬鹿な……お前は魔力枯渇しているはず……」
「我が契約を以て、虚無の秩序を再構築し、此処に神の審判を下さん!」
私は猛然と腕を振り下ろした。瞳の中で興奮と狂気が燃え盛る。
「——【銀月・神滅裁決】!!!」
ドォォォォン!!!
銀色の月華が夜空を切り裂き、天地を滅ぼさんばかりのエネルギー嵐が瞬間的に降り注いだ。
下級ゴブリンたちは悲鳴を上げる間もなく、眩い光の中で完全に気化し、消滅した。
地面が炸裂し、業火が巻き起こり、数千メートルの森が一瞬で更地にされた。
「ハ……ハハハハ! やっぱり異世界転生といえばチート無双だな!」
自分の華奢な手を見つめながら、生き延びた快感と強大な魔力に、思わず得意げな笑い声を上げてしまった。
灰の山の中で虫の息になっているゴブリンキングを見下ろし、私はとどめを刺すべく右手を掲げた。
だが。
——フッ。
指先を包んだばかりの白光が、接触不良の電球のように二、三回点滅し、完全に消えてしまった。
「……あれ?」
私は呆然とした。何度試しても、手のひらは冷え切ったままだ。
私、さっきの一発で、この身体の魔力を全部使い果たしちゃったのか……!?
私が呆気に取られている間に、全身が奇妙な光に包まれた!
骨が軋み、四肢が急激に縮み、風船が縮むように急速に小さくなっていく!
数秒後、銀色の髪の塊から小さな頭がひょっこりと現れた。丸い瞳は驚愕と戸惑いに満ちていた。
「わ、私、ロリになっちゃった!?」
「魔力が切れたら強制的に幼女化するの!? ゲームのガイドブックにはそんなこと一言も書いてなかったぞ!!」
「ケケケ……やはりな。」
ゴブリンキングが灰の山から揺らめきながら立ち上がり、牙をむき出しにした。その重い一歩一歩が死神の足音のようだ。
「惜しかったな、小魔女。お前には一度しかチャンスがなかった——さあ、今度は俺たちの番だ。」
私は崩壊しそうになりながら、手足をばたつかせて後退した。
「嫌だああああっ!! 私は絶対に化け物の子供なんて産まないぞ!!!」
極限まで張り詰めた神経が、この瞬間に完全にプツンと切れた。
私の意識が深淵に落ちようとした、まさにその時——
天から、透き通った温かい詠唱が響いた。
『——主よ、この迷える子をお救いください。』
次の瞬間、金白色の聖輝が晨星のような六芒印陣と化し、空中で凄まじく炸裂した!
強烈な神聖波動が具現化した烈日のように、瞬時に森全体を吹き飛ばす。ゴブリンキングの凄惨な絶叫と共に、その巨大な体は聖光の中で灰と化した。
私は呆然と、天から舞い降りた天使のような金髪の少女を見つめていた。
魔力透支による虚脱感がついに私を飲み込み、私はぐったりと前へ倒れ、驚くほど温かい抱擁の中に落ちていった。
鼻を突く、朝露と白い百合のような、心安らぐ香りが漂う。
「おやすみなさい……もう大丈夫ですよ。」
………………
◆ リリス・セラフィナ(光の聖女) 視点 ◆
ここが、焦土と化していた。
辺境の少女失踪事件の調査を命じられた光の聖女として、私は魔物の残虐な光景を数多く見てきた。
だが、私が天から舞い降り、この銀髪の女の子を見た瞬間、心臓は締め付けられるように激しく痛んだ。
この子は……一体どんな目に遭ったのだろう?
天使も嫉妬しそうなほどの絶世の美貌の持ち主なのに、今はまるで壊れた磁器のフィギュアのように、死臭に満ちた泥の中に倒れている。
「おやすみなさい……もう大丈夫ですよ。」
私は彼女をそっと抱き上げた。
その身体は冷たくて激しく震えており、意識を失っていても、小さな手は私の聖袍の裾を必死に握りしめていた。
不意に、彼女は悪夢の中でひどく恐ろしいことに遭遇したかのように、大きな涙をポロポロとこぼした。
「うう……お母さん……行かないで……」
「怖いよ……私を置いていかないで……」
そのか細く無助なつぶやきは、重いハンマーのように私の魂の奥底を激しく打ち抜いた。
ああ……この子は、すべてを失ってしまったの?
家族も、頼れる人もなく、果てしない恐怖の中で泣くことしかできない。
私はうつむき、彼女の冷たい額に自分の頬をそっと寄せた。
「良い子ね……安心して眠りなさい。お姉ちゃんがここにいるわ。あの魔物たちには、もう絶対にあなたを傷つけさせないから」
◆ 主人公 視点 ◆
「うぅ……」
どれほどの時間が経っただろうか。私は自分の意識が、温かい水の中で穏やかに揺れているような感覚を覚えた。
ゆっくりと目を開ける。
視界はまだ少しぼやけているが、目の前には……見慣れたクソアパートの天井でも、息苦しい仕事用のパソコン画面でもない。
すごく温かい。
柔らかい。それに、極めて甘い香りが漂っている。
私はゆっくりと目を開けた。視界に飛び込んできたのは、二つの非常に圧倒的で、純白の聖袍に固く包まれた、雄大な雪山!?
そして私の顔は、今まさにその見事な柔らかさの間にぴったりと埋まっているのだが!?
これが極上の夢だと思い、思わず強く頭を擦り寄せてしまった時。
「あっ、目が覚めたの……?」
頭の上から、風鈴のように心地よい軽やかな笑い声が聞こえてきた。
温かい手が、私の頭にそっと触れ、銀髪に沿って優しく撫でてくる。
「ああ……さっきはゴブリンに連れ去られそうになって……すごく怖かったわよね?」
「もう怖くないわよ……お姉ちゃんがここにいるから。ゴブリンはお姉ちゃんが追い払ったからね。」
彼女は「豆腐を食う(セクハラする)」エロロリな私を突き飛ばすどころか、かえって私を強く抱きしめてきた。その声は溢れんばかりの母性と慈愛に満ちていた。
私は、これが夢だとしても、もう少し長く見させてくれと思い始めた。
ブラック企業の上司に搾取されるより、金髪の綺麗なお姉さんの温かい抱擁の方が最高に決まっている!
私が彼女の温かい胸にぴったりと身を寄せ、生まれてから20年以上味わったことのない絶賛の体験に浸っていたその時。
突然、脳内で「ピロン——」という音が響いた。
どこか腹立たしいシステムの声が、陽気に飛び出してきた。
【システムが嫁候補を検知しました! あなたのためにイチャイチャ計画を策定中です!】
【分析完了:親密度初期値 D 、性格傾向:癒やし/守護系】
【推奨アクション:相手の胸にすりすりして、守護欲を刺激する(+4)】
「お姉ちゃん……何か音、聞こえなかった?」
「ううん? どうしたの、小さな妹ちゃん?」
リリスは少し首を傾げて私を見つめ、不思議そうな顔をした。
【宿主様、あなたの他に私の声は誰にも聞こえませんよ!】
『お……お前は誰だ?』
【私はあなたの専属システム、魔力回復・世界征服・最強魔女への道をサポートします!】
【ルルちゃんって呼んでね(≧▽≦)】
私は呆然と、自分にしか見えない微光を放つ青い半透明のスクリーンを見つめた。
待って。
私の夢の中に……こんなハイテクなホログラムウィンドウが出てくるか?
それに、どうして私の太ももや腕から、ヒリヒリとした痛みが断続的に伝わってくるんだ?
それは森の茨の中を走った時についた切り傷だ。痛い。非常にリアルな痛みだ。
私は無意識に視線を動かし、金髪の少女の温かい肩越しに、後方の地平線を見た——焦土と化した大地、折れた木々、そして少し離れた場所に……聖光の烈焔で黒焦げになり、鼻を突く悪臭を放つ緑色のゴブリンの死体が転がっていた。
焦臭と血の匂いが、一瞬で甘い香りを突き破り、私の脳天を直撃した。
この極めて衝撃的な視覚、触覚、そして嗅覚……。リアルすぎて反吐が出そうだ。リアルすぎて——絶対に夢なんかじゃない。
私は全身を硬直させ、肺の奥まで吸い込んだ甘い香りが一瞬で喉に詰まった。
——これは、夢じゃない!
あの思い出したくもない恐怖の記憶が、濁流のように脳内に押し寄せてきた。
ゴブリン……苗床……ロリ化……!
私は慌てて、その名残惜しい柔らかさから顔を上げた。
目の前の金髪の聖女を凝視した。彼女は光の彼方から来たように柔らかな光を纏い、清らかな瞳には慈悲が満ちていた。人間離れした美しさを持つ少女だ。
私はゲームの中で彼女を何度も見たことがある。だが今、この目で直接見ると、まるで神祇に初めてまみえたかのようだった。
彼女は夜色と聖光の狭間で微笑み、金髪が風に揺れ、数筋の後れ毛が頬を撫でていたが、それでも絹のように、光のように滑らかで美しかった。
その瞳は静かで澄み切り、星を映す湖面のようで、同時に人間への慈悲を映し出していた。
待って。
この絶世の美貌、金糸が織り込まれた純白の聖袍、そして神聖な威圧感を放つ十字の法杖……。
私は思わず息を呑んだ。
私の脳内で、ゲームの図鑑にあった一枚のSSR級絶賛立ち絵と完全に重なった。
——【リリス・セラフィナ】!
ゲーム内における光の教会の百年に一人の天才にして、最強の回復魔法と邪悪特攻を持つ——光の聖女!
私を強く抱きしめているのは、ゲーム内で最も攻略が難しい最強の光の聖女——リリス・セラフィナだ。
彼女の庇護を得られなければ、私は再びゴブリンの魔手に落ち、極めて悲惨な苗床にされてしまう!
私は即座に社畜時代に培った演技力をフル動員し、涙を絞り出し、彼女の服の裾を死に物狂いで握りしめた。
「ううっ……お父さんも……お母さんも……あの化け物たちに捕まっちゃった……怖いよぉ……」
言葉に出すと、抑え込んでいた恐怖が本物の涙に変わった。
リリスの瞳に、一瞬で深い罪悪感と憐憫が湧き上がった。
「……ごめんなさい、お姉ちゃんが来るのが遅かったわね。これからは、絶対にあなたを一人になんてさせないから」
彼女は私をさらに強く抱きしめ、体温で私の震えを払拭してくれた。
よし、攻略成功。これで教会でタダ飯を食う保証ができたぞ——
私が密かに安堵の息を吐いた時、脳内で「ピロン」という極めて無粋なシステム音が鳴り響いた。
【警告:7日以内にリリスお姉ちゃんの好感度を上げないと、宿主と聖女は97.2%の確率でゴブリンに捕まり、苗床にされちゃいます♡】
『……何その陰湿なクソシステム!?』
リリスは優しく私の銀髪を撫でた。「お名前は何ていうの、小妹ちゃん?」
私が本名を名乗ろうとした瞬間、ルルちゃんが悲鳴を上げた。
【バカ! 本名を言うな! 今のあなたは世界中で指名手配されてる災害級魔女なんだから、本名を言ったら即座に火あぶりの刑にされるよ!】
私は冷や汗を流し、慌てて言い換えた。
「……ル、ルナ。ルナって呼んでください」
「ふふ、とっても可愛い名前ね、ルナちゃん」
彼女は私の銀髪を優しく撫で、その温かな感触に、私の張り詰めた神経は少しだけリラックスした。
その時。
脳内で、あの憎たらしいシステムの声が再び響いた。
【へえ、偽名を考えるのは上手いね! でも宿主、まさか走ることすらままならない戦力外のロリ形態をずっと維持するつもり?】
私は心の中で白目を剥いた。『当たり前だろ、私もそんなの嫌だよ! でも今の私、一滴も魔力がないんだぞ!』
【ルルちゃんが前に言ったでしょ! この聖女お姉ちゃんと肌を重ねて、『イチャイチャ(スキンシップ)』すれば、すぐに彼女の神力を借りられるんだよ!】
『は? キス一回で強くなる? これのどこが三流のハーレムラノベだよ! 私は堂々たる(元)成人男性だぞ、こんな意味不明な設定で女の子にキスできるわけが……!』
【信じない? じゃあ彼女にキスしてみなよ〜。怖いならやらなくてもいいけど、どうせこの後危険が迫ったら死を待つしかないよ(ゝ∀・)】
システムに見下され、本来混乱していた私の脳内に得体の知れない怒りが込み上げてきた。
よし、キスしてやる!
どうせ今の私も女の子だ、女の子同士で頬にキスするくらい減るもんじゃない! それに相手は絶世の美女だ、どう考えても損はない!
私は唾を飲み込み、目を閉じ、まるで壮士が腕を断つような覚悟で猛然と顔を近づけた。
リリスの白く柔らかい横顔に——
チュッ。
軽くキスをした。
リリスの身体が瞬間的に固まった。
彼女は大きな青い瞳を見開いて私を錯愕の表情で見つめ、白い頬が目に見えて赤く染まっていった。
「ル、ルナちゃん……?」
しかし、聖女の照れた姿を堪能する間もなく、脳内で一連の軽快な通知音が爆発した!
【ピロリ〜ン!】
【高純度の光属性イチャイチャを検知! システム同調を開始……】
【おめでとうございます! 光系神印 Lv.0 → Lv.1 解放!】
【初期光系魔法:『聖盾・イージス』、『聖光弾』を獲得!】
私は目を見開いた。
温かく満ち溢れる力が、本当に指先から全身へと流れ込んできた!
『ウソだろ!? 本当に効果があるのか!? なんだこの不真面目なチートシステムは!』
私が「魔力回復」の衝撃に浸っていた時。
視界の端、遠くの焦土の山の中で、一つの黒い影が動いた。
死んだふりをしていたゴブリンの斥候だ!
毒を塗った冷たい矢が、すでに短弓につがえられている。
そして狙いを定めている方向——それは、しゃがみ込んで背を向け、私のキスにまだ少し呆然としているリリスだ!
「ヒュン——!」
毒矢が空気を切り裂き、致命的な破空音を立てて飛んでくる!
リリスの意識は完全に私に向けられており、この距離では振り向いて防御する暇など全くない!
「危ないっ!!」
考える時間さえなかった。身体が脳より先に反応した。
私はリリスを力いっぱい抱き寄せて押し倒し、猛然と右手を掲げた。
覚えたての魔法が、本能のままに口を突いて出た。
「——【聖盾・イージス】!!」
ブォン!
神聖な金輝を放つ半透明の光の盾が、瞬時に私の手のひらの前に展開した。
『パキン』という甲高い音と共に、毒塗りの暗矢が光の盾に激突し、そのまま二つに砕け散って弾き飛ばされた。
空気が、この一秒間、死に絶えたように静まり返った。
リリスは呆然と、彼女の前に立ちはだかり、掌で光の盾を維持している私を見つめていた。
その後、彼女はゆっくりと振り返り、遠くで逃げようとしているゴブリンの斥候を見た。
その瞬間。
私は誓って言う。この聖潔で慈愛に満ちた光の聖女の瞳に、氷の深淵に落ちるような極寒の殺意が閃くのを見た。
「薄汚い害虫め……私とルナちゃんの時間を邪魔するなんて。」
彼女は詠唱すらしなかった。
法杖すら掲げていない。
ただ手を一振りしただけで、私の光の盾の千倍も眩い【聖焔裁決】が轟然と降り注ぎ、そのゴブリンの斥候をこの世界から完全に蒸発させた。
これを終え、リリスは振り返った。
春の水のように澄んでいた彼女の瞳には、今や私の頭皮が痺れるような、深く、人を溺れさせるような波光が揺らめいていた。
彼女は震える手を伸ばし、私がさっきキスした頬をそっと撫でた。
それから、私を丸ごと、息が詰まるほど強く、死に物狂いで抱きしめた。
「ルナちゃん……さっきは、魔力もないのに、お姉ちゃんを守るために必死に魔法を使ってくれたのね。」
彼女の声は掠れ、どこか不気味なほどの甘さを帯びていた。
「自分からお姉ちゃんにキスしてくれて……お姉ちゃんを守ろうとしてくれて……」
「ああ……これこそ、神様が私に授けてくださった、私だけの宝物なのね?」
リリスは顎を私の首筋に寄せ、熱い息を私の耳元に吹きかけた。
彼女の唇は、極めて美しく、同時に極めて危険な笑みを浮かべていた。
「お姉ちゃん、決めたわ。」
「この一生、天国であれ地獄であれ……お姉ちゃんは絶対にルナちゃんを離さないからね❤」
私は彼女に死に物狂いで抱きしめられ、心臓が激しく波打ち、冷や汗が流れた。
待って!
この目、この口調! 二次元アニメで何度も見たけど、これって完全にヤンデレ覚醒の絶対的な前兆じゃないかあああ!!
【ピロリ〜ン! 目標対象『リリス』の好感度が閾値を突破、ヤンデレ/激重属性が起動しました!】
脳内では、ルルちゃんがまだ嬉しそうに花火を打ち上げていた。
私は心の中で絶望の悲鳴を上げた。
ゴブリンの魔手からは逃れたけれど……
でも、私、もっと恐ろしい死亡フラグを自分の手で立てちゃったんじゃないの!!!?
——こうして。
魔力を失ったロリ魔女である私が、異世界で病んでる聖女様とイチャイチャしながら強くなる物語が、正式に始まった。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
もし「面白かった」「このヤンデレ聖女とロリ魔女の続きが読みたい!」と思っていただけましたら、
ページ下部にある【ブックマークに追加】と、【☆☆☆☆☆】の評価を【★★★★★】にしていただけますと、作者の執筆のモチベーションが爆上がりします!
皆様の応援(評価・ブクマ)が多ければ、この二人のその後のイチャイチャを描く【長編連載版】をスタートする予定です!
ぜひ応援よろしくお願いいたします!




