表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

その2 魔法

気づくと俺は路上で倒れていた。

立ち上がろうとして、体の重さがのしかかった。


視界の端にアウトライアーの言った言葉が浮かび上がった。

――――

その1

「君が転生するのは異世界ではなく現代社会だ。そして魔力がある。だから魔法が使える。」

――――

背中に視線が貼りついている気がした。

今でも息の根を止めうることを思い、喉奥が鳴った。


ピッポー、ピッポー

横断歩道のメロディが鳴った。


いずれにしても魔法を覚えよう。今後必要になる。

――今後。

口元まで酸っぱさが上がってきたので、これ以上は考えない。


魔法を覚えられそうな場所を知りたくて、警察に駆け込み署内の看板を見ていた。


――

昨日の交通事故

死亡 1

負傷 56

――

――

第A種・第B種4大元素魔導免許更新のお知らせ

更新はお早めに!

――

――

人権標語ポスター

「わがままでまほうはみっともない!」

――



警察官の姿が見えたので訪ねてた。

「魔法を覚えられる施設って、このあたりにありますか?」


警察官は眉をひそめ、こちらを睨む。

「……魔導免許はお持ちですか?」

俺は首を横に振った。

警察官の眼光が更に鋭くなった。

「では、小児期の診断記録などは。当時かかられた病院名でも。」

「お、覚えてないですね。」

「住民票、戸籍番号など教えていただいても?」

身の毛がよだち、喉が締まる。

――今の俺はそれを、知らない。


警察官は無線に手を伸ばした。

「ええ、はい。保護という形で一度……」

保護、というより拘束という形になるだろう。


思考より先に体が動き、俺は出口へと踵を返した。

背後から椅子のなる音と叫び声が聞こえた、その瞬間――


俺の体が宙に浮いた。


……魔法、か?


出口には女性が立っていた。

栗色の髪に、白スカートのガーリーファッション。甘い香りが鼻を突いた。

花や香水とは違う、わざとらしい甘さ。


女性は少し縮こまりながら、財布を差し出した。

「落とし物のお届けに来ました…… それと、あと……この人も?」


ポスターの文字が一瞬だけ書き換わる。

――

その2

「君の記憶にはプロテクト処理を行っている。トラウマを糸でくるんでおいた」

「ただ、糸だからほどけやすい」

――


「……記憶喪失なら、最初から言っていただければよかったのですが。」

「身元不明の日本人として扱うこともできますので。」

少しうつむきながら警察官は言った。

その後、軽く書類を書き警察を後にした。


彼女は目をパチクリとさせながら聞かれた。

「な、なぜあんなことに?」

「魔法を覚えたかっただけ、なんです……」

「ふむ。」と、彼女は唇をモゴモゴさせた。

「なら、いい方法がありますよ?」

少し自信げに彼女は言った。


――

ある施設の前に連れて来られた。

彼女は、魔導書がいっぱい置いてある、と豪語していた。


「稲葉町立図書館」


「そ、そりゃそうじゃん!」

……最初から図書館の場所を聞けばよかった。


町内放送が、途中から別の内容にすり替わった。

――

その五

「この世界にいる神様は、当然僕だけじゃない。」

「僕、フィラメント、メルトダウン、コラプス。」

「すべてが世界を壊しに来る。」


「頑張って世界を救い給え。」

――


神様は四柱。――命はいくつ賭ければいい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ